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英国映画協会(BFI)会長、トランプ政権の保護主義的な動きに懸念を表明

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英国映画協会(BFI)のジェイ・ハント会長は、ドナルド・トランプ氏の米大統領復帰以降、ハリウッドを取り巻く「非常に保護主義的な言葉」に対し懸念を示した。ハント氏は、英国の映画・テレビ業界が「自己満足」に陥ることなく、持続的な成長を維持する必要性を訴えている。

英国映画産業への影響と投資の必要性

ハント氏は、ハイエンドのテレビと映画に関する英国議会の調査において、「英国の映画・テレビ産業が42億ポンド(約52億円)規模に達しているものの、これを当然のものと考えるのは危険である」と指摘した。彼女は「業界がこの高水準に満足してしまえば、成長は止まる」と警鐘を鳴らし、継続的な投資と支援の必要性を強調した。

また、イギリスの放送局が「アメリカの共同制作資金が市場から姿を消しつつある」と報じていることを受け、国際的な制作資金の確保が課題となっていることを指摘した。トランプ政権は、米国で製品を販売する国々に関税をかける方針を示しており、こうした動向が英国の映像産業に与える影響も懸念される。

英国の映画館が直面する危機

ハント氏は、英国の映画館の約45%が2025年末までに赤字に陥る可能性があると警告した。多くの映画館が老朽化しており、特に社会経済的に低所得の地域では、映画館が文化的供給源として重要な役割を果たしているため、その存続が課題となっている。

BFIは政府と協力し、映画館への設備投資の支援を求めている。ハント氏は「映画館の危機は、単なる経済的な問題ではなく、文化的な価値を守るための戦いでもある」と述べた。

英国映画の競争力強化

BFIのCEOであるベン・ロバーツ氏も、英国映画の国内市場シェアがわずか9%に留まっている現状に懸念を示した。フランスの40%、イタリアの25%と比較すると、英国映画の競争力は依然として低い。ロバーツ氏は「英国映画はかつて『英国王のスピーチ』などの作品で20%近い市場シェアを誇っていたが、その水準まで回復をしなくては」と指摘した。

 
参照
BFI's Jay Hunt Raises Hollywood Concerns Since Donald Trump Came In
BFI Chair Warns on Trump "Protectionist Language Around Hollywood"
 
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