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『呪術廻戦』の夏油傑について書きました

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アニメ!アニメ!の敵役連載、今月は『呪術廻戦』の劇場版で活躍する夏油傑を取り上げました。

劇場版「呪術廻戦」揺るがぬ信念をつらぬく夏油の妖しい眩しさ | アニメ!アニメ!

夏油さんを取り上げるならこのタイミングしかないかなと思いました。本編の回想編もあるとは思いますが、敵として出てきた時の方がこの連載の主旨にあうので。

夏油については、単純な闇落ちキャラとは紹介したくないなと思っていました。多分、敵キャラをざっくり分類すれば闇落ちキャラになるんだろうと思いますが、もう少し複雑にこのキャラの実存を見ようと思いました。人類に絶望したというよりも、救うという気持ちを先鋭化させすぎた結果としての術師だけの世界を作る、という目標だと思いますので、「堕ちた」というのとはちょっと違うなあと思っていたのです。

自分にはその目標が分不相応だとわかっているのも大事な点です。きっとできないだろう、でも最善は尽くす。人事を尽くして天命を待つという生き方をしているわけです。こういう生き方をしている人は、ある意味で信頼がおけます。善人が必ずしも信頼できるわけではないように、悪人が必ずしも信頼できないというわけでもないと思うのです。

自分の生き方を懸命に悩んで決めた人なんですよね、夏油は。そこは本当に尊敬すべきポイントで。こういう敵役は書いていて楽しいです。

以下、原稿作成時のメモと構成案。

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親友だったキャラクターの闇落ち….闇落ちとは言いたくない
真面目すぎる性格の人物が、大真面目に人間の闇に向き合った結果。。。根本的な解決。
強者と弱者の関係。。。強者は弱者を守るもの、という正論は報われることがあるのか
弱者故の尊さ、弱者故の醜さ、、、その分別と受容ができなくなってしまっている
彼は、自分でそれを選んだ。転ばされたのでは決してない。踏みとどまれなかったわけでも決してない。自分で選んで進んだ。
大義ある存在としての敵役
呪術師は殺さない、非術師なら両親でも特別扱いしないという、ポリシーを貫く姿勢

夏油の目標・・・呪術師だけの世界を作る
そのための手段・・・非術師を全て殺す

夏油の能力。。。呪いを取り込み操る能力、、、呪霊操術。。。呪霊の味、、吐しゃ物を処理した雑巾を丸呑みしているような味

「自己中心的だね。だが自己肯定か。生きていく上でこれ以上大事なこともないだろう」

Thesis
この世の理不尽を正そうとして敵となったもの
真面目な人
自己肯定は生きていく上で大事
強者と弱者

Point3つ
弱者と強者のねじれた関係。。。はじめは真反対の考えで行動していた
真面目すぎる性格。。。対象的な五条悟の適度な不真面目さ
弱者の悪意とまともに向き合ってしまうと壊れることがある
自分で選んでその道を進んだ、大義を持って行動している
よく言われる「堕ちる」というものではない。すくなくとも本人の中では
自分にできる事を精一杯やるだけ

五条の信頼・・・・善人と信頼できる人間の違い?
 
 

Intro
『劇場版 呪術廻戦 0』で主人公、乙骨憂太

「大いなる力には大いなる責任がともなう」と、あるヒーロー関係者は言う。

強い力を持つ者は力を持たない者のためにその力を使わねばならない。それが正しい力の使い方である。

『劇場版 呪術廻戦 0』の敵役、夏油傑はそれを否定するだろう。けれど、昔の夏油なら同意したはずだ。

誰もが最初から悪として生まれるわけではない。
人である限りは、生まれついての悪ということはないはず。

『劇場版 呪術廻戦 0』で敵役として登場した夏油も、生まれついての悪ではなかった。彼は悪(と物語上は見える」という立場を自らの意思で選んでいる。それを正しいと、意味あることと信じて、自らの意思でその道にすすんだ。

非術師を殺すというその目的に、いかなる正当性があるのか。そこには彼なりの真面目に考えた、考えすぎた結論がある
 
 

Body1 はじめは正反対の考えだった。
むしろ、強者の五条こそがなんで弱いやつを守らないといけないのかと
夏油は弱者はまもられるべきものと考えていた。

とある事件がきっかけで、人間の愚かさ、醜さに直面してしまう。

いわゆる闇落ち的な展開と言える。だが、
この闇落ちという言い方は実際どうなんだろう。彼らは落ちているのか。

弱者と強者の関係はどうあるのが正解なのか。彼は考えすぎたのか。
呪いは弱さから生まれる・適者生存は自然の摂理ではないか。

夏油はまじめすぎる性格。五条とは対照的

真面目に考え、意味があることだと信念を持って動いている。それを落ちるとは失礼な話・
 
 

Body2 一貫性があり矛盾がない点は信頼できる
いかれた思想に取りつかれた危険人物に見えるが、実は行かれていない。・・その結論もよく熟考したうえでの、意思を持って選択した結論だという点がポイント

彼は非術師は殺すが、敵対していても呪術師は殺さなない。彼は彼の思想を裏切らない。非術師であれば身内でも贔屓しない。強烈に一貫していて矛盾がない。普通の人間は多少なりともダブスタ的な部分があるんものだが。

そのダブスタのない一貫性は、危険な人間ではあるが、信頼できる部分。
術師だけの世界を造るために、それが簡単なことだとも、まともだとも考えていないかもしれない。しかし、それには意味があると考えている。

彼はこういうとこも真面目で、真摯だ。だからこそ、人の醜さが許せない。自らの損得勘定でだれかをさげすむような、自分の弱さを棚に上げてしまうような醜さを許せない。

口先だけの正義よりも彼の生き方はまぶしい。彼は五条を裏切った。だが、その後、誰も裏切らすに、新年を貫き通している。彼に救われた者も現に存在する。

危険な思想だが信頼できる人間。彼は彼を偽らないし、誰をも偽らない。夏油本人は。

夏油の危険な思想は説得力あり、信念も大儀もあるからやっかいだ。

 
 
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メモ終わり。

ダブルスタンダードがない人物ですよね、夏油って。そして、自己肯定感の高い人間だと思います。自己肯定感は生きていくうえで大事というセリフがありますが、ちゃんとそれを自分の人生で体現しているから言えることですね。

 あと、記事のサムネ写真ですが、縫い目あるやつしか入手できなかったので、仕方なく縫い目あるやつを使っています。本当は縫い目ない場面写真があればよかったんですが。そのせいで、皮肉めいた印象を受ける記事になっているかもしれない。しかし、勝手に動画をキャプチャして使うわけにもいかないので。。。

(C) 2021「劇場版 呪術廻戦 0」製作委員会 (C)芥見下々/集英社