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2025年冬アニメの放送初速分析:『薬屋のひとりごと』が圧倒的注目度を獲得、『転生おじさん』もSNSで話題に

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株式会社ブシロードのグループ分析組織であるアニメデータインサイトラボ(代表:大貫佑介)は、2025年冬アニメの放送初速に関する調査を実施した。本調査では、放送開始前から放送1週目までの検索量データを用い、2025年冬アニメ全57作品(新作40作品、続編17作品)の注目度を分析。その結果を公表した。
 

続編アニメが上位を席巻

使用データはGoogleトレンドによる検索量データ(週次)で、最も高い注目を集めた「薬屋のひとりごと」の初週を100として相対比較できるように数値化している。

2024年冬アニメの初週注目度を比較した棒グラフ。縦軸が「注目度」、横軸がアニメのタイトルを示している。青色が「新作」、オレンジ色が「2期目以降」の作品を表す。最も注目度が高いのは『薬屋のひとりごと』(100.0)で、次いで『俺だけレベルアップな件』(47.4)、『SAKAMOTO DAYS』(39.5)が続く。平均注目度(赤線)は12.59となっている。
右下にはデータ提供元として「© Anime Data Insight Lab」と記載されている。
© Anime Data Insight Lab

放送1週目の検索量データを基に注目度を比較すると、続編アニメ『薬屋のひとりごと』が圧倒的な数値を記録し、トップに立った。2位には『俺だけレベルアップな件』(47.4)、3位には新作アニメ『SAKAMOTO DAYS』(39.5)がランクインし、上位3作品が他を大きく引き離した。

さらに4位と5位には『Dr.STONE』(28.1)と『地縛少年花子くん』(28.1)が並び、トップ5のうち4作品を続編アニメが占めた。すでに多くのファンを抱えるシリーズ作品の強さが改めて示された形となった。
 

新作アニメの健闘:個性派作品が存在感を発揮

新作アニメでは『SAKAMOTO DAYS』が39.5という突出した数値を記録。2位の『悪役令嬢転生おじさん』(27.4)との差は12ポイント以上となった。3位には『黒岩メダカに私の可愛いが通じない』(24.9)が続き、この3作品が新作アニメの上位層を形成した。

2024年冬アニメの新作に限定した初週注目度ランキングの棒グラフ。縦軸が「注目度」、横軸がアニメのタイトルを示している。トップは『SAKAMOTO DAYS』(39.5)で、次いで『薬屋のひとりごと』(27.4)、『黒岩メダカに私の可愛いが通じない』(24.9)が続く。平均注目度(赤線)は12.59。

その他の作品には『パパンパンパンバンパイア』(23.0)、『魔法使いの約束』(18.8)、『全然』(18.6)、『天久鷹央の推理カルテ』(16.7)、『BanG Dream! Ave Mujica』(15.7)、『どうも、恋してしまうんだ。』(15.6)、『メダリスト』(15.2)などが含まれている。

右下にはデータ提供元として「© Anime Data Insight Lab」と記載
© Anime Data Insight Lab

注目すべきは、これらの作品の検索量の推移である。『SAKAMOTO DAYS』は4週前の時点で7.9と比較的高い基礎注目度を確保しており、そこから13.2、18.4と着実に上昇し、初週には39.5まで一気に跳ね上がった。一方で『悪役令嬢転生おじさん』は、放送4週前の1.2という低い水準から、放送1週前の5.2、初週の27.4へと約5倍に急伸。『メダリスト』も同様に、4週前の1.8から放送1週前の10.2、初週の15.2と大幅に伸びた。これらの作品は放送直前のSNSやメディア露出施策が奏功したと考えられる。

また、『BanG Dream! Ave Mujica』は2週前に6.5というスパイクを記録し、一時的に落ち着いたものの初週には15.7まで再び上昇し、TOP10入りを果たした。プロモーションイベントや重要発表のタイミングが注目度の底上げに寄与したとみられる。

新作アニメTOP10の初週注目度推移を示す折れ線グラフ。縦軸が「注目度」、横軸が「放送週(-4週目から1週目)」を示している。各作品の推移を異なる色の線で表現。

注目作品の推移:

『SAKAMOTO DAYS』(赤線)は、他作品よりも大きく上昇し、1週目で40近くに達している。
『悪役令嬢転生おじさん』(緑線)、『黒岩メダカに私の可愛いが通じない』(青線)なども徐々に上昇。
『パパンパンパンバンパイア』(オレンジ線)、『魔法使いの約束』(紫線)、『全然』(灰色線)、『天久鷹央の推理カルテ』(ピンク線)、『BanG Dream! Ave Mujica』(黄色線)、『どうせ、恋してしまうんだ。』(水色線)、『メダリスト』(黒線)もそれぞれ緩やかに増加。
1週目に向けて、全体的に注目度が上昇する傾向が見られる。

右下にはデータ提供元として「© Anime Data Insight Lab」と記載されている。
© Anime Data Insight Lab

 

新作アニメ上位作品の成功要因分析

新作アニメTOP10作品は、それぞれ異なる要因によって高い注目度を獲得している。主な要因は5つのカテゴリーに分類できるという。

原作メディアの強み
『SAKAMOTO DAYS』は週刊少年ジャンプ連載作品として放送前から一定の注目を集めており、『黒岩メダカに私の可愛いが通じない』も週刊少年マガジンの発行部数190万部という基盤を持つ。人気漫画雑誌の連載作品は、アニメ化の段階で既に強固なファン層を形成している。

戦略的な広告・宣伝施策
『SAKAMOTO DAYS』はX(旧Twitter)広告や新宿での大型広告などを展開し、放送直前の注目度を大きく引き上げた。また、『BanG Dream! Ave Mujica』はライブイベントやポップアップストアなど、ファンとの直接的な接点を活用した宣伝戦略を実施した。

話題性の高い楽曲の活用
『悪役令嬢転生おじさん』は松平健の「マツケンサンバⅡ」の起用で話題を集め、初週27.4という高い注目度を記録。『メダリスト』では米津玄師が主題歌を担当し、作品への期待を高めた。『黒岩メダカに私の可愛いが通じない』はVTuberグループ・ホロライブ所属のアーティストを起用し、楽曲とダンスを組み合わせたプロモーションが功を奏した。

豪華声優陣の起用
『天久鷹央の推理カルテ』では佐倉綾音、小野賢章、水樹奈々、立木文彦といった豪華キャストを揃え、幅広い層への訴求力を強化した。

独自の作品性による差別化
『ババンババンバンバンパイア』は吸血鬼と銭湯の異色の組み合わせで注目を集め、『全修。』はアニメ業界を舞台にした異世界転生という独創的な設定で話題を呼んだ。新規性のある作品は、特定のターゲット層から高い関心を得やすい。

2025年冬アニメの新作TOP10作品は、強力な原作メディアの活用に加え、効果的な広告戦略や話題性の高い楽曲など、複数の要素を組み合わせることで成功を収めていると考えられるとのこと。特に上位作品では“複合的アプローチ”が鍵となっており、単一の要因ではなく、多方面からの注目を集めることが重要であることが示された。

今後、視聴者の評価や口コミが加わることで、各作品の注目度はさらに変動していくことが予想される。放送終盤でこの注目度がどのように推移するのかも気になるところだ。
 
 
関連作品

©全修。/MAPPA
©BanG Dream! Project
©つるまいかだ・講談社/メダリスト製作委員会
©日向夏・イマジカインフォス/「薬屋のひとりごと」製作委員会
©鈴木祐斗/集英社・SAKAMOTO DAYS製作委員会
©久世蘭・講談社/「黒岩メダカに私の可愛いが通じない」製作委員会
©上山道郎・少年画報社/悪役令嬢転生おじさん製作委員会・MBS