リアルサウンド映画部に、昨今トレンドになっているガールズバンドアニメについて書きました。
“バンドアニメ”の歴史と発展を辿る “キャラの実在感”を強めたメディアミックスの魅力|Real Sound|リアルサウンド 映画部
バンドアニメの話と一緒に、日本アニメのメディアミックスの話も一緒に書きたいと思って、やや射程を広げて書いています。
アニメの音楽ものについては一度その歴史を書いたことがあるので、そこから繰り返しつつ、結構世界的に見ても特殊なことをやっているなと思うので、改めて振り返りました。
アニメと音楽、あるいが映像作品の批評と音楽については、十分に研究されていないと思っています。映画批評はどうしても写っているものについて語るのが基本で、音楽については明確に弱点になっているのもあるし、さらにそこから進めてメディアミックスの表現とはどういうものなのかをきちんと考えないといけないなと思っています。
一本の作品から、現実にはみ出ていくのが音楽もののメディアミックスのあり方です、そこから何が生まれているのかきちんと考えたいななというのが、この原稿の執筆動機です。
以下、原稿作成時のメモと構成案。
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編集部に送った内容案
・バンドアニメの歴史を振り返る
・ぼざろの若い世代への浸透は、けいおんが確立した劇中のバンドのリアル展開が新世代にも受け継がれている(バンドリを経由して)
・アニメのタイアップ文化が世界に広がりつつある中、今後は海外と組んだバンドものが出てくると面白い
・アニメがメディアミックスを前提にする以上、今後もバンドアニメはちょくちょく出てくるだろう。
参考
ぼっち・ざ・ろっく!TVアニメ公式ガイドブックcomplex (Manga time KR comics. Kirara menu ; 1911) | NDLサーチ | 国立国会図書館
国文学論輯 45号 2024年3月 | NDLサーチ | 国立国会図書館
サンデー毎日 103巻33号(通号5846) 2024年8月4日 | NDLサーチ | 国立国会図書館
文芸 62巻2号 2023年夏 | NDLサーチ | 国立国会図書館
アニメの輪郭 菅野よう子、「最も身近な批評」と呼ばれる音楽
アニメ研究入門 応用編 | NDLサーチ | 国立国会図書館
アニメ『魔法少女まどか☆マギカ』にみる視聴覚・音楽情報の読解
戦争と日本アニメ : 『桃太郎 海の神兵』とは何だったのか | NDLサーチ | 国立国会図書館
• 第6章 『桃太郎 海の神兵』の実験と宣伝 佐野明子 音楽と映像の同期
Intro
ガールズバンドアニメが流行。今年の夏に集中している。
アイドルものも含めて、こういう音楽ものは日本アニメのメディアミックスのビジネスモデル故に成立している。
メディアミックスはビジネスモデルとしてはたくさん語られているが、純粋に表現のいち形態として見た場合、どうなるのか。
Body1 歴史を軽く書く
バンドものに限って言えば、女性向けの方から始まった?。流れを変えたのはやっぱり「けいおん!」か
『けいおん!』『バンドリ!』『うた☆プリ』……アニメーションにおける演奏表現の進化を辿る|Real Sound|リアルサウンド 映画部
1971年に虫プロが宇多田ヒカルの母、藤圭子をモデルにした漫画『さすらいの太陽』をアニメ化しており、虫プロの公式サイトによるとこれが「日本初、芸能界を描いたアイドルアニメ」ということのようだ。
裕福な家庭と貧しい家庭の赤ん坊が、金持ちを嫌悪する看護婦の陰謀によって入れ替えられ、成長した2人はともに歌手を目指すのだが、金持ちの家で育った娘は財力でのし上がる一方、貧しい家庭で育った娘はギターをかついで流しの歌手として酒場を渡り歩くといった内容で、まるで是枝裕和の『そして父になる』のような設定のアニメだ。本作では、声の出演者として、藤山ジュンコなどの歌手を起用し、作中でキャラクターたちが歌う楽曲が実際にリリースされるなど、現在の音楽アニメにも通じるビジネスモデルがすでに試みられている。
リン・ミンメイ
Fire Bomber
ヴァイスクロイツ
KAIKANフレーズは実際にバンドをデビューさせた。
バンドものと映画音楽のこと
なぜ面白いか。音楽は、物語内と物語外に分けられる。実在感を与えるのは物語内の音楽を実際に演奏しているかどうか。その実在感を重視する。アニメという絵が虚構であるからこそ、音によって実在感を担保する、それを劇中だけでなくリアルでも展開することで、虚構の存在に命を重層的に吹き込んでいく。
BECKは2004年にアニメ化
少女マンガのNANAもアニメ化
NANA 第10話 「美少年シン登場!」│ホフマンブログ
最近でも女性向けのリアルバンド展開は盛ん。
矢野奨吾と温詞(センチミリメンタル)が語る、ギヴンという“本当のバンド”ができるまでのストーリー – 音楽ナタリー 特集・インタビュー
ここに男性ファン向けの美少女アニメ系が参入してくるのは、「けいおん!」と「Angel Beats」あたりから。とくに「けいおん」の社会現象化はやはり大きい。声優自身にバンドを組ませて展開して、メディアミックスを成功させた。
この流れで、バンドリもあるし、ガルクラもあるし、ぼざろもある。
けいおんの放送が2009年。すでに15年前で、ぼざろファンの若い世代はすでにリアルに体験していない。時代が一周回ってきた感がある。
声優に楽器演奏まではさせていない点では、オーソドックスにやっている印象。劇中の演奏シーンは3Dレイアウトを駆使したものだが、きららアニメのシンプルめのキャラクターデザインとの調和で過剰に生々しすぎない心地よいバランスの動きができている。
ぼざろの総集編は新規カットも多くないが、ヒットしているのは、当然作品の人気がベースにあるが、音楽ものを劇場で体験したいというファンも多いということを示している。
続編が劇場版としてオリジナルストーリーで展開されれば大ヒットするだろう。
テレビよりもサウンドは厚くなるので、当然音楽ものであることでのキャラクター性はそれだけ出増す。
リアルな下北沢のバンド感を追求したサウンド。女子校生の美少女だからとポップという発想ではなかった点はけいおんと異なる点。※インタビューから引用。
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後藤ひとりのキャラクターが音楽によって形作られている点も注目すべき。
Body2この流れが今後も絶えない理由
日本アニメはメディアミックスがビジネスの根幹。
YOASOBIの『アイドル』大ヒットで、アニソンとアニメのフェーズが一つ変わってきている。あれはOPだが、世界観に強烈にはまっていた。
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YOASOBIのプロデューサーは、タイアップ文化そのものを輸出していくという戦略を語っている。
– 日本の音楽産業がアニメをばねに海外市場を攻めようとしている今、アニメの劇中にも音楽を絡ませる展開はなくなりはしないだろう。実際ガルクラはそういう方向性を示唆している
【照準は “世界”】『ガールズバンドクライ』プロジェクトから誕生した「トゲナシトゲアリ」 彼女達に秘められたバンドの可能性 | 株式会社アゲハスプリングス・ホールディングス
MVに字幕を約10カ国語つけて公開したんです。そうしたら、MVのアクセスの6割、曲によっては8割が海外からという結果になって。
海外アーティストの起用
キャロル&チューズデーなどの事例は今後
これは時代が早すぎたかもしれない。2020年の世界的パンデミックで配信によってアニメが世界的に需要が伸びる前だった。
アニメビジネスがメディアミックスを前提にする以上、バンドを扱うアニメは今後も作られ続けるのではないか。
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音楽業界側が海外を意識を強めている、アニメは今最も海外へのリーチできるものなので、より海外に届けるための、作品内容に深く食い込んだタイアップを考える企画が出てくると思う。
元々音楽自体はノンバーバルな表現でもある。
派手に売れているのが美少女系だが、女性向けの男性ユニットもギヴンなどがある。
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メモ終わり。
まだちょっと志半ばな文章になってしまったなと思いますが、音楽と映像の批評はもっとぼくも勉強しないといけないです。今後もこのテーマをどこかで書きたいなと思っています。
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