シネマズPLUSに、2023年の日本映画産業統計の分析記事を書きました。
2023年映画産業分析:今問われるのは、「実写ならではの魅力」 | CINEMAS+
アニメ映画が上位4本を独占という結果になり、洋画は10億円超えの作品が2022年よりも一本少ない、公開本数は2019年に次ぐ本数1232本を記録しています。
数字の上では、コロナの影響を払拭したのかなと言えますが、後遺症として洋画が弱体化しています。その代わりにアニメが伸長しているという状況ですね。
東映が2年連続でトップをとったのは特筆すべきことだと思います。東宝の一強状態を崩すことができるのか、注目です。一方で松竹は大丈夫なのかという感じ。
しかし、実写映画の観客をどう増やすのか、業界全体で知恵を絞る必要がありそうです。アニメ映画の本数はこれ以上劇的に増やすことは難しいですから、実写のお客さんが増えないことには、本当の産業の復活はないと思っています。
以下、原稿作成時のメモと構成案。
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アニメ4本が上位独占、史上初
10億円超えの洋画が昨年よりも一本少ないという結果に。
東映が2年連続で一位(何年ぶりだろう)。東宝一強はしかし変わらない感じ。
松竹の最高順位が25位でちょっとまずいのでは。
公開本数が1,232本で2019年に次ぐ本数に。
アイナナ劇場版の29億円は特筆すべき成績では。あたりがトピック
Point3つ
アニメは引き続き強く洋画が弱体化
東映が2年連続トップの陰で松竹の厳しさ
公開本数は歴代2位
Intro
2022年映画産業分析:明暗分かれた邦画アニメと洋画アニメ。東宝一強時代は終わりを告げるか? | CINEMAS+
1月31日(火)、2022年の[日本映画産業統計](http://www.eiren.org/toukei/index.html)が日本映画製作者連盟(映連)から発表されました。
全体傾向と数字
トピックを提示。
Body1 アニメが上位4本を独占
アニメの強さはどこまで伸びるか。
洋画の弱体化。。。10億円超えの洋画が昨年よりも一本少ないという結果に。
↓
ストライキの影響は無視できないものの、抜本的な改善がない限り上向かないかもしれない。
日本のアニメ作品の製作本数はこれから急に増化することはない。すでに現状でギリギリの制作能力まで使っている状態。映画産業を盛り上げるにはアニメだけでは足りない。
Body2東映が2年連続で一位を奪取
東宝の一強時代に歯止めをかけて、バランスのよい興行の世界を生み出せるか
東映が2年連続で一位となった。全体ではいまだ東宝が強いものの、曲がりなりにも対抗できる可能性を作り上げた点は特筆に値する
一方で、大手3社のうち松竹の元気がない。
年末から今年1月にかけて、映画あの花とガンダムSEEDを相次いでヒットさせていて、2024年は松竹にも復調の兆しが見えてきたかもしれない。
洋画の元気がない今、映画興行のパワーバランスがますます東宝に傾いているのは良くない傾向。他の日本の配給会社にも奮起を期待しないといけない。
Body3公開本数は歴代2位
2019年に続く数。
しかし、興行収入は歴代5位の成績なので、単純計算では1作品あたりの稼ぎは減少している状態でもある。
また映連の会見では、原作者の自殺問題に関する質問が記者から出たのか、映画会社のトップがそれにこたえる一幕も。
映画界も、小説やマンガなど多くの作品を原作ものに頼っている状態。
その是非は
海外輸出の実績は過去最高・・・・ここをトピックにするか。
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メモ終わり。
海外輸出の実績については、ちょっと膨らませて、小見出しにしました。実は右肩上がりで年々伸びています。2023年は『すずめの戸締まり』や『THE FIRST SLAM DUNK』、『ゴジラ-1.0』に『君たちはどう生きるか』など、海外で日本映画がヒットした年なので、来年の発表でもまた記録を更新するでしょう(今回発表された海外実績は2022年のものです)。