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『PERFECT DAYS』プロデューサー高崎卓馬さんが語る成功の秘訣と映画祭の役割

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 Brancに、『PERFECT DAYS』プロデューサーの高崎卓馬さんにインタビューしてきました。

 『PERFECT DAYS』共同脚本・プロデュースの高崎氏が語る奇跡のような経験。 「映画祭は作品を商品に変換する場。だから最初に作品であることが問われる」 | Branc(ブラン)-Brand New Creativity-

 アカデミー国際長編にノミネート、カンヌで男優賞、日本でもこの手のタイプの作品としては異例の大ヒットとなっている本作は、渋谷区の公共トイレをめぐる企画から始まっていて、普通の商業映画とは成り立ちが異なります。そのことについて聞いてきました。

 これはどういう企画だったのか、そしてその企画の成り立ちが作品の中身をどう形つくることになったのか、結果としてビジネス的にも成功を収めることになった本作ですが、商売狙いで全く作っていないことに驚きました。

 こういう映画作りがあるんだなという感じで、だからこそこの作品は成功できたのだろうと思います。非常に示唆に富む発言が多いです。一方で再現性があるかというとないのかもしれません。でも、物作りの根幹にふれる内容が入っていると思います。
 
 以下、原稿作成時のメモと構成案。 
 
 
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参考
THE TOKYO TOILET

街と映画と映画祭。|STORY STUDY
話してるうちに清掃の話になって、「建てて終わりじゃなくて、いかにトイレを美しく保つかが重要で、専属の清掃スタッフをつけているんです」と。「維持管理する人々の価値をどうやって上げていくかを考えたいんだけど……」というところから、何らかのPR方法を考えて、みんなの意識を変えていきたいですねとようやく一歩前進したんです。

**川村**

普通に考えると、じゃあPRのCMを作りましょうか、という発想に進みますよね。でも、映画を作ることになった。

**高崎**

広告の限界について考えたんです。PRCMを打ったとしても、CMを観てしばらくは「トイレを綺麗に使おう」と思うけれども、すぐ忘れて元に戻ってしまう。人の態度変容ってどうやったらできるんだろう、みたいな話を柳井さんと一緒に掘り下げていったんです。そうするうちに、アートからのアプローチが重要なんじゃないか、と。最初は、音楽だったんです。17人のアーティストに、17個のトイレそれぞれについて曲を作ってもらおうと思ったんですね。そこから「架空の映画のサントラを作る」という形まで企画を発展させたところで、柳井さんにプレゼンしました。そうしたら柳井さんが、「君は映像の人じゃないか。架空の映画ではなく、本物の映画を作ろうよ」と言い出したんです。映画って、作るのに何年もかかるじゃないですか。作ったはいいけれども届かない、観てもらえない、何にも手に入らないことがあるからリスクが高すぎるっていう話をしたんですが、「いや、作ろうよ」と。

最初は長編ではなく、短編を作りませんかというお伺いの手紙だったんですが、「11年ぶりに東京へ行けるなんて、こんな最高なクリスマスプレゼントはない」って素敵なお返事をくださった。でも、本音を言えば、僕はヴェンダースに長編を撮ってもらいたかったんです。そこでどんな作戦を取ったかというと、シナリオの打ち合わせの時にこちらからアイデアをとにかくたくさん出したんです。「今の60個あるアイデアのうち、20個ぐらいは実現したいんです」と押し出した。そうしたらヴェンダースさんが「長編映画にしようよ」と言い出して、「やった!」と。
映画『PERFECT DAYS』ができるまでの全軌跡をここに。徹底特集76ページ!(SWITCH 11月20日発売号) – SWITCH ONLINE

共同脚本・プロデュースの高崎卓馬が明かす制作の裏側 映画『PERFECT DAYS』 – otocoto | こだわりの映画エンタメサイト
022年の5月に「TTTプロジェクト」として発足した当企画の記者会見では、また短編映画のイメージしかなかった。「彼(ヴェンダース監督)の作品で、撮り始めたら映画になったという作品はたくさんあった」というが、本作も監督が来日し、シナハン、ロケハンを重ね、トイレ清掃員の平山という男のイメージを少しずつ作り上げていく過程で、監督から「短編にするにはもったいない。映画にしよう」という話が出たという。
高崎卓馬のCM温故知新 | インタビュー・コラム | CM総合研究所・東京企画

髙崎卓馬氏インタビュー 「クリエーティブは裏切らない」第3回 | ウェブ電通報

髙崎卓馬氏インタビュー 「クリエーティブは裏切らない」第1回 | ウェブ電通報

小泉今日子×高崎卓馬・対談 私と彼らのあの頃 | 対談・鼎談 | Book Bang -ブックバン-

「THE TOKYO TOILET プロジェクト」記者会見|シネマファクトリー[Cinema Factory]

クジラのCMから20年。解決しない課題を考えつづけるのが下手な僕ら。 | ウェブ電通報
 
 
構成
Point3つ

PRでもリクープ狙いでもない映画

ヴェンダースとの仕事

作品と商品に変換する場としての映画祭、努力は二回に分けた方がいい
 
 
Intro

映画について、今さらどう説明するか

興行収入10億円を突破し、世界興行収入累計もヴェンダース映画として最高を記録。

カンヌ国際映画祭で役所広司の最優秀男優賞受賞を皮切りに、世界で絶賛を受け、アカデミー賞国際長編部門へのノミネートも果たした。

本作は、一般的な映画の成り立ちとは異なる。日本財団が推進するTHE TOKYO TOILETに端を発している。この公共トイレのイメージを変えるプロジェクトからなぜ映画が生まれたのか、そして、映画の特殊な成り立ちによってどんな気づきがあったのか、プロデューサーと共同脚本を務め、本作をヴェンダース監督とともに作り上げた高崎卓馬氏に話を聞いた。
 
 
Body1PRでもリクープ狙いでもない映画

– 映画は元々4つの短編をヴェンダースと長編にすることから始まった。
– 撮影は16日間で行われ、編集して2時間半から3時間超の長さになった。
– ヴェンダースが信頼する知人に見せ、好評を得た。
– 配給については映画制作後に話し合い、マッチファクトリーが関与することに。
– カンヌ映画祭とベネチア映画祭の選択肢があったが、最終的にカンヌに参加。
– カンヌで主演男優賞を受賞し、87ヶ国に売れた。
– TTTプロジェクトのPR映画ではなく、公共トイレの課題解決を目的にした作品。
– 公衆トイレの汚れや犯罪の問題を解決するための建築家が提案するという趣旨。
– PRの意識はほぼなく、広告的なKPIも設定されていない。
– 最初から企画書や予算が決まっていなかったことが、自由な制作を可能にした。
– 映画のテーマはトイレではなく、主人公の人生や価値観を描くことに重きを置いた。主人公の価値観を因数分解すると、トイレを作った人々の価値観に近いものがあるはず
 
 
Body2 ヴェンダースとの仕事

– 制作にあたり条件や制約はほとんどなかったが、日数や期間は決まっていた。
– ヴェンダースには異常な自由が与えられていたが、それがプレッシャーでもあった。
– 高崎さんはヴェンダースに、自分たちの制約に合わせる必要はないと伝えた。
– 主人公の清掃員平山のプロットは高崎さんの発案で、ヴェンダースと一緒にシナリオを作成。
– シナリオ作成はヴェンダースの問いに答える形で進み、独特な共同作業の体験だった。
– シナリオハンティングから編集まで高崎さんはヴェンダースと並走。
– 編集作業も共に行い、映像の言語が世界共通であることを実感。
– 制作過程を通じて、ヴェンダースとの深いシンクロを感じた。
 
 
Body3 作品と商品に変換する場としての映画祭、努力は二回に分けた方がいい

純粋なものづくりの環境の広がりについて
– 個々人が純粋さを持つことが重要。
– 良いものを作る努力とそれを広める努力を分けて行う必要がある。
– 最初から商品を作る意識だと、作品が商品として見られなくなる。

カンヌ映画祭の経験
– カンヌは作品を商品に変換する場であると感じた。
– アメリカのエンタメ業界は閉鎖的で、外部者が入りにくい。
– 日本の俳優が海外で活躍することが日本映画界にとって有益。

日本映画の課題と提案
– 良い作品を作ることとそれを広めることを分けて考える必要がある。
– 日本の映画業界も二段階で努力をする意識を持つべき。

個人的な制作体験
– 制作過程で無我夢中にやっていたら、結果的に良いものができた。
– 今後も同じ意識で作品を作っていく機会があるといい。
 
 
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 メモ終わり。

 作る努力と売る努力を分けて考える思考は大事ですね。作る段階でどう売るかを考えざるを得ない状況って多いですけど、そこを分けられるといいですね。純粋に作る、そして売るという順番が本当は基本ですね。

 映画祭は作品を商品に変換する場、というのも端的ですごくいい表現だと思いました。
 
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