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なぜ映画・エンタメ系メディアの事業譲渡が相次いでいるのか? 無料モデルの限界と生存戦略

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Brancに、映画系ウェブメディアの相次ぐ事業譲渡の件についてコラムを書きました。

エンタメ系ウェブメディアが相次いで事業譲渡。背景は無料広告モデルの苦戦? | Branc(ブラン)-Brand New Creativity-

クランクイン!、CINRA、ciatrと一月の間で3つの映画に関するウェブメディアが事業譲渡されています。それぞれに個別の理由があるのですが、なぜこのタイミングでやたらとメディア事業の買収が起きたのか、考えてみました。

背景要因を主に考える項目と、個別の要因を確認する項目とに分けて分析しています。背景としては、やっぱり今のウェブの環境があまり良くないものになってきていて、広告単価も下がってしまい、ウェブメディア事業で利益を出すことが困難になっている現状があるのでは、と書いています。

個別要因で、それぞれの事業を買収した大企業にとってシナジー効果はありそう、と分析しています。ciatrはよくわからないのですが。。。

このトピックはウェブのライターである僕としても人ごとでないです。結構厳しいです、最近。原稿料もなかなか上がらないし。SNSがウェブへの人の還流をできる場所ではなくなりつつあるので、ヤフトピやGoogleディスカバリー頼みになってきていますが、Google検索もかつてよりは利用する人が減っているし、検索してもページ開かないで済むようにする方向になってきています。

 
 
以下、原稿作成時のメモと構成案。
 

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Thesis
CINRA クランクイン! シアターの件から考える。
広くウェブのメディアの現在の状況も踏まえる、、、夕刊フジの撤退も?

情報は常に必要とされるが、これからウェブはどうするのがいいのか。
 
 
SNSから自社サイトへの流入が減少傾向に!|代表ブログ/エフツータイムス|株式会社エフツー
 
動画メディアが主流となりつつある。YoutubeやTikTokなど。

買収側の事情や狙い、ウェブ媒体側の事情と分けて書く
 
 
買収側
ローソン・エンタテインメント
運営事業を譲り受けることとなった「クランクイン!」「クランクイン!トレンド」を通じて、“旬”のエンタメ情報を柱にお客様の“行きたい”と“欲しい”が見つかるような情報をお届けし、当社が手掛ける商品・各種サービスとの連携、相乗効果を高める
エボイス株式会社
WOWOWコミュニケーションズ
強みであるブランド構築やWEB制作、メディア事業と、当社のデジタルマーケティング、データマーケティング、コンタクトセンター事業のマーケティング支援領域において、一気通貫でのサービス提供を図ることで、顧客企業のビジネス成果と企業価値の向上を目指してまいります。
国内外の企業等を対象とした投資の開始について~第一弾は株式会社PLAYと資本業務提携~ | ニュース | 株式会社WOWOW
10年戦略、 中期経営計画 | IR情報 | 株式会社WOWOW
 
事業譲渡側
– クランクイン!
ブロードメディア株式会社
当社グループの業績をけん引している「教育」「技術」を更に成長させることに加え、一部の既存事業に関しては、戦略的な選択肢の検討を含めた抜本的な対策を講じて、当社グループ全体の業績と資本効率の改善を図ることを公表しておりました。
このような状況下において、事業ポートフォリオの見直しを進めた結果、メディアコンテンツセグメントで行っているエンタメ情報サービス事業及びビデオ・コミックサービス事業を、それぞれの事業領域や事業内容において親和性が高い相手先に譲渡することが、当社及び譲渡対象事業にとって最適であると判断し本事業譲渡を決定いたしました。
ciatr
株式会社viviane
シアタープラスはもうなくなっている。エンタメ領域では撤退の模様。記事もマンガアプリへの誘導記事が大半になっている。
CINRA - 役員人事および株式譲渡のお知らせ
 
 
広告収入頼りになるよりも、企業体力のある企業に抱えてもらった方が、良い可能性がある。ウェブ広告の値崩れがひどいので、強引な広告入れが目立つ、Appleは、事実上の広告ブロック機能を実装
 
 
参考
ネット広告を良くしなければ社会が悪くなる、2024年度はその分岐点です。
プレゼンではネット広告が見舞われている危機的現状を説明しました。中でも注目したいデータが、日本はプラットフォーム広告に偏っており、OpenWeb広告(主にコンテンツメディア群)の取引は全体の2%で米国の20%に対し10分のであること。また日本は運用型広告の中でPMPは8分の1以下なのに対し、米国は50%前後であることでした。要するに米国はメディアを指定もしくは限定して広告を買うのに対し、日本はプラットフォーム任せでメディアはどこでもいい、という取引が中心ということです。

Webの広告がスゥ……と消える「iOS 18」の新機能に注目集まる その使い方とは – ITmedia NEWS
 
 

Intro

9月、エンタメ系ウェブサイトの事業譲渡あるいは買収が9月に3件も発表された。3社はそれぞれ偶然にタイミングの近い発表だったと思われるが、情報環境とエンタメ企業を巡る状況の変化によって引き起こされているのではないか。

それぞれ分析をしてみよう。
 
 

Body1買収側の思惑

ローソンの場合・・・旬”のエンタメ情報を柱にお客様の“行きたい”と“欲しい”が見つかるような情報をお届けし、**当社が手掛ける商品・各種サービスとの連携、相乗効果**を高める

WOWOWの場合、、、放送メディアからコミュニティメディアへの転換

どちらのエンタメ企業も、事業シナジーを考えている。

コミュニティ機能強化のための買収と言えそう。

こうした、すでにあるウェブメディアを手段に事業を展開することも有効だと田島さん。

「ウェブメディアは、プロモーションをするには非常に強い武器です。ウェブメディアを入り口に、他の事業とシームレスに繋がり、成長するモデルをつくることも必要になってきます」
 
 

Body2買収された側の思惑と事情

ブロードメディアは、教育と技術系に注力と言っている。これはBtoBのビジネス。BtoCのメディア事業は成長させることが難しいという判断をしたのではないか。

実際、現在のウェブメディアをめぐる状況はいいとは言えない。

SNSからの流入が減少傾向。どのプラットフォームを外部リンクを貼る投稿を好ましく思っておらず、これまでウェブメディアの成長を牽引したSNS流入に頼れなくなってきている。時代はインスタグラムやTikTokにはほとんどリンク誘導をできる機能がない。そして、そうしたプラットフォームで検索する人々が増え、グーグル流入も上がりにくい
 
 

Body3 ウェブメディアを支えるウェブ広告の実態

そして、広告の状況もひどい。あのような広告の貼り方をしないと稼げない状況になってきているということだ。

根本的な解決が可能がわからないが、アメリカのように広告主がメディアを指定して取引する形式に転換の必要がある。
 
– ネット広告を良くしなければ社会が悪くなる、2024年度はその分岐点です。
プレゼンではネット広告が見舞われている危機的現状を説明しました。中でも注目したいデータが、日本はプラットフォーム広告に偏っており、OpenWeb広告(主にコンテンツメディア群)の取引は全体の2%で米国の20%に対し10分のであること。また日本は運用型広告の中でPMPは8分の1以下なのに対し、米国は50%前後であることでした。要するに米国はメディアを指定もしくは限定して広告を買うのに対し、日本はプラットフォーム任せでメディアはどこでもいい、という取引が中心ということです。
 
Webの広告がスゥ……と消える「iOS 18」の新機能に注目集まる その使い方とは – ITmedia NEWS
 
メディア事業単体での企業運営はかなり困難になってきていると思った方がいいかもしれない。
エンタメは人を集める力があるため、メディア事業をもって有効に運営してもらい、本丸のサービスに人を誘導するモデルを構築する必要
 
 
無料広告モデルから有料モデルへ舵を切る、ネットメディアの転換期(境 治)
 
あるいは有料化へと舵を切るか。質の高い情報・記事を出すことで有料モデルへの転換を図るか。

だが、すべてのメディアが有料モデルで生き残れるはずはない。

この3つの中でシアターは、最近は、マンガアプリへの誘導記事が多数を占める状態になっていて、その名が示すような映画の情報が大幅に少なくなっている。プレスリリースによると買収先のエボイス株式会社は企業再生の実績があるというが、どうなるか不透明だ。

エンタメサイトも佳境を迎えている。広告市場が正常化すればまだ無料モデルは生き乗れる道もあるかもしれないが。動画中心に情報が回るようになってきているなか、どう生き残るか。
 

あるいは、日本語の外に出るということも検討すべきかもしれない。
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メモ終わり。

映画系のWEBメディアのことを中心に書きましたが、実はウェブメディア全般に同じ課題を指摘できると思います。無料モデルのメディアも必要とは思います。情報へのアクセスが一部のお金出せる人に限られてしまうと、世の中の格差はどんどん広がるでしょうし、間違った情報にのっかってしまう人も増えるおそれがあります。

有料モデルも必要だと思いますが、いかにきちんとした無料の情報も届けられるのかも考えないといけないと思っています。
 
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※サムネイル画像は、Chat GPT(DALL-E)で作成。