2024年の配信サービスは引き続き伸長したようだ。しかし、成長速度はさすがに鈍化している。
定額制動画配信サービス(SVOD)の利用率は停滞も緩やかな上昇を維持、平均サービス利用本数も増加 – GEM Standard
GEMパートナーズの2024年の定額動画配信サービスの利用率調査では、2023年と比較して+1.5ptの増加。20年(前年比+8.1pt)、21年(前年比+4.8pt※)と比べると鈍化しているが、まだ伸びしろがあるようだ。
その他、有料放送や無料配信などのカテゴリは軒並み低下している。DVD・BDレンタルはもちろん、配信レンタルという形のTVODも減少傾向。動画は配信で定額で、というのがさらに進展して世間的な常識として定着が進んでいる傾向が見て取れる。
国内配信市場の成長率については、色々な見解があるのだが、昨年(2024年)、ディズニープラスの国内統括のデイヴ・パウエル氏に話を聞いたところ、「アメリカと比較して、まだ成長の余地が大きい」と言っていた。
「米国では80%の世帯が何らかの配信サービスに加入している状態ですが、それに対して日本ではまだ約30%の世帯しか契約していないという調査もあります」とデイヴ氏は語っていた。つまり、まだ全然成長の余地はあると、少なくともディズニーは見ているということだと思う。
日本アニメ産業レポートの発表では、国内配信はここ数年のアニメ産業全体の成長ドライバの一つではあったが、てっぺんが見えてきたという見解のようだ。ただ、それでもまだ前年比でプラスは出ているが、そろそろ売る作品の過去ストックがなくなってきているということらしい。
日本は人口減少時代に突入して久しいので、頭数勝負のサブスクという事業モデルは伸び率に限界はあるだろう。だが、GEMパートナーズの報告では、1人あたりの利用する定額配信サービス数が増加傾向だというので、2つ、3つ契約している人も増えているということだろう。
僕自身は、仕事の関係もあるので、複数契約しているが、そういう習慣がどれだけ普及するかは未知数。だが、各配信サイトがオリジナル作品を充実させてきている今、2つくらいは契約しておこうと考えている人は増えているんだろう。
今後の動画配信プラットフォームは、スポーツなどのライブ配信にお金をたくさん投入してくるだろう。アニメやドラマはあって当然のものという認知なので、次はライブでの戦いになる。すでに結構熾烈な争いが始まっているが。
もう一つの今後のトピックは、この市場はショート動画の定額配信プラットフォームとの競争時代に突入することだ。国内だとBUMPとかですね。テレビ局も続々ショートドラマを始めているので、群雄割拠が進むだろう。可処分所得の奪い合いは続く。
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