アニメ!アニメ!の敵役連載、今回は新シリーズも始まった『ルパン三世』の銭形警部を取り上げました。
【ルパン三世】銭形がルパンを追う理由―とっつぁんの「宿命」と「生きがい」 | アニメ!アニメ!
ルパンの宿命の相手といえば銭形ですが、そもそもとっつぁんはなんでルパンをあんなに執拗に追いかけるのか、結構謎だなと思いました。具体的な動機は、あまり作中で語られていないんですよね。
それこそ泥棒という主人公に敵対する刑事という、敵役としての機能的な役割を与えられて作品世界に必要とされているということだと思うんですが、敵役というもののあり方として考える価値ある存在だなと思っています。
アニメの一話で、血の宿命という言葉をとっつぁんは言っているんですが、それこそ敵役という機能の宿命をこのキャラクターは背負っているようにも思います。執念深く追い詰めても、どれだけルパンに迫っても、決してルパンを捕まえることはないという宿命が。
原作者のモンキー・パンチさんが『トムとジェリー』の関係になぞらえているのが印象的です。ネコのトムは絶対ジェリーを捕まえられないですからね。捕まえたら作品が終わっちゃうわけですから。
でも、とっつぁんは宿命を超えて、ルパンを追うことが生きがいになっているのが、キャラ造形として素晴らしいポイントですね。宿命で動かされているだけじゃない、自分の人生はこうだと、自らの意思で決めているんですね。
以下、原稿作成時のメモと構成案。
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なぜ銭形はルパンを追うのか。。。。はっきりしない動機・・・あの執念はどこからくるのか。
主人公が悪党な場合の敵役のあり方
コメディリリーフの多さと本当の銭形の実力は
「私とルパンの間には、捕らえる者と捕らわれる者のルールというものがある」
キャラはぶれているので、シリーズ事に分けて考えたほうがいいだろうか。設定の変更もよくある
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シリーズ全体で見られる銭形の特徴にしぼって書いた方がいいのか。
ルパンの死を誰よりも悲しむ。。。ルパンが生きがい
山田康雄「超一流の泥棒と超一流の警部が追いつ追われつつするうちに、相手の才能を認めあった上で芽生えた奇妙な友情、これなくしてルパン三世は成立しないのです」モンキー・パンチ 『ルパン三世 (1)』 中央公論新社〈中公文庫〉、1998年。
敵役は主人公を超えることができない物語の宿命。たとえ超えていたとしても、勝てないように設計される。
銭形は本当は優秀だが、ドジを踏んで逃がすようなキャラとしてアニメでは基本的に仕立てられた。
原作との相違点。。。書くか、否か。。。アニメアニメなので、アニメ中心に記述すべきか。
アニメ1期の第一話「血が・・・、宿命が・・・、貴様がアルセーヌ・ルパンの孫でなかったら、俺が銭形平次の子孫でなかったら・・・」
動機について・・・血の宿命・・・それだけであのような執念が得られるだろうか。
いつしか、ルパンを追うことが生きがいとなっている・・・これは原作ともアニメとも共通すると言えるか
原作要素について、どこまで触れるか。。。山寺さんが引き継いだ後は割とハードボイルド調で原作に近づいているので、入れてもいいか。
共闘する時はどんな時か。。。カリオストロの城が最も典型的な例と言えるか。
パート5の記憶喪失のエピソード。。。20話か。。。泥棒の腕が染みついていた。。。
シリーズ毎、物語毎にルパンと対峙する悪役はいることが多い。なら銭形の立ち位置は?
悪党は逃がさないという銭形の立ち位置は、アウトローのルパンが善人に見えすぎないようにするため?
ルパンの良さを引き立てるために、いつも逃げられてしまう立場。
敵役だから絶対に勝てない、けど、ルパンを追うことが生きがいというキャラ付けによって、キャラとしてつぶれず魅力を放ち続けている、
主人公に敵対するのは、メタ的にたしかに敵役の宿命だ。その宿命に、生きがいを与えられた銭形は幸せな敵役だ。ただ敵役として設定され、主人公のために負けて消費されるだけの存在を大きく超えた存在
L3雑録 2015年 「モンキー・パンチ インタビュー」
ルパンと銭形の追いかけっこはアニメ『トムとジェリー』の メージだけど、あのアニメでも私はトム の方を応援したくなるんですよ(笑)。
モンキーパンチ先生。
随分前に夜間の漫画塾に通ってたことが
あって、そこの特別授業で
じかに伺ったのだけど、
宮崎駿監督の映画版ルパン三世で
どれが一番お好きですかという質問に
「どれも好かん。俺の作品から一滴残らず
毒を抜きおった」と
衝撃のご返答だったのを
今でもはっきり覚えてる。— くみこ@創作『やわ銀』制作中 (@KumiSuzuki) April 16, 2019
ルパン三世officialマガジン | WEBコミックアクション (webaction.jp)
トムとジェリーに例えるモンキーパンチ。。。。永遠に追いつけない、だが唯一無二の相棒でもある。。。いつでもジェリーが上手であるという宿命
【ワーナー公式】キャラクター|トムとジェリー|キャラクター (warnerbros.co.jp)
Point3つ
宿命。。。銭形の宿命、敵役の宿命
宿命から生きがいへ
主人公がアウトローゆえに社会的正義を体現する必要
Intro
ルパン三世Part6が始まった。超ロングシリーズを支えるのはキャラクターの魅力だ。
敵役として銭形がいる。彼もまたこのシリーズに欠かせない存在。主人公が泥棒というアウトローなだけあって、それに相対する銭形は、敵役として特異な立ち位置を獲得し、それがシリーズ人気を支える一つの要因となっている。
Body1 謎の動機
銭形はなぜルパンを追うのか。
アニメ一期一話。。。血の宿命と言っている。
宿命について、考える。
2つの宿命
物語上の宿命・・・文字通りの血の宿命・・・一話。。。プライムにある
メタ的な視点で「敵役の宿命」・・・・ルパンは泥棒なので、追いかける誰かが必要
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モンキーパンチは「トムとジェリー」をイメージしていた。
猫のトムはずっとジェリーに振り回される役回り。永遠にジェリーを捕まえることは(基本的には)ない。
銭形がルパンを本当に捉えたら、物語が終わってしまう。だから、銭形は常にルパンに出しぬかれなくてはいけない。(たまに捕まえるが、結局は脱獄されたり逃げられたりする)
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なので、やや間抜けに描かれなくてはいけないときもある。本当はすご腕なのに。
敵役としての宿命として、そういう要素を課せられたている。ルパンを上回るわけにはいかないから。
Body2 宿命から生きがいへ
しかし、銭形はただ間抜けなだけの物語上の装置としての敵役にとどまらない魅力を持っている。
銭形には、ルパンを追うという執念だけがある。。。切通さんの論説・・・『追悼 モンキー・パンチ』双葉社
しかし、奇妙な友情をも感じさせる。
「ルパンは銭形がいなければ成立しない」と考えており、「超一流の泥棒と超一流の警部が追いつ追われつつするうちに、相手の才能を認めあった上で芽生えた奇妙な友情、これなくしてルパン三世は成立しないのです」モンキー・パンチ 『ルパン三世 (1)』 中央公論新社〈中公文庫〉、1998年。
ルパンが死んだという情報をだれよりも固く否定し、次元などの仲間以上にその死を悲しむ
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いつしか、宿命は生きがいへと変わっている。。。実際に台詞を引用したい
ルパンを捕まえられなくても、その生きがいは失われない。むしろ、ルパンを追い続けられた方が生き生きと出来る。
自分から逃がす時さえある。(『TV第2シリーズ』第38話「ICPOの甘い罠」)TVシリーズ2の155話. さらば愛しきルパン
Body3社会的正義
ルパンがアウトローだが、アニメでは義賊のようにふるまうことが多い。
だが、やはり悪党という枷はあるため、完全な正義になってはいけない。
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そこで、視聴者のカタルシスのための社会的正義を体現するのが銭形。
悪党にワッパをかける、それが俺の主義。時にICPOなどが利権がらみで手を出せない悪にも敢然と立ち向かう・・・カリオストロがいい例か。
この男なくして、ルパン人気は大きくならなかった。敵役が作品全体を支えているという例として、銭形はあまりにも偉大な存在だ。
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メモ終わり。
この作品は主人公が泥棒という悪党稼業なので、正義の味方っぽくなりすぎてもいけないですから、そういう時に社会的正義を遂行するために銭形が使われることもありますね。そういう時には、ルパンと協力関係になったりもするのが面白いところで、たまに協力関係になるのも『トムとジェリー』ぽいですね。詳しく観ていてくと、たしかに『トムとジェリー』の影響が大きい作品なんだとわかってきます。
宿命から生きがいへ、というのがこのキャラクターの最も魅力的な点だと僕は思います。シリーズに欠かせない素晴らしいキャラクターですね。