アニメ!アニメ!の敵役連載で、『東京リベンジャーズ』の稀咲鉄太を取り上げました。
不良を描く「東京リベンジャーズ」で、「悪党」を体現する稀咲鉄太 | アニメ!アニメ!
『東京リベンジャーズ』は不良の物語ですが、稀咲は不良たちとは価値観の違う人物ですよね。それを「悪党」と「不良」の違いとして書いてみました。実際の社会では、その2つはどう違うんだっていう感じですが、フィクションの世界では明確に違うものとして描かれることが多いかなと。
稀咲は、タイマン勝負もないし、策を弄することが多くて、他の不良たちとは明らかにものの考え方が違います。ナンバー2気質というのもユニークです。トップの器ではないとわかっているあたり、面白い悪役だと思います。不良を輝かせるために、悪党である稀咲が悪役として君臨する必要があったんじゃないかと思っています。実際、彼との対比で他のキャラクターはすごく魅力的に見えてきますよね。
以下、原稿作成時のメモと構成案。
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自分が主役になれないと知っているけど、野心はある
月、、太陽にはなれない
No2でこそ輝くタイプ
↓
総理大臣になったら駄目だが、官房長官やると力を発揮する
あらゆる組織に取り入る、その交渉術。。。自分の手を汚さない徹底ぶり
ヒーローと涙した理由。。。彼もまた諦めないやつである、、、ただし、自分の手は汚さない
トップの方が目立つから叩きやすい。陰に隠れたやつほど、わからないので叩きにくい。
ジェームズ・モリアーティのようなタイプか。。。途中まではしっぽもつかめない存在
Intro
東京リベンジャーズは不良の物語だ。この作品のポイントは、不良と悪党を分けていることだろう。
マイキーやドラケンたちは不良だ。彼は情に厚くて仲間想いで全うだが、社会の規範からら外れている。だが、人の道は踏み外していない。これが不良だ。
対して悪党は、人の道を踏み外したやつだ。稀咲鉄太はこちらに該当するキャラと言っていい。
稀咲のナンバー2の哲学とその厄介さについて書く
Body1組織のトップにならない、知将
東京リベンジャーズは不良の物語で、不良の世界では腕っぷしの強さがものを言う。抗争の決着はだいたい喧嘩勝ったかどうかになる。
なので、基本的に立ちはだかる敵も強い。
でも、稀咲はそうではない。彼は悪知恵をはたかせるタイプの悪党。自分で手を下すことはまれで、だれかを操るフィクサータイプ。
このキャラクターの特徴は、決してトップになろうとしないことにある。太陽ではなく月だ、と言い。
自分がトップの器じゃないことを、頭がいいがゆえに理解している。
政治家になったら、総理大臣はやったらうまくいかないが、官房長官とかをやると、すごく力を発揮するタイプだ。
現実でも目立つのは組織のトップだ。何か不祥事があったら、まずはトップがたたかれる。ナンバー2以降は、案外その隠れみのに隠れて、免責されてしまうこともある。トップよりも生き残りやすいポジションといえるかもしれない。チームを渡り歩いて、その都度生き残る稀咲は、それを知っている。
Body2
腕っぷしの世界の不良で、弱い奴は2人いる。武道と稀咲だ。
それでも真正面から馬鹿正直にぶつかっていく武道。。。その勇気がいろんな人を動かす。
対照的に陰に隠れて、人を操る稀咲。弱いやつの生存戦略として、どっちが正しいか。
↓
実際、現実社会で悪知恵と策略を働かすやつは、馬鹿正直に正面から向かっていくやつよりも出世しがちである。そんな現実をぶっ飛ばしてくれそうな武道の勇敢さはだからこそ、まぶしい。
タイムリープで現実を変えるという物語と一緒に、小賢しいやつほど出世する世の中を変えてくれるような願いが武道と稀咲の対称性に込められているような気がする。
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メモ終わり。
バカ正直なヤツより、小賢しいヤツのほうが出世する世の中であることを覆したいという気持ちがこの作品には溢れている気がします。その小賢しいヤツの代表が稀咲です。
ナンバー2というのは、なかなか快適なポジションかもしれません。すべての責任を負う必要はないけど、知略でナンバーワンを動かすこともできるポジションですから。組織の不祥事があっても、ナンバー2の責任ってあんまり問われませんしね。ブッシュ時代のチェイニーのようなヤツだなとか思ってます。
本作はきっとアニメ2期もやるんでしょう。稀咲との戦いは原作では決着着いていますが、そこまで描いてほしいなと思います。
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