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国立映画アーカイブ、「NFAJコレクション 2025 春——横浜と映画」を開催


国立映画アーカイブは、所蔵作品を中心に多彩な映画を紹介する上映企画「NFAJコレクション 2025 春」を2025年3月7日から開催する。今回の特集は「横浜と映画」と題し、日本映画の歴史において重要な役割を果たしてきた横浜を舞台とした作品を取り上げる。

NFAJコレクション 2025 春——横浜と映画のチラシ
上映会チラシ

横浜は江戸幕府の開港政策により外国との交流が始まり、日本初の映画興行が行われた地でもある。また、日本初の洋画封切館「オデヲン座」の開館や、無声映画期から現代に至るまで数多くの作品のロケ地となるなど、日本映画産業において特筆すべき存在である。今回の特集では、無声映画期の貴重な作品から、戦後の混乱期を記録した作品、さらには横浜の生活文化を映し出した作品まで、多様な視点から横浜の姿を描く。
 
上映作品の見どころ

本特集では、9プログラム・計10作品を上映する。横浜に撮影所を構えた大正活映の前身・東洋フィルムが製作した『成金』(1918)は、日本映画史における重要な無声映画の一つである。また、清水宏監督の『港の日本娘』(1933)は、横浜の異国情緒あふれる街並みを舞台に、女学生の青春模様を描く。

『成金[SANJI GOTO-THE STORY OF A JAPANESE ENOCH ARDEN]』
『港の日本娘』

戦後の横浜を映し出す作品も注目される。中平康監督の『月曜日のユカ』(1964)や成瀬巳喜男監督の『ひき逃げ』(1966)は、戦後の横浜の変貌を色濃く映し出している。また、鈴木清順監督の『密航0ライン』(1960)は、敗戦後の横浜のリアルな風景を記録した貴重な作品だ。

ひき逃げ
密航0ライン

さらに、横浜の不良文化や音楽シーンを描いた作品も上映される。松田優作が原案を手がけた『ヨコハマBJブルース』(1981)は、ブルースシンガーとしての松田自身の思いが反映された作品である。また、ドキュメンタリー映画『ザ・ゴールデン・カップス ワンモアタイム』(2004)は、本牧のライブハウス「ゴールデンカップ」を拠点に活動した伝説的バンド・ザ・ゴールデン・カップスの軌跡を追い、横浜の音楽文化の一端を浮かび上がらせる。

『ザ・ゴールデン・カップス ワンモアタイム』 写真提供:アルタミラピクチャーズ 撮影:倉持承功

 
開催概要

企画名:「NFAJコレクション 2025 春——横浜と映画」
会期:2025年3月7日(金)~3月23日(日) ※金・土・日曜のみ
会場:国立映画アーカイブ 小ホール(B1階)
公式HP:NFAJコレクション 2025 春 ――横浜と映画 – 国立映画アーカイブ
問合せ:050-5541-8600(ハローダイヤル)

上映作品(9プログラム、計10作品) 
①『成金[SANJI GOTO-THE STORY OF A JAPANESE ENOCH ARDEN]』(1918、ハリー・ウイリアムズ、トーマス栗原)
 『港の日本娘』(1933、清水宏)
②『密航0ライン』(1960、鈴木清順)
③『月曜日のユカ』(1964、中平康)
④『ひき逃げ』(1966、成瀨巳喜男)
⑤『虹をわたって』(1972、前田陽一)
⑥『野良犬』(1973、森崎東)
⑦『ヨコハマBJブルース』(1981、工藤栄一)
⑧『喜劇 家族同盟』(1983、前田陽一)★
⑨『ザ・ゴールデン・カップス ワンモアタイム』(2004、サン・マー・メン)★
★があるものはニュープリント上映
 
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