マグミクスに、『君たちはどう生きるか』公開で、宮崎駿監督の今後とスタジオジブリの後継者問題について書きました。
ジブリも宮崎駿も「映画を作り続ける」が、 長年の「課題」は先送りのままなのか? | マグミクス
『君たちはどう生きるか』は素晴らしい作品だったと思いますが、ジブリが一度制作部門を解体したのはそもそもなぜだったか、そして、宮崎監督は別のコンテをすでに描き始めているという情報もあったりすることを改めてまとめました。
ジブリは映画を作り続けると鈴木敏夫さんは明言しているんですけど、誰がどんな作品を作るのかは不透明なままです。結局、2000年代以降、ずっと抱えていた問題、後継者問題について結論が出ていないんですよね。宮崎監督の新作が見られるのは嬉しいんですけど。
記事では、今作の印象も少し触れています。本田雄さんの影響か、絵について新鮮な印象は受けるところはありましたね。そういう新しい可能性を感じさせた作品でもあるので、僕はジブリに映画を作り続けてもらいたいなと思っています。
以下、原稿作成時のメモと構成案。
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参考
ジブリ 謎の新作映画「君たちはどう生きるか」鈴木敏夫Pに単独インタ | NHK | アニメ
宮崎駿監督作『君たちはどう生きるか』確定している「10」の事実と「4つ」の噂 | CINEMAS+
『君たちは~』宣伝なし、上映回数控えめで初日迎える – [文化通信.com]
2023/07/09/日 23:00-23:30 | 鈴木敏夫のジブリ汗まみれ | TOKYO FM | radiko
– 「君たちはどう生きるか」 「今後も宣伝しない」に宮崎監督は「心配になってきた……」 – ひとシネマ
「ジブリは映画を作る会社。ジブリパークが予想以上に脚光を浴び、映画会社をやめてパーク会社にという可能性もあるが、映画を作り続ける。次の企画も進めている。ジブリの基本である手描きのアニメーションを作ることにこだわっていく」
– 宮崎駿監督から「大丈夫かな?」ジブリ10年ぶり新作公開も宣伝ナシを不安視 鈴木敏夫P明かす – 芸能 : 日刊スポーツ
「映画は作り続けようと一致しています。次の映画は検討中。実写は一応、やったことはあるのですが、アニメーションが主。自分たちで作ることが大きいかな、と。こだわっています」と語った。さらに「君たちはどう生きるか」について「今回は手書きで作りました。『アーヤと魔女』はデジタル。手書きを基本に置きたい、というのはある」と手書きが原点であり、そこにこだわっていく考えも示した。
– 「ジブリは映画を作り続ける。」鈴木敏夫プロデューサー、改めて再始動を宣言 | ORICON NEWS
さらに駿監督とは、その次を企画中であることを鈴木敏夫プロデューサー(69)が明かし、「ジブリは映画を作り続ける。」と、改めて「ジブリ再始動!」を宣言している。
○紫の豚日記○ 宮崎駿監督作品『君たちはどう生きるか』考察【公開前】
ジョン・コナリーの『失われたものたちの本』
Point
「君たちはどう生きるか」はどういう作品か
ジブリは今後も映画を作り続けると鈴木敏夫は発言している
ジブリとは何か、その本質は宮崎駿(あるいは鈴木敏夫)
Intro
公開された。
10年振りのカムバックとなった、アニメ界最大の巨人がいまだに健在、そのすごさを見せつけた
Body1ジブリはこれから作り続けるのか、事実関係を抑える
一応事実として、ジブリの鈴木氏は作り続けると言っている。
直近もそう発言している。
2017年にも宮崎氏とその次を話し合っているという発言がある。
本当に宮崎氏の次の作品があるのかどうかはわからない。
パーク事業が軌道に乗れば、そちらを優先することもあり得る。
ただ、宮崎も鈴木も高齢だ。これからどうなるかは誰にもわからない。
難しいのは、またも浮上する後継者問題。結局、ジブリの抱える課題はここに行き付く。
ジブリの本質を考えると、後継できる類のものではないようにも思う。
ジブリという名前で別の作家のものを作っても、なかなか受け入れられない部分がどうしてもある。
というか、ジブリの本質と宮崎駿のクリエイティビティのようなものが、分かちがたく結びつきすぎているようにも見える。
名前だけジブリでもしょうがない、そう感じる人がでてしまう。結局それは上手くいかない
結局のところ、変えのきかない存在ということになりはしないか。
米林作品なども良作だったと思うが、それでも難しい興行になった。ジブリはやっぱり宮崎さんの作品じゃないと売れない?
でも、事業的には安定している。
スタジオジブリ、2022年3月期決算は最終利益が59.7%増の20億0100万円 | gamebiz
Body2君たちは~はどういう映画なのか。
ジブリの今後を占う意味で抽出する
過去の作品を連想するようなイメージが数多く出てくる。ある意味走馬灯のようでもある。
これまで宮崎駿がどう生きてきたのか、そういう内省を感じさせる内容で、決して外に向かった説教ではない。わかりにくいようで、その実、生きるということをストレートに描いているのでメッセージはわかりやすい。混沌を生き続けた人の生き様で、こういう混沌でしか生きることはできないだろう、人はどこまでいってもそういうものだと言っている。
ファイナルメッセージにふさわしい内容だが、絵を観ると別の想いも湧くし、新鮮な内容でもある。娯楽活劇的な要素はない、極めてアートな内容とも言えるし、ある種の新しい作風も垣間見れる
この人には正直まだ引き出しはあるのでは?
絵についても新たな可能性を感じてしまった
全編見事な作画力で構成されたが、本田さんんはじめ、スーパーアニメーターの集結してるからできること。この密度の作画はもうほとんど実現不可能ではないか。
ただ、これまで絵のコントロールを自らやってないことで、新しい可能性も感じる
– ジブリ 謎の新作映画「君たちはどう生きるか」鈴木敏夫Pに単独インタ | NHK | アニメ
一方で、宮崎駿監督の作品では、すべてのカットに監督みずからが手を入れるという異例の体制で制作が進められ、それが「宮崎アニメ」の圧倒的なクオリティーを維持してきた秘密とも言われます。
しかし今回、宮崎監督は映画の設計図となる絵コンテの制作に専念し、作画監督が具体化するという体制で進められました。
↓
好き嫌いはあるだろうが、
この体制であと何本か観たいなとも正直思った。それ自体にジブリの新しい可能性を観る。
あと、2本ぐらい、絵コンテを上げておいてもらうといいのでは。
実際、本作は最後のような雰囲気を感じないと言えばウソになるが、風立ちぬの時にもそれは感じられたので、案外本当にあと一本くらいはやる可能性もなきにしもあらずでは。そして、この新体制でやる意義もある。
今回、宣伝なしでもこれだけ集客しているが、若年層での認知度はやはり着実に減っている。配信など、色々なところに展開すべき時期に来ているだろう。
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メモ終わり。
シンプルな作品レビューはこの作品については書かない気がしています。書きたくないというか、宣伝を一切しないというのは、映画にまつわる言葉をシャットアウトできるということなので、そんな機会はめったにないから、鑑賞後も言葉に置き換えないのが一番いいんじゃないかと思っているからです。
関連作品
(c) 2023 Hayao Miyazaki/Studio Ghibli