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【スキップとローファー】なぜ共感する?キャラの仮面を剥がすさわやかな物語

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リアルサウンド映画部に、高松美咲原作、出合小都美監督のテレビアニメ『スキップとローファー』のレビューを書きました。

『スキップとローファー』の現代性とは? “キャラ”を演じることの疲弊と克服|Real Sound|リアルサウンド 映画部

1月5日17時より、NHKEテレで1期が再放送されるのに合わせて書きました。2期の制作も決定しており、これからますます人気が高まってくると思います。

少女マンガの王道的な設定から、人の裏表の機微、仮面をつけなきゃいけない高校生たちの苦しさも描きつつ、明るい作風が魅力の作品です。

仮面をつけている苦しさをキャラの「皮を被る」と表現しました。人間関係においてキャラを演じるということは、現代人は誰しもやっていることだろうと思います。この作品は、そこを丁寧に描いているのがいいですよね。レビューではキャラを演じるキャラクターについて重点を置いて書きました。

みんな誰しもキャラを演じているけど、主人公の美津未(黒沢ともよ)だけは演じていないで、天然なんですよね。だから、みんなの媒介になれる。とても良くできた作品で、読後感が良い作品です。
 
 
以下、原稿作成時のメモと構成案。
 
 
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参考
心の機微を大切に描く TVアニメ『スキップとローファー』出合小都美監督インタビュー① | Febri

心の機微を大切に描く TVアニメ『スキップとローファー』出合小都美監督インタビュー② | Febri

『スキップとローファー』は少女マンガらしさがあると評されることも多い作品ですが、だからと言って少女マンガ的な演出に思いきり振ってしまうのも違う。そのバランスをいい落としどころでできたという感触がありました。

出合 メインスタッフの中で、私から希望を出させてもらったのが、色彩設計の小針(裕子)さんと 撮影監督の出水田(和人)さん。以前『ローリング☆ガールズ』でご一緒して、すごく信頼が置ける方々だなと思ったおふたりです。

『スキップとローファー』監督・シリーズ構成 出合小都美インタビュー【連載第6回】 | アニメイトタイムズ
『スキップとローファー』になぜ心を動かされるのか? アニメ監督×原作者インタビュー|Real Sound|リアルサウンド 映画部
anan(アンアン)2023/04/19号 No.2344 [ジャパンエンタメの底力2023/森本慎太郎] | anan編集部
能登から東京に進学した高校生の青春描く「スキップとローファー」チャリティ上映 出合小都美監督&脚本家、米内山陽子がトーク【ひろしまアニメーションシーズン2024】 | 映画.com
人間関係に悩む大人こそ見てほしい! アニメ『スキップとローファー』から学ぶこと【声優・黒沢ともよ×江越彬紀】 あの人に会いたい! | with online – 講談社公式

【インタビュー】『スキップとローファー』高松美咲「王道な少女漫画設定を入り口に、心の機微を軽やかに描きたい」|コミスペ!
けれど私にはこれといった趣味がなく、**興味の対象は主に人間関係や人の心のふれあい、動き**に関してでした。

何をしたい漫画なのか見えない→ボツを繰り返してる中で、担当さんと**「少女漫画はどうだろう」**という話になったんです。恋愛には明確なゴールがないけれど、その経過も含めての物語じゃないですか。

そこで、**思いっきり少女漫画っぽく振り切っちゃってももいいんじゃないか**って。そしたらすぐに連載が決まりました。

さっき「思いっきり少女漫画っぽく」と言ったところなんですけど、実際は**「少女漫画の皮をかぶろう」**って話なんです。

人間関係を掘り下げるのであれば、どうしても暗いテーマも描かざるをえませんし、私自身はその暗さも好きです。でも、好きに描こうとすると暗くなりすぎるから、あえて**ありふれた設定**で作品全体をくるんでみました。

あらすじをたどれば、田舎っぺが上京してきて、ださいのになぜかイケメンに気に入られて、何となく友達もどんどん増えてみたいな……すごくベタベタの少女漫画な設定の中で敢えて恋愛に主軸を置かず、**人間関係を軽いタッチで描きたい**んです。

わかりやすい土台を作ったうえで、もともとやりたかった**微妙な人間関係**を描こうと。

人によって、日常の中で重きを置いてることはそれぞれ違うし、コンプレックスもそれぞれ持っている。同世代の人たちがぎゅっと詰まっている学校生活で、**誰が誰に影響を受けるのか**を描きたかったんです。

仲良くなる子が清廉潔白かっていうと必ずしもそうではなく、ちょっと性格が悪いぐらいのほうが気が合ったりするじゃないですか。**誰が誰に救われたり、気づかされたり、成長のきっかけをもらったりするかわからない学生生活**を丁寧に描きたいと思っています。

**高松**:最近あんまり読めてないんですけど、『スキップとローファー』を描くにあたって一番影響を受けてるのは**くらもちふさこ**先生の『[天然コケッコー](https://comicspace.jp/title/15799)』です。

シティボーイが田舎に引っ越してくるんですが、**ひとつの漫画でこんなにいろんな人に共感できるんだ**って感動したんですよね。田舎にいそうな、変わり者なおっさんのシゲちゃんみたいな人をちゃんと描き切るところとか、大好きな漫画ですね。

あとは**藤子・F・不二雄**先生が私と同じ富山県出身で、どの図書館にも藤子先生の作品が並んでいたので、影響を受けていると思います。特に『[ミノタウロスの皿](https://comicspace.jp/title/22508)』は、子供心にすごい漫画だなって思ってました。**「僕の漫画はお子さまランチだから」**と言って青年誌で描いてこなかったらしいんですが、初めて青年漫画を描いてこれかあ! って。

単行本はまだ出ていませんが、「アフタヌーン」では**つるまいかだ**先生の『[メダリスト](https://afternoon.kodansha.co.jp/c/medalist/)』ってフィギュアスケート漫画もすごく面白くておすすめです。

また、自分がスクールライフを描いているからか、すごくファンタジーを読みたくなっちゃって、**つくしあきひと**先生の『[メイドインアビス](https://comicspace.jp/title/89735)』を楽しく読んでます。映画も観に行きました。漫画のラフなタッチが想像を膨らませてきて、ハイクオリティなアニメの描き込みで、さらにこういうことだったのかといつも驚きます。

女性作家さんの漫画を読むことが多いのになぜか青年誌で描いていますが、どんなジャンルも大好きです。最初は青年誌ってこうあるべきと思ってボツ続きでしたが、少女漫画も少年漫画も青年漫画も好きだから、『スキップとローファー』には**いろんなジャンルの漫画のいいところを怖がらずに乗っけていこう!** と思って描いています。

『スキップとローファー』『ひらやすみ』作者、高松美咲×真造圭伍スペシャル対談――リスペクトし合う二人の共通点とは? | ダ・ヴィンチWeb

わかり合えなくても、私たちは友達になれる。『スキップとローファー』が描く“フラットな目線” – QJWeb クイック・ジャパン ウェブ
中高時代の“バラバラ”な感じは、またとない貴重な機会です。第一印象で心のシャッターを閉めてしまったら、相手のことはなにもわからない。とりあえず仲良くなってみることで新しい世界を知れたのかもしれないと思うと、私はなんてもったいなかったんだろうと。もっとフラットな目線を持ちたかったという思いも込めて描いています。

小針裕子
きみの色アニメーションガイド tri-angleにインタビューあり

 
Point4つ
少女マンガを青年誌でやる、少女マンガの皮をかぶった人間コメディ
人の裏の機微を描く作品
アニメでどう演出しているか、色彩の感覚と映像
キャラと人間、キャラを作って生きているということ、演じること、子役
 
 

Intro

スキップとフォーファー、2期決定、再放送がEテレで始まる。

本作の概要について

男女問わず広範な人気を獲得している。

人間模様の機微を掬い上げたタイプの作品として、近年で特筆すべき作品だろう。
 
 

Body1 男女問わず人気

少女マンガを青年誌で展開したことによるバランス

少女マンガの皮をかぶった作品と原作者は言う。

実際、さえない田舎から来た女子校生が、優しいイケメンの男子高校生を仲が良くなり、ライバルは超美人のモデル、という構図はいかにも少女マンガの王道パターンかもしれない。

しかし、少女マンガの王道ほどに理想化された学園生活を描くというより、ぎすぎすすることも、ちくちくする悪意も描きながら、前向きな学園生活を描くという姿勢だ。
 
 

Body2 キャラとキャラの皮をかぶった人間たち

キャラという概念

世の中は、一億総キャラ時代と言える。

青年期における「キャラ化」に対してパーソナリティが与える影響について | CiNii Research

この作品の登場人物はキャラを作っている。

キャラの皮をかぶって生活している。

ミカ、志摩、まことの場合は、どんなキャラで見られているのかと過剰に不安になっている、ゆづきも美人というキャラをあてがわれている。

子役をやっていた、演じていたという点でもそこに行き付く内容

文化祭で出演を求められる時に、「自分はどんなキャラでクラスで認識されてるんだっけ」と悩む志摩

そのキャラの裏側にある人間

その裏を知るための物語。

一方で、主人公には裏表のない人物。みんながキャラに悩むからこそ、キャラ作りをしない天然の主人公が際立つ構造になっている。

そして、そんな主人公を媒介にして、キャラの違う、属性の違うクラスメイトたちが仲良くなっていく。特に女子4人はそれぞれバラバラの属性であることが強調される。キャラの属性を乗り越えて人間として友情を育んでいるのだ。
 
 
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メモ終わり。

現在、講談社のサイトで、主人公の故郷である能登半島の寄付キャンペーンを行っています。マンガ第一話を読むと、100円が義援金として寄付される仕組みです。
skiloa.kodansha.co.jp

大変素晴らしいマンガなので、是非読んでみてください。
 
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