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同性パートナーも遺族給付金の対象に? 最高裁を争う弁護士にインタビュー

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 弁護士JPで、同性パートナーに犯罪被害者等給付金支給法(犯給法)が適用されてない問題を巡る訴訟を担当されている堀江哲史弁護士に話を聞いてきました。

 DV防止法は同性パートナー対象も、遺族給付金は対象外… 訴訟代理人が訴える「裁判所の論理」の“不合理さ” | 弁護士JPニュース

 この訴訟は、名古屋市内に住んでいた原告の方が10年間同居していた同性パートナーを殺害されたことで犯給法にもとづき給付金を申請したものの認められなかったことに端を発しています。遺族給付金は、事実婚でも支給対象なので、同性だからと給付金を断るのはおかしいと訴えを起こしたもの。

 一審と二審では原告の敗訴となっていましたが、最高裁では上告審口頭弁論が開かれることとなり、判決が見直される可能性が出てきました。そこで堀江先生に判決のポイントがどこにあるのかをお聞きしました。

 先生の話で注目すべきと思ったのは、同性パートナーに対して、他の法律では対象になっているものがあるということ。DV防止法は異性の事実婚だけじゃなく、同性の事実婚の方たちも保護対象にしているとのことで、だったら遺族給付金も対象にならないとおかしいと。

 そして、この手の裁判でよく出てくる「社会通念」ってなんなのかについても聞いています。結局、恣意的にこの言葉が用いられているような気がしますね。
 
 
 以下、原稿作成時のメモと構成案。
 
 
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Point
– 事実婚で遺族給付金が認められる条件とは?

  給付金は事実婚でももらえる。その条件は?・・婚姻の本質に少し触れる

  DV防止法では同性パートナーでも認められている

– 社会通念とは何なのか

  定義のない曖昧なもの

  そもそも社会通念で決めるべきか

  社会通念の解釈がおかしい判決

– 上告審弁論について

  これが開かれることの意味

– 婚姻の本質、同性婚裁判への影響は?
 
 
Intro
訴訟の概要から

犯罪被害者の遺族に支払われる国の給付金の対象に同性のパートナーが含まれるかどうかが争われた裁判で、最高裁判所は当事者の主張を聞く弁論を3月に開くことを決めました。判決を変更するのに必要な弁論が開かれるため、「対象には含まれない」とした2審の判決が見直される可能性があります。

名古屋市の内山靖英さん(48)は10年前、同居していたパートナーの男性を殺害され、犯罪被害者の遺族を対象にした国の給付金を愛知県公安委員会に申請しましたが、認められませんでした。

不服として内山さんが県を相手に起こした裁判では、給付金の対象とされている「事実上の婚姻関係にあった人」に同性のパートナーが含まれるかどうかが争点となり、1審の名古屋地方裁判所は「共同生活をしている同性どうしの関係を婚姻関係と同一視するだけの共通理解が形成されていない」として訴えを退けました。

2審の名古屋高等裁判所も「同性間では民法上、婚姻の届け出が想定されていない」などとして訴えを退け、内山さんが上告していました。

この裁判について、最高裁判所第3小法廷の林道晴裁判長は、ことし3月5日に弁論を開くことを決めました。

弁論は判決を変更する際に必要な手続きで、「同性パートナーは給付金の対象には含まれない」とした2審の判決が見直される可能性があります。

同性パートナーが、犯罪被害者等給付金支給法(犯給法)に基づいて遺族に支払われる給付を受けられるかが争われた訴訟の上告審で、最高裁第三小法廷(林道晴裁判長)は17日、当事者双方の意見を聞く弁論を3月5日に開くと決めた。最高裁の弁論は二審の判断を変えるのに必要な手続きで、「同性パートナーは支給対象外」とした二審判決が見直される可能性がある。

犯給法は、被害者の遺族に遺族給付金を支給すると規定。「遺族」には、婚姻届を出していなくても「事実上婚姻関係と同様の事情にあった者」を含むと定める。

一審・二審の判決内容は?
 
上告審で最高裁が開くがどういう意味があるのか。
 
 
Body1事実婚で遺族給付金が認められる条件とは?

事実婚と給付金

* 犯給法では、事実婚も給付金の対象となる。
* 事実婚とは、婚姻届は提出していないが、夫婦と同様の生活をしている状態を指す。
* 事実婚として認定されるためには、婚姻意思と夫婦としての共同生活の実態が必要。
* 共同生活の実態は、一緒に住んでいる期間などから判断される。
* 今回の原告カップルは20年以上連れ添っており、事実婚として十分認められる。

DV防止法と同性カップル

* DV防止法では、同性カップルも保護の対象となる。
* 同性カップルがDV防止法の保護を受けられる理由は、DVは異性カップル間だけでなく同性カップル間でも起こりうるため。
* 事実婚の解釈についても、同性カップル間にも適用可能.
* DV防止法では、同性カップルが保護された事例が存在する。

 
 
Body2社会通念とはなんなのか。

社会通念とは何か

* 法律上の明確な定義はないが、広い概念として使われる。
* 世論とは異なり、より長期的な視点で捉えた、社会一般に浸透した考え方や常識を指す。
* 裁判においても重要な要素となるが、曖昧な部分も多く、その判断基準は必ずしも明確ではない。

問題点

* 本件では、同性カップルが事実婚として認められない根拠として「社会通念」が用いられた。
* しかし、堀江弁護士は、最近の世論調査や同性婚に関する法整備の動きなどを示し、「社会通念」は同性カップルを保護する方向に変化していることを主張している。
* 裁判所は、人権を保護するために「社会通念」に左右されるべきではなく、むしろ積極的に差別的な「社会通念」を改める役割を果たすべきである。

 
 
Body3 婚姻の本質、同性婚裁判への影響は?

同性婚への道筋

* 最高裁が本件で同性カップルを事実婚として認める判断を下したとすれば、それは異性事実婚と同性事実婚の実態に差がないことを意味する。
* さらに、婚姻の本質が同性カップル間にも存在することを示すことになり、同性婚の実現に向けて大きな一歩となる。
* 裁判所は、人権保障という本来の役割を果たし、差別的な「社会通念」に左右されることなく、婚姻の平等に向けて積極的に判断すべきである。

上告審弁論とは

* 上告審弁論が開かれるということは、二審判決が覆される可能性があることを意味する。
* 堀江弁護士は、上告審弁論が開かれることについて、「門前払いにはならなかった」、「道が開けた」と希望を持っている。
* しかし、上告審弁論が開かれたからといって必ず勝訴とは限らないことに注意が必要である。

 
 
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 メモ終わり。

 堀江先生のお話は明快で論点がキレイに整理することができました。上告審は3月5日に開かれ、その後、裁判日程が決まります。結果に注目したいと思います。
 
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