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アニメ『ダンダダン』7話「優しい世界へ」の感動を生み出す演出

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リアルサウンド映画部に、『ダンダダン』のアニメのレビューを書きました。

『ダンダダン』第7話が放つ美しさと優しさ ギャグから悲劇まで、“緩急”が光る神回に|Real Sound|リアルサウンド 映画部

7話「優しい世界へ」がすごい傑作エピソードでした。榎本柊斗さん絵コンテ、美麗な作画にPOVの演出力。原作マンガをよりボリュームを増やしてこの悲劇に肉感を与えていました。本当にリアルな人の痛みが表現されていたというか。

今年のアニメを語る上欠かせないエピソード担ったと思います。
 
 
以下、原稿作成時のメモと構成案。
 
 
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参考
『ダンダダン』監督・山代風我インタビュー | アニメイトタイムズ
見た映画をコマ割りして自らの演出資料にしている「映像研には手を出すな!」第4話絵コンテ・演出担当の山代風我さんにインタビュー – GIGAZINE

 
 
Thesis
バトル、恋愛、コメディ、オカルトという無数の要素にフォーカス
キャラクターデザイン、色彩、背景、アニメーション表現の魅力
 
 
Point
ダンダダンのマルチジャンルの魅力
アニメーション表現として、原作からどう代わり、どう魅力を再現、さらに引き出しているのか
サイエンスSARUの素晴らしさについて
 
 

Intro

ダンダダンの原作は、その画力の高さで人気を博している。そのためにアニメ化するのは、相当にハードルが高いとおもわれていた。

一方で、この魅力を映像化できれば、それは相当に面白いものになるはずだという確信めいた直感も読んでいて、思う。非常に映像的なスピード感あふれる描写も多い。

その難題にサイエンスSARUが挑んだ。日本屈指のスタジオであることは論を待たない、実際にこの作品をやるなら最もふさわしいスタジオではないか。その縦横無尽に変化するアニメーションの快楽をもって、この縦横無尽のアクションとオカルトの何でもあり感を表現するのは大変に理にかなっている。
 
 

Body1 ダンダダンの魅力(原作マンガ)

原作の話をまずするべきか。

なぜ人気なのかの客観的評価

恋愛要素、バトル、オカルト、コメディ、メガ盛りの作品でマルチジャンル的に何でもありな様相を、驚異的な緻密な画力で描く

オカルトもUFOから幽霊、何でも出てくる

その中で、不器用なオカルト少年とギャルとそれらを取り巻く奴らの恋愛騒ぎが展開していく。
 
 

Body2 アニメはどう魅力を引き上げたか

アニメーションの要素、1話からわかる魅力を一個ずつ抜き出して詳細に解説

OPのアベルさん演出の素晴らしさ

誇張の歩きについて

繊細な日常芝居、座って拾う動作を極上のなまめかしさで描く

スピード感あふれるアクション、亀田さん手を入れてる?

自由闊達な色彩、これはマンガにない要素、、、オカルト感覚を飛躍的に増大させている

サイエンスSARUの素晴らしさについて

本作の映像表現は、サイエンスSARUらしさが強烈にでている。

監督の山代風我さんはこれが初監督、映画を良く知る映像のカット割りも見事で、テンポのコントロールもいい、

彼を育んだのは、サイエンスSARUという環境があれば、湯浅監督の演出補佐、夏目慎吾など、山田尚子など、優れた演出家を間近で見たことと、彼自身の映画の素養があって。

アニメ的魅力をここに書く

デフォルメの効かせた歩かせ方、、湯浅監督のスパイファミリーのOPでもこの特徴的な歩かせ方をしている。コミカルかつ、勢いがあり、やさぐれている雰囲気をよく芝居で表現している。

ダイナミックな構図によるアクション、令和のアニメらしい?(書き方を工夫)、、線の強弱の付け方も工夫されている。

それでいて、細かい芝居が良い。一話のモモがオカルンの本を拾うシーンなどの芝居。そういうキャラクターが出るシーンに、地味でもきちんと時間を使って演出する姿勢。

間延びもしないし、詰め込みすぎもない。贅沢に尺を使うぞという意思が感じられる。

ラブコメ・日常から一気にオカルトやSFの超常描写にそして、強烈なアクション。これをアニメは、大胆な色使いで描き分ける手法に出た。マンガにない部分で勝負している

一話のオカルトシーンの色使い、UFOのシーンとの対比
 
 

Body3ドラマをアニメはどう描いたか

ターボババァは少女の悪霊を沈めていたという事実。。。悪霊には事情というか、悲劇と社会の理不尽がある。

悪霊のアクさらの過去がすごく巧みに演出された

社会は理不尽だ。その理不尽に負けて悪霊になってしまった。

その悪霊を生者に託して、生者もその想いをくみ取っていく。

ここをアニメはどう描いているか。かなり尺を割いている。ほうれい線を子どもに描いたり、かなり情報量の多い絵にして、リアルを強調している。ある種、昔流行ったリアル作画に近い方向性を志向。これが現実の悲劇であることを強めている

ダンスシーンは圧巻の精度。きみの色のようなダンスシーンをほうふつとさせる構図のショットもある。

セリフも足すことでこのエピソードを立体的に膨らませている。

悪霊は世界の理不尽から生まれている。

アクさらは悪霊で醜い姿だ。だが、心根を見せているわけだから、心根は美しいことを、映像と音楽はこれ以上なく見事に表現している。

このドラマこそダンダダンという作品の大きな魅力。ギャグもラブコメも生きていればこそ。

出色の7話は、今期屈指のエピソードとして記憶されることになると思う。

ここは時間の積み重ねこそが重要だ。

高低差を活かした、別れ悪サラと愛羅の別れの抱き占めるシーン。色がここでも活躍。

愛羅の髪はピンク色で、あくさらのオーラはピンクに近い紫色。この絆の強さをモノクロマンガ以上に強く感じさせてくれる。
 
 
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メモ終わり。

『ダンダダン』のアニメは全体的にすごいんですが、このエピソードはその中でも特にすごい。漫画を脚色するということについて、きちんと映像としてどう表現するのか考えられていて、素晴らしいですね。
 
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