[PR]

『すずめの戸締まり』はなぜ「ルージュの伝言」を使うのか『魔女の宅急便』の意外な共通点 – 新海誠が描く少女の成長物語

[PR]

マグミクスに、『すずめの戸締まり』と『魔女の宅急便』の関係についてコラムを書きました。

『すずめの戸締まり』で『魔女宅』の曲が流れる理由 2作の共通点と違いとは | マグミクス

『すずめの戸締まり』の劇中に『魔女の宅急便』のオープニング曲『ルージュの伝言』が使用されているのはよく知られていますが、この2本の作品にどんな共通点があって、新海誠監督はこの曲を使用したのかについて書いています。

新海監督もインタビューなどである程度公言しているのですが、改めて作品の中でどんな効果を上げているのか、両作の違いと共通点は何かなど、キャラクターの描き方などに注目して深堀りしています。

両作に共通するのは、主人公の少女が周囲の大人たちに励まされたりして導かれていくというところでしょうか。『すずめの戸締まり』も神戸の二ノ宮ルミさんや、旅館を手伝い海部千果、それから叔母さんの環さんなどに助けられて東北に向かいます。『魔女の宅急便』のキキも、おソノさんやウルスラなどとの出会いを通じて成長していく物語です。精神的な部分がつながりが結構あるんですね。
 
以下、原稿作成時のメモと構成案。
 
 
——————
 
参照
『すずめの戸締まり』、新海誠監督ロングインタビュー。“たどり着いたのは、旅をしながら土地を悼む物語”|Pen Online
最初の頃なんとなくイメージしていたのは、宮﨑駿監督の『魔女の宅急便』でした。最初の製作発表記者会見の舞台裏の動画でも『魔女の宅急便』の影響を受けていることを秘密めかして語ったりしましたが、『魔女の宅急便』は少女の成長物語としていまでもまったく古びていませんよね。キキは魔女の修業をする過程でウルスラやおソノさんなど、いろんな人と出会います。これはいろんな方が指摘されているのでしょうけれど、キキは彼女の未来のあり得るかもしれない姿を体現した女性たちと出会います。『魔女の宅急便』とは設定もテイストも物語内容もまったく異なる話ではあるんですけれど、『すずめの戸締まり』も鈴芽が女性たちと出会っていく話にしたいと思いました。
各地で出会う人たちは、なるべく仕事をしている人にしようと思って、実家の民宿を手伝っている女の子とか、スナックのママとか、これまで描いたことのないキャラクターが生まれました。彼女らは、鈴芽が未知の文化に接触する際に、触媒のような役割を果たします。
映画『すずめの戸締まり』公開記念インタビュー。新海誠が「いまでなければ間に合わないと思った」、作品に込めたテーマを語る【アニメの話を聞きに行こう!】 | ゲーム・エンタメ最新情報のファミ通.com
興行収入135億円の大ヒット!『すずめの戸締り』新海誠監督インタビュー:「スクリーンに最も正直な気持ちを映しました」 – THR Japan
なぜキキは飛べなくなったのか『魔女の宅急便』の「疎外感」という恐怖 | 文春オンライン
キキの“先輩”にあたる女性キャラクターたち――ウルスラと奥様、それに下宿するパン屋のおかみであるおソノさん
『魔女の宅急便』は人生のとば口に立ち、その年なりの「通過儀礼」に立ちすくむ少女と、彼女を見守る同性の先輩たちの物語なのである。
耳をすませばの言及もちらっとあったりする。
 
 
Thesis
少女の成長物語としての「すずめの戸締まり」
「魔女の宅急便」を引き合いに出して
まず、ストレートに少女の成長譚としてどのような構成になっているか。
心に傷を追った少女が通過儀礼によって成長する物語
すずめに登場する女性キャラクターたち
岩戸環(叔母)。。うち、放任主義ですから。おばさんの大切な時間を奪ったのか。子離れしてほしいよ。大谷海岸のサービスエリアで叔母さんの隠された本音に向き合う。
海部千果(自宅の民宿を手伝う同い年の女子高生)。。中学が土砂崩れで失う。
二ノ宮ルミ(二人の子どもを育てるシングルマザー)。。
岩戸椿芽(母)
すずめは何かを貰い受けながら、旅を続けていく。
自らそうたを失う決断をすることで成長していく。
草太さんのいない世界が怖い。
 
 
Intro
ルージュの伝言について、
言わずと知れた魔女の宅急便のテーマ曲
すずめの戸締まりにはこれが流れるシーンがある。
宮崎駿監督の魔女の宅急便は、少女の自立と成長を描いた作品。
すずめは新海誠監督が『星を追う子ども』以来の女性主人公の物語。
星を追う子どもはジブリの作風を目指して作ったが、あまりうまくいかなかったと本人も述懐する作品
 
 
Body1すずめの少女の成長はどう描かれたか。
魔女の宅急便は少女が村を出て町に出て仕事を覚えながら成長していく物語。
多くの人との出会いが彼女の成長を促していく。
その中で、とくに重要な役目を果たすのは、ロールモデルとなる女性たちとの出会い、おソノさんやウルスラなど、
『魔女の宅急便』は人生のとば口に立ち、その年なりの「通過儀礼」に立ちすくむ少女と、彼女を見守る同性の先輩たちの物語なのである。(なぜキキは飛べなくなったのか『魔女の宅急便』の「疎外感」という恐怖 | 文春オンライン

すずめの戸締まりは、わずか数日の物語。その中ですずめはいくつかの女性との出会いを果たす
愛媛の同学年だが家の旅館のしごとを手伝う千果
母親と同じ看護師という職業を目指すすずめ、あるいは環との関係などをリフレインする効果もあるだろう。
そして、すずめは道中でいろいろな人の声を聞く。中学が土砂崩れで廃墟になった地域にある千果。失われたものへの思いと、その土地に生きていた人の声が聞こえてくるということで、自らの過去に向き合いながらすずめは成長する。
シングルマザーのルミさんも働く女性として登場する。すずめは魔女の宅急便同様、働く女性の物語という側面がある。
その2人には服や防止、バッグを譲り受けながら旅を続けていく。
それは叔母の環にとっても同じこと。姉の子どもを一人で育てるという大変な苦労を背負った彼女の隠された本音が吐露されるシーンは、すずめにとってショッキングであると同時に、環という保護者を見直す契機になっている。
 
 
Body2何かを失うことで何かを得る
すずめの成長のポイントを上げるとすれば。
要石となったそうたを自らさして失ったこと
環の隠された本音を聞いたこと
すずめは死ぬのは怖くないと序盤はいう。それは震災のことがあるから。生きるも死ぬも偶然でしかない。
でも、何か大切な人を失うことが怖いということが、そうたを失い、彼女は気付かされる。それは封じ込めてきた母親を亡くした悲しみへの思いを再び取り戻すことでもあった。
すずめは自分の命の価値に自信が持てないでいる状態だ。

そうたを失うこと、そして環がいろいろな思いを抱えて育ててくれた事を知ることで、すずめは自分の命の価値に気づくようになる。
人は何かを失うことでその大切さに気付かされる
キキも飛べなくなることで、自分にとって空を飛ぶということは何なのかを改めて知ることになる。
生きたいと願うそうたと失って、彼女は初めて命の尊さに深く知ることになる。死ぬのが怖くなかった彼女は命の大切さを再び身にしみて味わうことで成長していく。
自分の命は自分だけで支えられているのではない、いろいろな人達の思いに支えられていることに気づき、宮崎へと戻っていく。

そして、母親を失った震災のことを思い返す、常世であの日失われた多くの人たちの声を聞く。
日々を生きる女性たちとの出会いがすずめを強くしていく。
すずめの戸締まりはそんな女性たちのつながりの物語でもある。生と死も超えてつながっているということも示す
死者と生者、多くの人の声を聞き、いろいろな人生を垣間見ることで、すずめは人として成長する。
 
 
 
————–
 
メモ終わり。
少女の成長譚という視点で見ると、2つの作品の共通点が見えやすくなると思います。
『すずめの戸締まり』についてはいろいろな視点で書いていきましたが、この視点はこれまで書いていなかったので、このタイミングで書けてよかったです。

 
関連作品