1月27日に行われたフジテレビのやり直し記者会見は、10時間にも及んだらしい。それだけ長くやっても明らかになる事実はそう多くない。そもそも、17日の会見からそんなに日が経っておらず、新しい事実を詳細に調査する時間的猶予があったわけではない。
この会見は、一回目にカメラを締め出し、クローズドな会見を行ったことで、メディアとしての信頼が失墜したフジテレビの信頼回復のための第一歩として開催したという意味合いが強い。そのために、会見は古オープンで記者クラブ以外のフリー記者らも参加、カメラはプライバシーほごのための10分のディレイはあるが、全編生中継された。
事実の詳細は、第三者委員会の調査を待つしかないない状況だ。今回、僕としてはカメラの威力について気になる部分があった。
やはり、カメラという伝達手段、特にノー編集の場合には特異な威力を発揮するものだと再確認した。今回、憔悴しきったフジテレビ幹部のしどろもどろな回答部分、日枝氏に関する質問への回答の濁し方など、様々な良くない部分を白日の下に映し出していた。
同時に、一部の(自称)ジャーナリストの恫喝的な態度や、被害女性への二次加害的な態度も同時にさらしていた。カメラはその場に冷静に、客観的目撃者として、フジテレビ側だけでなく、それを追求する側の醜さも暴いていたと言える。
この効果は、カメラを入れないと発揮されなかったことだろう。クローズドな会見は記者の側の低次元さを覆い隠すことにも役立ってしまうのだろう。
これはノー編集だからこそ、恣意性が極めて薄く客観的に写しだすことができる。厳密にはカメラポジションが客観的とは言えないのかもしれない(フジテレビ役員だけを写すポジションなので)、でも、不規則発言が音声となって聞こえてくることで、記者側の問題点もあぶり出されていた。
記者クラブの閉鎖性は確かに問題だが、ああいう記者に入ってこられて二次加害が起きるのもまずい。これはどうするのか、良いのか。フィルターが何もないのはまずいが、既存の記者クラブというフィルターではだめだとすると、その代替となる仕組みが必要だ。
なにかいい方法はあるのだろうか。