[PR]

「日経ビジネス」ソニー特集:ゲーム、音楽、映画、アニメのシナジーで最高益!エンタメ帝国を築く


『日経ビジネス』2025年02月03日号の特集は、「さらばエレキのソニー エンタメで最高益、吉田改革の舞台裏」と題して、ソニーグループのエンタメ事業を大特集している。その特集を読んだので、簡単に雑感を書いておく。

ソニーグループの現在のエレクトロニクスの事業シェアは1割程度にとどまる。かつてのエレキのソニーというイメージとはかなり異なる会社に変貌を遂げている。現在の主力事業は、ゲーム、音楽、映画、アニメからなるエンタメ事業であって、それらのシナジーによって最高益を実現した。

この改革は平井一夫前会長、吉田憲一郎会長、十時裕樹社長らによって主導され、、今でもグループの6割の事業シェアを誇る。今後もエンタメ分野を伸ばしていく方向で、その舞台裏についてよくまとまった特集だった。

特別新しい情報はないが、多分野にわたるソニーのエンタメ事業の全容をわかりやすくコンパクトにまとめており、入門編として最適だし、変化のスピードの速いソニーのエンタメ事業の現在位置も確認できる。

主力のゲーム事業の安定感、収益率の高い音楽事業、老舗の立ち位置で、独自プラットフォームを持たずにネットフリックスなど他社と連携を重視する映画事業、そして急成長著しいアニメ。この4つのシナジー効果をいかにだしていくのかという段階に入っていると特集は語っている。

ゲームと映画のシナジーという点で、『アンチャーテッド』が最初の大きな事例と紹介。今後、ソニー・ピクチャーズはかなりゲームの映画化が控えている。2025年のCESで『Horizon Zero Dawn』と『ヘルダイバーズ2』の映画化が発表されたことも記憶に新しい。

音楽事業とアニメは元々親和性の高い分野だった。YOASOBIの『アイドル』の世界的ヒットもあった。音楽事業は豊富なライブラリーを擁していて、配信時代に入る前から大型買収を始めていたことが今になって効いてきているようだ。昨年もマイケル・ジャクソンの音楽著作権とカタログ原盤権の半分を買収したという報道もあった。

アニメ事業はアニプレックスとクランチロールを中心に展開、制作会社も複数傘下に持ち、急成長を遂げている。KADOKAWAの株式追加取得で原作も手に入れつつある。

また、エレクトロニクス事業は存在感が低下したとは言え、エンタメ事業の裏方として重要な役割を果たしていると特集は語る。ソニー製のカメラ「VENICE」は『トップガン マーヴェリック』や『アバター:ウェイ・オブ・ウォーター』といった大作映画で威力を発揮し、デジタル一眼カメラαシリーズが報道の分野でも活躍していることなどに触れている。昨年のトランプ大統領の暗殺未遂の写真もソニーのα9で撮影されている。また、Anime Canvasについても少しだが触れられていた。

昨年、ソニーの経営方針説明会を取材したが、エンタメシフト、そしてエンタメを支えるテクノロジーの会社なんだということは強調されていた。日経ビジネスの今回の特集は、その取材の印象通りの特集だったなと思う。
 
関連作品