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映画館のサービス品質向上に繋がる? TOHOシネマズの「カスハラ」声明

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TOHOシネマズが「カスタマーハラスメントに対する私たちの考え方」というお知らせを出していましたね、これについて少し思ったことを書こうと思います。

「カスタマーハラスメントに対する私たちの考え方」について || TOHOシネマズ

大手の映画館がカスハラに対して何らかの声明を出したのは初めて見ました。僕が知らないだけで他にもすでに出している会社はあったのかもしれませんが。昨今、様々な業界カスハラに対する考えを発表し、従業員をきちんと守るというスタンスを明確にしていく企業が増えていますね。

映画館と言う空間は、お客さんと従業員が相対する時間よりも、お客さん同士が同一の空間で長い時間を過ごす場です。そのため、快適な空間というのは、お客さんの協力なくしてはできないという特徴があります。カスハラのような現場を見てしまうと、正直気分悪くなりますよね。映画を観る前にそんなの見たくないよと。そういう意味では、お客さんたちの心構えみたいなものも結構重要ななんですよね。客層を選べるかと言っても、選べるわけではないんですが、映画館の方向性は客層によって決まる部分も、決して少なくないんですよ。

この声明では、正直にこのように書いているのが良いなと思いました。

もっとも、私たちの努力や行動のみでは「GOOD MEMORIES」を実現することはできず、お客様のご理解・ご協力が欠かせません。

また、TOHOシネマズの声明は、何がカスハラに該当するのか、具体的に列挙しているのがいいですね。以下に引用します。

• 長時間にわたり、またはくりかえし対応を要求すること
• 映画の上映に問題がなかったにもかかわらず、映画の鑑賞後に金品の要求を迫ること
• 「会社としての誠意を見せよ」等の内容が不明確な要求をすること
• お客様の指摘される事実が確認できないにもかかわらず、金品の要求を迫ること
• 「お前は使えない」等の暴言を吐くこと、侮辱的な発言をすること
• 差別的な発言をすること
• スタッフの身体や衣服をつかむなどの暴行をすること
• 映画館の物品を壊し、または汚すこと
• 「いつも売上に貢献しているだろう」等の権威を前提とした脅迫的な言動をすること
•正当な理由がないにもかかわらず、役員・支配人等による対応、自宅への訪問および謝罪、念書の作成、土下座等、義務のない行為を要求すること
• スタッフの解雇、異動等の社内処分を要求すること
• 無断でスタッフの写真・動画を撮影し、またはこれらの写真・動画を SNS へ投稿すること
• SNS 上での誹謗中傷を行うこと
• スタッフへのつきまとい、個人情報を聞き出す等のプライバシーを侵害すること
• セクシャルハラスメントをすること

僕も映画館運営の経験がありますが、実際こうしたことはあるんです。全てを経験したわけじゃありませんが。
 
カスハラ問題は、映画館のマナー問題ともかかわることだと思いますけど、従業員にやな奴がいるかどうかより、同じ映画を観る観客にいやな奴がいると鑑賞体験が台無しになったりします。ここが映画館の難しいところで。今回の声明は、お客さんも一緒に良い空間を守っていこうねという表明になっているのが、良いなと思います。

今後は、海外からの映画館文化の異なる人も一緒になる事例も増えてくるので、ここには日本のルールの周知をどうやるのかという課題があります。最近もこんなニュースがありました。
「えっ?電話に出るの?」インバウンド外国人客の映画館でのマナーに困惑の声が続々 終始雑談、席はゴミだらけ…国によって異なる鑑賞スタイルも影響か | マネーポストWEB

映画館としてもインバウンド消費が欲しいところだと思うんですが、良い知恵を業界全体で出し合うべきですね。マジでアメリカの映画館ですと、前の席に足を乗っけるとか普通なんですよ。これはもう文化が違うんです。この文化の違いをどう理解してもらうか、かなり難しい問題で、正直、僕自身も答えがまだないです。
 
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