マグミクスに『THE FIRST SLAM DUNK』について書きました。
「原作リスペクトがない」批判への違和感 映画『スラムダンク』が「マンガ原作アニメ」の常識を変えてしまう可能性とは | マグミクス
圧巻の傑作でしたね。公開前は情報が絞られていた事もあった上に、公開された少ない情報が声優が旧アニメと違うことだったりと、原作者本人が監督しているにもかかわらず、原作リスペクトがないみたいな意見が出ていました。
しかし、蓋を開けてみればどんなアニメ作品よりも原作の絵に忠実(井上先生の近年の絵に忠実という方が正確かな)で、これぞ『SLUM DUNK』としか言いようのない作品でした。正直、これは日本アニメのエポックメイキングな作品になるのではないかと。
バスケットプレイヤーの重量感みたいなものがしっかり感じられるんですよね。各キャラクターの動きに個性があり、それぞれが違う人間なんだと感じさせますし、全編にわたって躍動する生命が感じられました。
数多くの漫画がアニメ化されていますが、これはその到達点のような作品です。今後は多くのクリエイターにとってこれが一つの目標になるのではないでしょうか。
以下、原稿作成時のメモと構成案。
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モーションアクターのツイート
https://twitter.com/dela0810/status/1598881805897433088
勉族ぬま/沼田泰朋 on Twitter: “2022年12月3日 SLAM DUNK THE FIRST 微力ですが、モーションアクターとして携わらせて頂きました。 井上先生、秋葉ちゃん、関係者の皆様、本当に感謝申し上げます。 バスケットは好きですか。 あれは泣くね。ズン。 #SLAMDUNK https://t.co/PgQbbnEnQQ” / Twitter https://twitter.com/venzokunuma/status/1599002253419249664
齊藤洋介 on Twitter: “【スラムダンク】 実はモーションアクターとして、この作品に携わらせていただきました。 撮影をしたのは4年前。 何役を演じたのかは言えませんが、是非エンドロールで名前を探してください!w こんなにも素晴らしい作品に携われた事に感謝致します! 関係者の皆様、井上先生ありがとうございました! https://t.co/MtxBZANauu” / Twitter https://twitter.com/charapie/status/1598863665394241536
脅威の3DCGアニメーション。エポックメイキングな傑作
漫画の絵がそのまま動く。架空のキャラクターたちが本物のバスケのゲームをしている。
チームの司令塔、ポイントガードを主役に。
実際、ゲーム中に最もボールに触るのもポイントガード
映像の時間感覚と漫画の時間感覚の違いに敏感な作品だった。
最後に漫画の絵になる、最初に漫画の絵から始まるところ。。。絵が動くことの本質をどこまでも忠実に追求している。
3DCGがアニメ―ト(生命を吹き込む)していた。汗の一滴にいたるまで細部まで
エピソードがカットされてはいる。声優も変わった。だが、原作の絵がそのまま動くということ自体、最も原作に忠実だということではないか。なぜなら、漫画は絵の表現なので。絵が命の漫画の、その絵はアニメでそのまま動く、これ以上原作に忠実なことがあるだろうか。
アニメのキャラデザは通常、アニメーターが描きやすいように調整を加える。だから、原作通りの絵ではない。似ているが別の絵だ。
しかし、本作は原作の絵だ。漫画のアニメ化の歴史は長いが、アニメ史上で最も原作に忠実な絵を動かしているといえるのではないか
その意味で、漫画原作のアニメ史上、もっとも原作に忠実な作品なのではないか。
Thesis
漫画原作に忠実とは。。。マンガの表現の本質とは絵ではないのか
構成12月5日
Point
アニメのキャラデザと漫画の関係。。。アニメーターが描きやすいように絵を整理する、、、原作通りの絵ではない。スラムダンクはココが違う。
時間感覚の違い。。。ギャグなどを完全にそぎ落としてる
動きの違い。。。花道が素人なのが動きからもよくわかる。変なポジションを取ってしまったり、ディフェンス時の位置取りも危うい。
井上雄彦が漫画で描こうとしていた動きは、こういう動きなんだというのが、映像によって見事に再現されている。
この漫画はストーリーやエピソード以上に動きと絵の方が重要、それを再現している。漫画原作のアニメ史上においても、最も原作に忠実なのでは。このレベルで原作の絵を動かしたアニメはこれまでにもなかったのでは。
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CGクリエイターのパンフの証言。。。。漫画はそれくらい本物のバスケの動きに忠実に描こうとしていた。井上雄彦の元の発想に近い形での映像化を成し遂げた
3DCGじゃないとできない表現が追求されていた。
集団で動き回るスポーツは手描きでやるには限界がある。モーションアクターに本格的なプレイヤーがやっていることで、本物の動きが追求されている。
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それだけではなかった。CGアニメーターの動きのつけ方は生命が本当にやどっていた。フェイシャルの芝居も見事。過去の試合以外のシーンは手描きだが、その手描きのシーンも原作に驚くほど忠実な絵を描いている。
Intro
スラムダンクの映画、ついに公開。
どうなのか。声優の交代で炎上していたし、事前情報のあらすじさえもない状態だったが、実際にどうなのか。
結論からいうと傑作。エポックメイキングな傑作と言える。漫画を原作とするアニメの在り方、そして3DCGアニメの双方の観点から。
Body1ものすごい傑作。日本アニメの歴史をまた1ページ更新している
架空のキャラが、本物のバスケをしているように感じられる。
10人がコート内で別々にそれぞれの思惑で動かないとバスケの試合にならない。しかし、作画でそれを実現するのはほとんど不可能。
その意味で3DCGの活用は必然。
そこに一流のプレイヤーがモーションアクターとして参加して、キャラクターそれぞれを動きに個性をつけて表現している。
プレイスタイルの違いも明確に動きで表れている。綺麗なシュートフォームが本当にきれい。台詞やナレーションで漫画のように強調するまでもなく、本当にきれいなフォームを描くことで表現しきった。
また、桜木の動きやポジションどりの異様さが目立つようになっている。バスケを初めて4カ月の素人であることが動きだけでわかる。
速さと重さもキッチリと表現できていた。
バスケの押し合い、へし合いの部分の重量感まで感じさせた。
総じて本物のバスケの試合を観ているよう。
架空のキャラが、本物のバスケをしている。
汗の一滴、シャツのシワと影にいたるまで生命が宿っているかのよ
セルルックのCGアニメの最高峰であることは間違いない。CGの嘘くささが作り物くささがほとんど感じられず、生きた人間がそこにいる感覚がある。
作画では不可能な、3DCGじゃないとできない表現が突き詰められている
日本のCGアニメーションとしてエポックメイキングな映像を生み出した。今後はこれがメルクマールとなる、そんな作品だった。
時間の感覚にも忠実。ギャグなどのテンポを漫画では表現できるが、流れるような実際の試合の中ではそぐわないのでバッサリ落としているのもいい。
Body2 漫画の絵をそのまま動かすことのすごさ
アニメは通常、キャラデザを変えるもの。。。アニメーターが描きやすいように統一的なデザインを漫画を参照して作る。
漫画の絵をそのまま移植するというのは、基本的にできない。
本作のキャラデザは井上さん本人も参加してやっている。絵柄の再現度に驚いた人が多いのでは。
Body3 原作リスペクトとは?
絵柄の再現VSストーリーの再現
漫画とは、絵で物語を語るもの。
しかし、上記の理由からか、キャラクターデザインがアニメ寄りに変更になることに文句を言う人は少ない。でも、物語の改変や省略にはなぜか敏感に反応する。
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漫画の本質とは、絵か、物語か、それともコマ割りか。色々な要素があるが、いつも大きくクローズアップされる再現度は、物語ばかりだった。
このアニメは、その状況に一石を投じていると言えるのでは。
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本作は、ストーリーは省略して、宮城リョータの新たなエピソードを創出しつつ、絵を原作に忠実に再現した。
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井上雄彦が漫画で描こうとしていた動きは、こういう動きなんだというのが、映像によって見事に再現されている。
この漫画はストーリーやエピソード以上に動きと絵の方が重要、それを再現している。漫画原作のアニメ史上においても、最も原作に忠実なのでは。このレベルで原作の絵を動かしたアニメはこれまでにもなかったのでは。
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CGクリエイターのパンフの証言。。。。漫画はそれくらい本物のバスケの動きに忠実に描こうとしていた。井上雄彦の元の発想に近い形での映像化を成し遂げた
こういう動きを井上雄彦は漫画で描いていたんだということを見事に表現した。
3DCGアニメとして、日本アニメとして、大きな足跡を残した記念碑的作品
事前に公式サイトに出たCGスタッフのインタビューの切り取りでリスペクトがないと炎上していたが、ふたを開けて観ればとんでもない。リスペクトなくして、これだけの動きの再現度と完成度は目指すことは不可能。そう言えるほどの驚異的な映像を作ってきている。
日本アニメの歴史を更新する1本。
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メモ終わり。
とんでもない作品が生まれてしまったなという印象です。日本アニメをさらに更新・進化させる作品になるのではないかと思います。どこまで興行収入gは伸びるか楽しみです。
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