TRILLに、フジテレビの名作ドラマ『Mother』について書きました。
世界中から注目された、14年前の『伝説ドラマ』 5歳の天才少女が熱演した”驚異的な芝居” | TRILL【トリル】
脚本家・坂元裕二さんの代表作としても有名ですが、なにより本作の名演で注目を浴びた芦田愛菜さんの存在感がすごい作品です。脚本も素晴らしいですが、それを具現化する役者陣の演技も大変に素晴らしい作品です。松雪泰子さん、田中裕子さん、尾野真千子さん、高畑淳子さん、酒井若菜さんの女優陣。そして、綾野剛さん、山本耕史さんも癖のあるキャラクターをうまく演じていました。
テーマ性も実に挑戦的で、社会になる母性の神話に対して生々しい人間としての母親の実像を描こうという試みです。本作で提示されたテーマは、その後のカンヌ国際映画祭脚本賞を受賞した映画『怪物』にもつながっています。本作の魅力とともにそんなつながりについても触れてみました。
以下、原稿作成時のメモと構成案。
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Point3つ
無償の愛が母という神話に挑む物語、、母とは何か
役者陣の素晴らしさ、、、芦田愛菜、松雪泰子、田中裕子
脚本家、坂元裕二の魅力
Intro
Motherについて
今もなお傑作として色褪せない
トルコやスペインでリメイク版が大ヒットしている。
Body1
虐待、ネグレクト、痛烈な社会問題に切り込む意欲作
虐待している児童を、偽装誘拐、そして母になろうとする
しかし、本人も過去に母に捨てられ施設に暮らしていた過去が。その後、引き取られた家族で裕福な暮らしをしているが、どこか遠慮がある
母を巡る物語、ただ無償の愛を注ぐべき対象とステレオタイプせずに、母になることの難しさに真正面から取り組んだ作品
これは加害者を描いた作品。主人公も誘拐をする、田中裕子演じる母も娘を守るために罪を犯した過去を持つ、ネグレクト、虐待してしまった母の尾野真千子も同様。しかし、ニュースでは報じられない、複雑な事情に人の真実が宿る
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悪い人が断罪されてスッキリするという話ではまったくない。世の中はそういう風にできていないんだと描こうとしている。
傍観者が犯罪者になっただけ、というセリフ。世の中の問題に対して見て見ぬふりをする人々は悪くないのか、それだけで行動した犯罪者を責められるのか。
Body2役者陣の驚異的な芝居
天才子役、芦田愛菜の天性の演技。これがなければ成立しなかった。
空気を読む聡い子。環境ゆえにそうせざるを得なかった女の子を、理解力あるがゆえにナチュラルに演じてしまえている。
松雪泰子、終始未見にシワを寄せた不器用な女性。愛されていたけど、愛を受け取れなかった女性。人と関わることを得意としていなかった彼女が母になろうとする、
田中裕子、おっとりとしているのに強烈な愛情と決意の強さ、芯の強さを異様に感じさせる。
Body3坂元裕二の魅力
簡単には結論を出せない人間関係を描く
加害者をどうドラマで描くのか、「それでも、生きていく」にも通じる
これは、最近の映画、『怪物』にも受け継がれている。
人間の難しさを思いさらされる傑作。
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メモ終わり。
改めて見直してみて、非常に見応えあるドラマだと思いました。海外でも評判になったのも納得の作品です。
トルコ版の『Mother』はBS日テレで放送されたことがあるんですよね。
トルコ版「マザー」|BS日テレ
なんで日テレなんでしょうね。日本版はフジテレビ作品なのに。
※サムネイル画像はAdobe ExpressのAI機能で作成