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『ソニック × シャドウ TOKYO MISSION』ジム・キャリーがキレキレ。シリーズ最高の面白さ

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映画『ソニック × シャドウ TOKYO MISSION』は、シリーズ随一の面白さだった。

全作でテイルズとナックルズが合流したチームハリネズミたちが、Guardian Units of Nations(GUN)からの依頼を受けて、50年の眠りから蘇ったシャドウを止めるために東京へと趣き、戦いを挑む。

復讐に燃えるシャドウの黒幕は誰か、そこに前回死んだと思われていたDr.エッグマンことロボトニックも絡んできて、敵味方が入れ替わりながら、壮大な戦いが描かれていく。
 

 

秀逸な物語構成

物語は3つのパートに分かれる。タイトルにTOKYOと入っているが、東京が舞台なのは、冒頭の3分の1だけ。ここでは物語のセットアップとしてソニックたちがシャドウと交戦、ロボトニックが復活してソニックたちと一時手を組み、シャドウたちの目的を見つける。

そこからGUNの秘密基地での戦いにうつり、黒幕が登場。黒幕はロボトニックのおじいちゃんでジム・キャリーが一人二役ではっちゃけている。ここでロボトニックがソニックたちを裏切り、おじいちゃんと手を組んでしまう。そして、シャドウは自分を閉じ込めたGUNに復讐するため、おじいちゃんとロボトニックはGUNの衛星兵器を奪うために、ロンドンにあるGUNの本部に向かう。ソニックたちはもそれを阻止するためにロンドンへ。

3つめのロンドンパートで終盤戦。ここでソニックたち、シャドウ、ロボトニックそれぞれの家族のドラマが交錯していき、最後は宇宙規模のスケール感の戦いとなり終結。

きれいな3段構成で、飽きさせない作りでテンポ良く進む脚本が優秀。三つ巴の関係性が緊張感を高めていて、見せ場のアクションも豊富だった。

ジム・キャリーのアニメーション的身体

ジム・キャリーの無意味なダンスは今回も健在で、一人二役で自分と息のあったところを見せてくれる。「そこで踊るの?」ってタイミングで踊りだす。
 

 
僕は自著『映像表現革命時代の映画論』でソニック1作目のジム・キャリーを取り上げているのだが、この無意味に踊ることの意味について考察している。詳しくは本を読んでほしいが、実写とアニメーションの垣根を超えた表現が特徴の本作において、あのダンスは身体の柔軟さについて面白いサンプルを提供している。

詳しくは拙著を読んでください。こういう方向性で『ソニック』映画とジム・キャリーについて取り上げたのは珍しいと思います。
映像表現革命時代の映画論 (星海社新書 282)

一応、本作は実写映画という枠組みなのだと思うが、主人公たちはCGアニメーションで敵も同様である。画面の大部分がアニメーションで構成された作品であり、その点で実写とアニメーションの境界をなくすような作品である。そして、そういう作品にジムキャリーがいることが説得力を与えている、なぜなら、彼の柔軟な肉体はアニメーションキャラクターに匹敵するほど、柔らかく変化するから、というようなことを書いている。
 

ちなみに、『ソニック・ザ・ムービー』については、結構書いていて、実は1作めの公式パンフレットにも寄稿している。
『ソニック・ザ・ムービー』のパンフレットにレビューを書きました – Film Goes with Net

なにかと縁のあるシリーズなのだが、3作目にして一番面白いものを放ってきた。4作目も匂わせつつ終わったし、全米ではヒットしているようなので、次も期待できるんじゃなかろうか。

ちなみに僕は吹替版で見た。キアヌ・リーブスの声も聞きたかったのだけど、近くにシネコンでは吹替版しかなったのだ。でも、森川智之さんの声も素晴らしかったよ。
 
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