テレビのスクリーンへのアテンションを測定するREVISIO株式会社が、2024年のNHK大河ドラマ『光る君へ』の視聴質の分析を発表していた。
放送回別の視聴質の注目度ランキングの上位10エピソードについて、注目された要因を分析している。
大河ドラマ『光る君へ』人気の要因は何だった?注目シーン分析総集編
この上位10の回は、いずれも源氏物語の執筆開始以降のものだという。そこから「「紫式部」や「源氏物語」に興味がある「文学好き」視聴者層が、「光る君へ」のメインの視聴者層であるといえそうです」と結論づけている。
題材的にそれは当然だと思うが、ここから「普段は大河ドラマを見ない「少女漫画好き」、「恋愛モノ好き」、「推しの俳優目当て」の女性視聴者を取り込むことに成功したといえるのではないでしょうか」と示唆している。実際、戦などのエピソードが少ない『光る君へ』はいつもの大河ドラマ視聴層とは異なる人たちが見た可能性は確かにあると思う。
大河ドラマは、例えばこのデータだと、「花燃ゆ」「真田丸」「おんな城主 直虎」の3本の男女別の視聴率を比較で、60代・70代だと概ね女性の方が視聴率が高い傾向だが、若年層になると男性の方が若干多いかなという感じはある。でも、そこまで顕著な差はないが。
なので、もともと大河ドラマは女性の視聴者は多いとは言える。だが、大河ドラマの視聴率は20代・10代で苦戦することが多いが、『光る君へ』は女子大学生の視聴率が良かったという報道もある。F1層、F2層ともに好調だったこともうかがえる。
REVISIOの注目度ランキングでも、概ね女性の方が高い数字が出ている。
おそらく、実際に新規の女性ファンを結構多く獲得していると思われる。時代劇でこういう基軸を打ち立てることができたというのは、今後の大河ドラマの企画の幅を広げるだろうし、時代劇を新鮮な感覚で提供するためのヒントも隠されているのではないか。
日本の歴史も多様であり、これまで戦国の勇ましい物語の陰に隠れていたものを、引っ張り出せる機会が訪れてきたのかもしれない。時代劇は、日本独自のコンテンツだし、国際的にも競争力ある物語はまだまだあるだろう。
そういえば、フランス人の妻も楽しくみているという原稿もあった。
2025年の大河ドラマは、江戸時代の版元、蔦屋重三郎を描く『べらぼう』だ。『光る君へ』は平安のある程度安定した時代を描いていたが、『べらぼう』の舞台である江戸時代中期から後期も、泰平の世である。どちらも、日本的な文化の花開いた時代と言えるが、やっぱり、文化が豊かになる時代というのは平和なものなんだなと思う。
だから、文化が大事なら平和を維持しないといけないね。