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「映画館に行けない」女性たちの声に耳を傾ける:swfiが描く、より良い映画業界の未来

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Brancで、「swfi(映画業界で働く女性を守る会)」の代表・SAORIさんにインタビューしてきました。

「映画館に行けない女性たちの理由を可視化したい」映画業界の女性をサポートするswfiが改善のために考えていることとは? | Branc(ブラン)-Brand New Creativity-

SAORIさんは、小道具の仕事をしていますが、出産を機に一度仕事を辞めたものの、映画業界を「子どもを育てながら働ける業界にしたい」という思いで復帰し、NPO法人も立ち上げました。日本映画の労働環境問題を考える上で、大事なお話がたくさん聞けたと思います。

「そもそも、映画を一生のしごとにしづらい」状況なんだとSAORIさんは語ります。また、長時間労働で映画を見に行けない人が選ぶ「観たいのに観れなかった映画賞」を始め、映画館に行けない人たちの声とその理由を可視化しようと努めておられます。

非常に示唆に富んだ話が多いので、是非ご一読を。
 
 
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参考

調査から見えてきたことは、映画業界のジェンダーバランスの偏りだ。本調査の回答者は「40歳以上の女性」と「就業経験10年以上の女性」が極端に少ない、それとは対照的に「40歳以上の男性」と「就業経験10年以上の男性」が多いと指摘。この回答結果自体が、業界のジェンダーバランスの悪さを物語っていると言えそうだ。

また、回答内容も回答者の属性によって傾向が異なるという。女性回答者は自身の労働現場での被害や親しい友人の被害を具体的かつ詳細な記述が多かったが、40代以上の男性回答者からは、被害を疑う記述や「以前は(パワハラなど)はあったが、昔のこと」として記述する傾向がみられたとのことだ。同じ業界に身を置いていても、属性によって体験が異なり、見えている状況も違うことが伺える。

 
 

構成

Point3つ
立ち上げと問題意識、活動内容について
何が変化を阻むのか
映画産業の新たに作りたい、今後の展望
 
 

Intro

日本の映像業界の労働環境をめぐり、国を巻き込んでの議論が続いている。昨年には、映適がスタートし、対象作品は一日の労働時間の上限が定められ、今年に入ってからは「新しい資本主義実現会議」にて、「映画戦略企画委員会」の設置が決まり、クリエイターやスタッフを支援していくための方針が確認された。

しかしながら、課題はまだ多い。まだまだ労働条件は過酷で、男女の不平等の問題も横たわる。そういう状況を少しでも改善しようと声を活動しているのがswfiのSAORI氏だ。小道具マイスターとして映画の現場を経験してきた彼女は、出産を機に現場の労働環境の問題意識を覚え、NPO法人を立ち上げた。

そんなSAORI氏に、swfi立ち上げの理由と日本の映像業界の現場にある課題を解決するための今後の活用について話を聞いた。
 
 

Body1 立ち上げと問題意識、活動内容について

NPO法人設立の経緯:
2018年に活動を開始し、2020年にNPO法人として登記。
映画業界で小道具を担当していたが、子育てとの両立が難しく、業界の働き方について疑問を持つようになった。
子供を育てながら働く女性や、仕事とプライベートの両立を目指す人々を支援したいという思いから、NPO法人を設立。

業界への不満と変化の必要性:
映画業界の働き方は、子育て中の女性や、多様な働き方を望む人々にとって不十分であると感じている。
業界が変化し、多様性を認め、働きやすい環境になるべきだと考えている。

活動に対する周囲の反応:
映画業界での仕事が減った。
「面倒な人」「うるさい」「コスパが悪い」と思われることがある。
仕事を依頼する側から、批判されることを恐れているという声も聞かれた。

SAORIさんのスタンス:
業界の課題を指摘するだけでなく、より良い働き方を提案したいと考えている。
批判よりも、良い点を評価し、共に改善していくことを目指している。
仕事の機会は減ったが、理解のある人々と共に活動している。
 
 

Body2 何が業界の変化を阻むのか

映画業界における問題点

声を上げにくい雰囲気:
SNSでの発信に抵抗感を持つ人が多い。
忙しいことから、発信する時間がない。

改善に対する意識の低さ:
業界の慣習や問題点を認識しているものの、変化を期待していない人が多い。
「どうせ変わらない」という諦めの気持ちを持っている。
契約書がないことによる不利益を経験しているにも関わらず、契約書を必要としないという人もいる。

男性中心の視点:
男性中心の視点で映画が作られ、女性や多様な視点が反映されていない。
女性が作った映画や、女性が共感できる映画が少ない。
活動に対する周囲の反応

変化への期待感の薄さ:
映画界における労働環境改善のための取り組み(映適など)に対して、期待感よりも懐疑的な意見が多い。
「関係ない」「どうせ変わらない」といった反応が多い。

フリーランス法への関心の低さ:
フリーランス法の施行に対して、関心が低い人が多い。
契約書を作成したり、自分の権利を主張したりすることに抵抗感がある。

目の前の仕事に追われている状況:
労働環境の改善よりも、目の前の仕事に追われており、将来のことまで考えられない状況にある人が多い。
 
 

Body3 映画産業を新たに作りたい、今後の展望

啓発活動:
映画業界で働く女性のための映画賞「観たいのに見れなかった映画賞」を開催し、労働環境に関する議論を深めている。
映画監督との対談を通じて、業界の課題を浮き彫りにしている。

活動の広がり:
「観たいのに見れなかった映画賞」をさらに発展させ、映画業界だけでなく、他の業界でも働く女性にも活動を広げたい。
映画業界の内部だけでなく、外部との連携を強化したい。

新しい映画制作:
労働環境の良い映画制作を実際に実践し、モデルケースを示したい。
ドキュメンタリー形式で制作過程を公開し、多くの人に知ってもらいたい。
 
 
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メモ終わり。

「観たいのに観れなかった映画賞」を一般の人も対象にしていくのは良いアイディアだと思いました。一般の人の映画館に行けなかった理由を可視化することは、映画の興行側にも有益な情報になるので、一緒に解決していく一助になるのではと思います。

子育てしながらでも働きやすい現場作りの実践も頑張ってほしいです。働きやすい環境を整えないことには、若い世代が映画産業を目指さなくなるし、業界全体の存亡にも関わることだと思うので。
 
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