マグミクスに、映画館の値上げ問題について書きました。
「映画2000円」は本当に高い? 各国の鑑賞料金・平均所得を比較して見えた真実 | マグミクス
一般2000円です。高いですよね。そして、諸外国と比べてもやっぱり高いんですよ。物価を計算に入れればなおさら高い。
日本は映画の市場規模として世界3位ですけど、観客動員ベースで計算すると、もっと下になってしまうんですね。人口が日本よりも少ない国にも抜かれるのです。それだけ一部の人しか映画館にいかない国なんですね。
本当はより広く色んな人が映画館に映画を見に来るような施策を考えないと行けないと思うのですが、値上げすればするほどお客さんの固定化は進んでしまうでしょうね。いろいろなものの値段が上がっているので、映画館の値上げもやむなしという意見もあるんですけど、しかし、他の国の所得と比較しても、日本の映画館は高いですよ。ちょっと庶民の娯楽とは言えなくなりつつあります。
長期的な将来の映画文化にとってあまり良い傾向とは言えないと思いますが、改革の意志が映画産業側にあまりなさそう。そもそも、これだけ値段高いのに、劇場の上映の品質が良くないです、最近。メンテできているんでしょうか。
コロナのダメージは比較的少なかった日本ですが、先行き不安です。
以下、原稿作成時のメモと構成案。
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Point
実写映画がさらに不利になる?・・・固定の熱心なファンがいない作品はますます厳しく?。2000円は試しに見るかとなるには高いだろう。
主要な国との比較・・・値段、物価、
日本の映画産業の実際の大きさは。。。興行収入で測った時と観客動員数で測った時の違いをどうとらえるか。
新しい観客を育てる努力を映画産業はどれくらいできているのか。
映画上映の品質は大丈夫か。、、メンテはきちんとできているのか、ますますシビアに見られる時代に。
参考
TOHOシネマズのチケット料金値上げに、映画ファンができることはあるのか | CINEMAS+
東宝 売上/利益/業績推移の決算グラフで経営分析 | グラフで決算|投資、分析、金融、就職転職に役立つ
映画館、日本の平均入場料1410円 世界でもトップクラス – 日本経済新聞
そもそも日本の平均入場料は海外に比べ高い。PwCジャパングループのまとめによると21年は、日本(13ドル)は映画好きのフランス(8ドル)、イタリア(7ドル)に比べても高く、米国(9ドル)や英国(10ドル)も上回る。例えば、米国では地方の割安な料金が平均を押し下げ、都市部と地方の料金差が比較的小さい日本より安くなるとみられる。
– Movie Ticket Price Average Is $11: Why Is That a Secret? – IndieWire
Here’s something that the National Association of Theater Owners doesn’t want to tell you: Ticket prices have increased at least 20 percent since 2019, for an average price of $11. (For details at how we arrived at this figure, read on.)
It didn’t used to be this way. NATO usually provides an annual average ticket price, usually in April. That stopped — understandably — in 2020, when theaters faced Covid closures. However, there’s been **[no NATO update from its now 3 1/2-year-old 2019 average of $9.16](https://www.natoonline.org/data/ticket-price/)**.
Why not? Per a NATO spokesperson, the changing market conditions related to the current release schedule include different levels of attendance by families and older audiences; that makes announcing an adjusted price difficult. Meaning: If there were more movies, more kids and more senior citizens would be in attendance and that would drive down the average price with their ticket discounts. The circumstantial comparisons between 2019 and today, the spokesperson said, were “apples and oranges.”
全米劇場所有者協会があなたに伝えたくないことがあります:2019年以来、チケット価格は少なくとも20%増加し、平均価格は11ドルになりました。(この数字がどのように算出されたかの詳細については、以下をご覧ください。)
以前はそうではありませんでした。NATOは通常、4月に年間平均チケット価格を提供していました。これは理解できることですが、2020年に劇場がCOVIDの閉鎖に直面したため、それが止まってしまいました。しかし、**[NATOは2019年の平均価格9.16ドルから3年半以上もアップデートしていません](https://www.natoonline.org/data/ticket-price/)**。
なぜでしょうか?NATOの広報担当者によると、現在の公開スケジュールに関連する変化する市場条件には、家族や高齢者による異なる出席率が含まれており、それが調整された価格の発表を困難にしています。つまり、映画がもっとあれば、もっと子供やシニア市民が出席することになり、彼らのチケット割引で平均価格を下げることになるでしょう。広報担当者は、2019年と今日の状況の比較は「アップルとオレンジ」と述べています。
It’s true: The world is very different than it was pre-pandemic, and particularly for exhibition. **[Box office](https://www.indiewire.com/t/box-office/)** in 2022 currently stands at 66 percent of 2019, many films that would once go to theaters now debut on streamers, COVID hasn’t gone away, and theaters are still trying to claw back their audiences. However, in one way the market is utterly unchanged: Prices continue to rise.
Here’s how we arrived at a 20 percent increase: The best evidence comes from the last earnings call of AMC. The biggest exhibitor said ticket revenue rose 22 percent from second-quarter 2019 to second-quarter 2022. With many of their top theaters located in major cities, AMC does have higher-than-average prices — but that’s always been the case. (We docked the extra two percent because AMC also has a higher-than-average number of premium-priced screens.) Speaking with multiple studio sources, they also estimated a minimum increase of 20 percent.
本当ですね:世界はパンデミック前とは非常に異なり、特に展示においてはそうです。2022年の興行収入は現在2019年の66%であり、かつて劇場に行った映画の多くが今ではストリーマーで初公開されるようになり、COVIDはなくなっておらず、劇場はまだ観客を取り戻そうとしています。ただし、市場が完全に変わらない方法が1つあります:価格は引き続き上昇しています。
20%の増加に至った経緯は次のとおりです:最大の映画館チェーンであるAMCの最後の決算電話会議から最高の証拠が得られました。この最大の映画館チェーンは、2019年第2四半期から2022年第2四半期までのチケット収入が22%増加したと述べました。AMCのトップシアターの多くが大都市に位置しているため、平均よりも高い価格設定になっていますが、それは常にそのようでした。(AMCにはプレミアム価格のスクリーンが平均よりも多くあるため、2%の追加を差し引きました。)複数のスタジオ関係者との話し合いから、最低限20%の増加が見積もられています。
平均チケット価格 2022年
– アメリカ:10.53ドル **1,419.51円**
– The NATO Annual Report on Theaters Reveals New Average Ticket Price – IndieWire
The Cinema Foundation, a non-profit organization associated with the National Association of Theater Owners, the trade association of domestic exhibitors, just released **[its first-ever independent annual report](https://www.indiewire.com/2022/03/mpa-2021-theme-report-box-office-streaming-1234707572/)**. While it might be light on some specifics, it comes with a surprising statistic: Even with the Covid closures, the number of screens in the U.S./Canada has only dropped five percent since 2019.
The organization also provided, for the first time in three years, its estimate of the average ticket price: $10.53 in 2022, up 15 percent from 2019. This is **[the first time that the association has updated the ticket price](https://www.indiewire.com/2022/10/movie-ticket-price-average-11-dollars-1234765924/)** since 2019. (Last October, a **[NATO](https://www.indiewire.com/t/nato/)** spokesperson told IndieWire that changing market conditions made determining a current average price a matter of “apples and oranges.”)
シネマ財団は、国内の映画館オーナーの業界団体である全米映画館所有者協会と関連する非営利団体であり、初めての独立した年次レポートを公開しました。具体的な内容については軽視されているかもしれませんが、驚くべき統計データが含まれています:Covidの閉鎖にもかかわらず、米国/カナダのスクリーン数は2019年以来わずか5%しか減少していません。
この団体はまた、3年ぶりに平均チケット価格の見積もりを提供しました。2022年の平均チケット価格は10.53ドルで、2019年から15%上昇しています。これは、2019年以来初めてのチケット価格の更新です(昨年10月には、NATOの広報担当者が、変化する市場環境が現在の平均価格を決定することを「りんごとオレンジの問題」と述べていました)。
Beyond that, the report stuck to the consensus talking points in the report, which it produced with The Cinema Foundation, an independent non-profit largely backed by exhibitors. Highlights included the big jump in 2022 box office from the previous year, with the familiar argument that more releases and longer theatrical windows could provide a return to closer to pre-pandemic totals.
その上、報告書は映画館運営者に大きく支援されている独立非営利団体であるシネマ財団と共同で作成された報告書の合意された話題に沿っていた。ハイライトには、映画館の前年からの2022年の大幅な映画興行収入の増加が含まれ、より多くのリリースと長い劇場上映期間が、パンデミック前の収益に近づく回復をもたらす可能性があるという馴染みの議論が含まれています。
– STATE OF THE CINEMA INDUSTRY
– Data
– 中国:42.1元 820.76円
China: average movie ticket price 2023 | Statista
– 日本:1,402円
– イギリス:7.69ポンド 1,311.13円
UK cinema industry economics – Average ticket price – UK Cinema Association
– インド:119ルピー 196.34円
India: average movie ticket price 2022 | Statista
– 韓国:10,285ウォン 1,054.08円
S. Korea's average cost of movie ticket enters 10,000 won range for 1st time | Yonhap News Agency
– フランス:7ユーロ(2021年) 1,041.95円
https://www.co-pro.unijapan.org/wp-content/uploads/2023/03/ALL_marketinfo2012-2021.pdf
France : Prix d'une place de cinéma en 2024 | Combien-coute.net
Prix d’une place de cinéma en France en 2023 ?
2023年のフランスの映画チケットの価格は?
Vous voulez connaître **le prix moyen d’un ticket de cinéma en France** ? Trouvez ce renseignement dans cette rubrique.
フランスの映画チケットの平均価格を知りたいですか?このセクションでその情報を見つけることができます。
Cette année, pour s’acheter une place de cinéma en France le coût est de 11 €. Ce prix peut dégringoler jusqu’à 8 € et se hisser jusqu’à 14.2 € selon les endroits. Ce prix pour une place de cinéma est moins cher que le coût constaté en moyenne en France (de 0%).
今年、フランスで映画館のチケットを買うための費用は11ユーロです。この価格は、場所によって8ユーロから14.2ユーロまで下がったり上がったりすることがあります。この映画館のチケットの価格は、フランス全体の平均費用よりも安いです(0%)。
Marc-Olivier Sebbag, délégué général de la Fédération nationale des cinémas français, nous expliquait en 2022* que seulement 13 % des places vendues en France dépassaient les 10 euros, et 70 % étaient en dessous des 8 euros.
2022年にフランス映画館協会の常任理事であるマルク-オリヴィエ・セバグ氏は、フランスで売られている座席のわずか13%が10ユーロを超え、70%が8ユーロ以下であることを説明しました。
– ドイツ:9.26ユーロ 1,378.19円
Movie theater ticket price Germany 2022 | Statista
– オーストラリア:16.26オーストラリアドル 1,484.68円
Ticket prices – Box office – Industry trends – Cinema – Fact Finders – Screen Australia
– メキシコ:66.1 Mexican pesos 501.66円
Mexico: movie ticket price 2022 | Statista
各国チケット平均額のドル換算
– オーストラリア:10.99ドル
– アメリカ:10.53ドル
– 日本:10.40ドル
– ドイツ:10.38ドル
– イギリス:9.72ドル
– フランス:7.85ドル
– 韓国:7.80ドル
– 中国:6.09ドル
– メキシコ:3.72ドル
– インド:1.46ドル
世界の1人当たりGNI(国民総所得) 国別ランキング・推移 – GLOBAL NOTE
1.アメリカ 70,081ドル
2.オーストラリア 64,490ドル
3.ドイツ 52,885ドル
4.イギリス 46,338ドル
5.フランス 45,535ドル
6.日本 41,162ドル
7.韓国 35,329ドル
8.中国 12,324ドル
9.メキシコ 9,956ドル
10.インド 2,239ドル
1人辺りの名目GDP World Economic Outlook Databases
– アメリカ:76,348.49ドル
– オーストラリア:65,526.12ドル
– ドイツ:48,636.03ドル
– イギリス:45,294.81ドル
– フランス:42,409.05ドル
– 日本:33,821.93ドル
– 韓国:32,250.41ドル
– 中国:12,813.77ドル
– メキシコ:10,867.81ドル
– インド:2,379.21ドル
**世界各国の共通したある商品の実質価格を比較するには、購買力平価(PPP)を使用することができます。購買力平価は、異なる国の通貨を比較するための指標であり、異なる国の物価水準を考慮して、同じ商品やサービスが異なる国でどれだけの価値があるかを比較することができます。世界銀行やIMFなどの国際機関が定期的に購買力平価のデータを公表しています。**
購買力平価(PPP)を使用して、異なる国の商品の実質価格を比較するには、次のような手順を踏みます。
1. 各国の通貨単位で表された商品の価格を取得します。
2. 世界銀行やIMFなどの国際機関が公表している購買力平価レートを取得します。
3. 各国の商品価格を購買力平価レートで割り、同じ通貨単位(通常は米ドル)に換算します。
4. 換算された価格を比較することで、異なる国の商品の実質価格を比較することができます。
この方法により、異なる国の物価水準を考慮した上で、同じ商品が異なる国でどれだけの価値があるかを比較することができます。
– CPI(消費者物価指数)
消費者物価指数(CPI)とは、一般的な生活に必要な商品やサービスの価格の変動を測る指標です。CPIは、インフレ率や購買力の推計に用いられます。各国のCPIは、国際通貨基金(IMF)や経済協力開発機構(OECD)などの統計機関によって公表されています。
ここでは、2022年10月時点で最新のデータがある以下の10カ国のCPIを比較します 。
– アメリカ:279.7
– 日本:102.5
– イギリス:112.8
– フランス:109.5
– 韓国:111.6
– 中国:103.8
– インド:158.9
– オーストラリア:118.4
– メキシコ:139.9
– ドイツ:107.1
これらの数字は、各国が基準とする年(通常は2010年または2015年)を100とした場合の相対値です。したがって、数字が大きいほど、価格が上昇していることを示します。例えば、アメリカのCPIは279.7なので、基準年に比べて価格が約2.8倍になっていることになります。
10カ国の中で、最もCPIが高いのはアメリカで、最も低いのは日本です。アメリカでは、コロナ禍による景気刺激策や原材料価格の高騰などがインフレ圧力を高めています。日本では、消費税増税やコロナ禍による需要低迷などがデフレ圧力を高めています。
CPIは、各国の物価水準や経済状況を比較するための有用な指標ですが、同時に注意点もあります。CPIは、各国が選んだ商品やサービスのバスケットや重み付けに基づいて計算されるため、国ごとに異なる方法論や範囲を持っています。また、CPIは、個人や家庭ごとに異なる消費パターンや所得水準を反映していません。さらに、CPIは、為替レートや賃金水準などの他の要因に影響されます。したがって、CPIを比較する際には、これらの要素を考慮する必要があります。
CPIは、各国の物価水準を比較する際にも参考になります。例えば、アメリカと日本のCPIを比べると、282.9 / 102.3 = 2.77となります。これは、アメリカで購入できる商品やサービスは、日本で購入できる同じ商品やサービスの約2.8倍の価格であることを意味します。つまり、アメリカは日本よりも物価が高いと言えます。
構成
Point
日本の映画館は物価に照らし合わせて高いのか、安いのか
本当はもっとおきゃくさんが増える方が企画の選択肢は増える・・・動員数ベースでは日本の映画市場は3位ではない。もっと下になる。韓国にも負けている。
映画館の高級化は何をもたらす?・・・1900円に上がった時、特に動員が減らなかったので、それなら値上げした方がいいとなるのは企業として必然。値上げしていない映画館をもっと支持してそういうとこの成績が伸びれば考え直すところもでてくる。
何が言いたいのかはっきりさせる。
日本の映画館は高いのか。。。その先は何か言いたいことあるか?
Intro
TOHOシネマズが値上げを発表。一般料金1900円から2000円に。
2019年にも1800円から1900円に。26年ぶりの値上げからわずか4年で再値上げ
昨今日本もインフレ気味でいろんなものの値段が上がっていて、原材料や光熱費など大変なので、仕方ない面もあります。
しかし、2000円は高いなと思う人も多いと思います。本当に高いのか、諸外国と比較、さらに名目GDPと比べてみましょう。
Body1物価指数込みで各国と日本の映画館の値段を比較する
ドル換算の平均価格と1人あたりの名目GDPを比較。どれだけ割高感あるか
物価も考えると、やはり日本の映画館は割高では
Body2興行ベース3位の市場だけど動員ベースでは?
動員数では日本の劇場は低い
コロナ前の数字で韓国にも負けている。韓国は人口の4倍くらいの動員数を誇っている。
人口×2から3くらいはほしいのが理想。。。その方が企画の選択肢も増えるだろう。
もっとお客さんを増やす努力が先に来て欲しいとは思う
動員増やすために各国はどんな施策をしているか?
Body3 映画館の高級化はなにをもたらすか。
アニメはますます有利になるかも?。。。よくわかんないけど見てみようという行動は、100円分、国民から消える。
ちょっと観て観るかと気軽に観る行為は減る。いっちょがみしてみるみたいな態度も少なくなるかもしれない。人気IPはますます強くなるのでは。実写も苦戦することになる
1900円にあげても動員数は落ちなかったので、企業側から見れば値上げした方が合理的となる。
他の値上げしてない劇場をしっかり応援すること、そっちの劇場が成績上がれば考え直すところも出てくるかもしれない。
値上げを決めた東宝自体はこないだの決算でも絶好調だった。(いらないかも)
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メモ終わり。
いろいろな指標で比較することを試みましたが、どの指標でも日本の映画館高いよねという結論は変わらずかな。映連の構成とか、いろんな業界の構造そのものにメスを入れない限り、解決はできなさそうな気がしますね。
とりあえず、なるべく安くみんな観ましょう。イオンシネマは2000円にはしていないので、そういう価格で頑張ってるところをなるべく応援するとか、日本映画テレビ技術協会の割引を利用するとか、いろんな方法があるので。