これまで日本ではほとんど紹介されることのなかったブリティッシュ・ノワール映画が、一堂に会する映画祭「ブリティッシュ・ノワール映画祭」が開催されることが決定した。会場は新宿K’s cinemaで、2025年2月22日(土)から3月21日(金)までの約1か月間(3月8日~14日は休映)にわたって開催される。
本映画祭では、日本未公開の5作品を含む計13作品が特集上映される。キャロル・リードやパウエル=プレスバーガーといった英国を代表する名監督の作品をはじめ、ドン・シーゲルが手掛けた初長編『ビッグ・ボウの殺人』の特別上映も決定している。
フランスのフィルム・ノワールはジャン=ピエール・メルヴィルの作品群を通じて広く知られるようになったが、英国のノワール作品はこれまで日本ではほとんど紹介される機会がなかった。ブリティッシュ・ノワールは、戦後のイギリス映画界で発展し、特にイーリング・スタジオを拠点とする監督たちが重要な役割を果たした。
本映画祭では、アルベルト・カヴァルカンティ、ロバート・ヘイマー、ベイジル・ディアデンらによる傑作群を上映。彼らが関わった異色のノワール映画『夢の中の恐怖』もラインナップに加わっている。本作は、田舎の館を訪れた建築家がデジャヴを覚え、ゲストたちが次々と怪奇な話を語り出すという、オムニバス形式の作品だ。
日本未公開作品を含む豪華ラインナップ
今回、日本で初めて公開されるのは以下の5作品である。
『ブライトン・ロック』Brighton Rock(1948) 監督:ジョン・ボールティング
『日曜日はいつも雨』It Always Rains on Sunday(1947) 監督:ロバート・ヘイマー
『私は逃亡者』They Made Me A Fugitive(1947) 監督:アルベルト・カヴァルカンティ
『その信管を抜け』The Small Back Room(1949) 監督:マイケル・パウエル、エメリック・プレスバーガー
『ミュンヘンへの夜行列車』Night Train to Munich(1940) 監督:キャロル・リード
さらに、『兇弾』(1950)、『街の野獣』(1950)、『妖婦』(1945)など、ブリティッシュ・ノワールを代表する名作も一挙上映される。加えて、クリント・イーストウッドとのコラボレーションでも知られるドン・シーゲルの初長編『ビッグ・ボウの殺人』(1946)が特別上映される。本作は19世紀ロンドンを舞台にしながら、すべてアメリカのワーナー・スタジオで撮影された異色作であり、今回の映画祭で特別に上映が決定した。
「ブリティッシュ・ノワール映画祭」開催概要
場所:新宿K’s cinema(東京都新宿区新宿3丁目35-13, Showakan-Bld, 3F)
日程:2025年2月22日(土)~3月21日(金)※3月8日~14日は休映
※プログラム詳細は後日発表。トークイベントも予定
ブリティッシュ・ノワール映画祭 | ケイズシネマ
配給:アダンソニア
宣伝・配給協力:ブライトホース・フィルム
協力:ブロードウェイ
作品解説:吉田広明
デザイン:千葉健太郎
字幕:林かんな(『ブライトン・ロック』)