マグミクスに、『鋼の錬金術師』の2部作実写映画の続編が発表されたのをうけて、マンガの実写化の成功を分けるポイントについて書きました。
実写「ハガレン」続編が話題に!実写化映画の大事なポイントを歴代成功作から考察 | マグミクス
いろいろ物議をかもすマンガの実写化ですが、ヒットする作品や高評価の作品とそうでない作品、分かれがちです。なにを抑えた作品が高評価になるのかを考えたいと思って書きました。
何度か似たようなことは書いてきたのですが、改めて考えた方がいい時期というか、そろそろこの手の企画は曲がり角なんじゃないかと思ってます。ネームバリューや半信半疑のファン心理でそれなりに集客できる時代はもう終わって、本気で高評価を勝ち取れる作りをしないと、損して終わるような気がするんですよね。
以下、原稿作成時のメモと構成案
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実写化作品のヒットと成功
成功とは何を指す?。。。ヒットしてファンからの評価、一般的な評価も高い作品と定義するか
るろうに剣心
銀魂
キングダム
ちはやふる
現実を実景として使える作品の方が成功しやすい
るろうに剣心
キングダム
ちはやふる
土竜の唄
クローズ
かぐや様はこくらせたい
そうでないタイプの作品
銀魂
三丁目の夕日
血だけ抜いてくる
実写の側に本物の血を流すということを突き詰めた作品
表面のルック以上にそこをしっかり追求しているかどうか。。。あと、脚本がしっかりできているのか。
記号としてのマンガ・アニメ
世界を切り取るメディアと世界を作り込むメディアの違いについて
[アニメ映画と実写映画の、遠くて深い関係―「第34回東京国際映画祭」ジャパニーズ・アニメーション部門編成に際して【藤津亮太のアニメの門V 第75回】 | アニメ!アニメ! (animeanime.jp)](https://animeanime.jp/article/2021/10/05/64371.html)
世界を切り取る形である程度できる題材
キングダム
ちはやふる
るろうに剣心
↓
ただ、近年は実写とアニメーションの境が崩れてきているので、この違いが不鮮明になってきた。だから、メーベル映画などのように、巨額の製作費で世界を作り込めるなら、切り取れない世界観の作品でも成功に導ける可能性が出てきている。
↓
日本映画の予算だと難しい面がある。
資料を集める。。。ユリイカの特集、実写漫画映画の特集号。。。大根仁監督のインタビュー・・・血だけ抜いてくるという伊丹万作の言葉
自分の書いたものを振り返る
Intro
ハガレンの実写続編。。結構サプライズだった
実写映画化は、毀誉褒貶ある。売れて成功したものもあれば、そうでないものもあります。
実写化の成功要因を考えてみます。どういう作品が成功しやすいのか、どう作ったものが成功するのか。
Body1そもそも実写とはどういう表現なのか
実写映像とは何か。。。。マンガやアニメとの違いは
実写映像の定義がないので、結構曖昧。。。あまりにも映像は実写が基本が当たり前すぎてちゃんと考えられてない
とはいえ、世界をカメラで切り取ることが基本。
↓
映画批評もここをずっと重視してきた。カメラは絵と違って人の目と手を介さずに客観的に切り取れるのが、既存の芸術と違う点だというのがもてはやされた。
なので、世界を切り取るという形に極力近い形で作れる題材が成功しやすい
るろうに剣心は、時代劇の撮影所が使えるという点、超人的な動きをできるだけ生身でやらせるということをこだわっている。
キングダムは、中国までいって、まさに世界を切り取ってきている
なので、現代日本を舞台にできる作品はやりやすい。ちはやふる、最近では東京リベンジャーズなどもあった
Body2 血だけ抜いてくる
表面だけじゃなく、本物の血が流れているか
ガワはどう頑張っても生身の人間は二次元にはなれない。でも、同じ血の流れるキャラクターにはなれる。
そこをいかに理解しているか。
キャラのあり方。。。記号の大事な点を捉えているかどうか
るろうに剣心は、結構キャラの設定が変更になっている。だが、作品の大事な点は忘れていない。
本物の血を実写の肉体に宿すには、ガワをまねるだけでは足りない部分がある。というより、結局役者の芝居が上手だと説得力があるので、似ていなくてもあまり気にならなくなる。
そういう意味でハガレンの続編はどういうことなのか、わからない。
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メモ終わり。実写化が駄目ではないですが、安易に企画立ててももう通用しない時代になってきているので、やるなら巨費を投じて、役者も知名度関係なくキャラクターにあった人をキャスティングして、真摯に良い作品を作るという体制ができないと、もうヒットしないでしょうね。最終的には、原作をどう再現するかじゃなくて、どう良い映画を作るかなので。
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