アニメ!アニメ!の敵役連載で、『劇場版ハイキュー!! ゴミ捨て場の決戦』の孤爪研磨について書きました。
「劇場版ハイキュー!! ゴミ捨て場の決戦」は「バレーボールは楽しい」に気づかせてくれる孤爪研磨の物語 | アニメ!アニメ!
今回はスポーツもののライバルキャラを取り上げました。広い意味でライバルも敵だろうと思うので。悪役ではないですが。そもそもこの連載、最初は悪役を取り上げる連載はどうですか?という打診だったのですが、もっと広く敵役にしましょうと僕が言ってこうなっているので、こういうキャラも取り上げないと意義がないのです。
今回の映画の主人公は、研磨でしたね。冒頭から研磨のシーンでしたし、彼の心の変化に寄り添う構成になっていました。
研磨はスポーツもののマンガ・アニメの中でも珍しいキャラクターですよね。情熱がないキャラなので。普通主人公のライバルキャラはめっちゃ燃えてるようなタイプや超天才肌だったりすると思いますが、研磨は運動能力も普通で、冷静さが売り。特別なプレーもしません。
でも、そういうキャラを敵役のライバルに据えたことで、この作品の伝えたいことが一層明確になっているのが素晴らしいところですね。主人公の日向翔陽と好対照をなしていて、その研磨がバレーボールの楽しさに気がつく。ここに作者の伝えたいことがこもっていると思います。
以下、原稿作成時のメモと構成案。
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hesis
熱くならない奴が熱くなる瞬間
Point3つ
主人公の日向と好対照をなすキャラとして、ライバルキャラの位置づけとして的確だが、熱意のないというスポーツアニメ、マンガとしては置き所の難しいキャラでもある
音駒自体が地味なチームだが、6人でやる団体競技としてのバレーの魅力を描く上でも突出した個の力で勝つのではないチームの存在は不可欠で、バレーの面白さの深さを伝えている
(劇場版を見てから)研磨はアツくないけど負けず嫌いで、責任感もそれなりにある。自分自身の本当の気持ちに気づく瞬間が劇場版で描かれる?
映画がどう描かれていたのか。
研磨の物語として構成されていた。
彼はバレーが好きになったのか、黒尾に会ってからずっと好きだったのか、その自分の本当の気持ちに気づいただけなのか。そんな研磨のドラマとして、一つの試合を通して観客は映画に向き合うことになる。
Intro
劇場版について、これは研磨の物語
Body1 猫のようにとらえどころのないやつ
バレーがやりたいのか、本当は好きなのか嫌いなのか。
汗を書くのがすきじゃないというやつが、
ライバルキャラクターとして圧倒的に特異。
すごい身体能力も、特別なプレーもしない。ただただ、熱を持たず冷静に判断していく。
それが主人公と好対照をなし続ける。
この試合でもいぶし銀の狙いを多数見せてくれる。派手さはなく意表をつく
Body2研磨はバレーが好きだった。
黒尾との幼少期のエピソードが挟まれる。研磨は嫌いなことはやろうとしないと黒尾は小さい頃からわかってた。言葉のうらの本心。
もう一回がない試合、負けたら即ゲームオーバーの試合
Body3一人称ショットの意味は
これは、このシーンは研磨と同じ目線で、彼が体験したことを一緒に体験してほしいということ。
その目線でこの戦いの最後を味わってほしい。ということ
楽しいを観客と一緒に見つけるための映画だった。
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メモ終わり。
最後のPOVショット、すごいですよね。あれは研磨の視点なわけで、映画の一番の見せ場に研磨の視点にすることで、この映画がだれの物語なのかを明確にしていました。カメラが雄弁に物語る例ですね。
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