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『Flow』ギンツ・ジルバロディス監督インタビュー:言葉なき世界で描く、動物たちの絆と冒険


本日(2025年2月20)に発売のキネマ旬報2025年3月号に、『Flow』のギンツ・ジルバロディス監督のインタビューを掲載してもらいました。

キネマ旬報 2025年3月号 No.1958

キネマ旬報 2025年3月号 No.1958

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キネマ旬報202年3月号、デビッド・隣地監督の表紙。

122ページに掲載されています。
キネマ旬報2025年3月号の目次「Flow」ギンツ・ジルバロディス監督のインタビューが掲載されている。P122。

本作、大変素晴らしい作品なので、是非劇場で鑑賞することをおすすめします。非常に豊かな世界が展開します。没入体験の強いタイプの作品ですので、映画館が一番いいと思います。
 
ギンツ監督に取材させてもらうのは、前作の『Away』に続いて二度目です。長編はまだ2本というキャリアですが、すでに世界の巨匠の風格漂う感じがありますね。今後、最も注目すべきアニメーション作家の一人といってもいいと思います。
 
 
以下、原稿作成時のメモと構成案。
 
 
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参照
Flow: Our Exclusive Interview with Director Gints Zilbalodis!
Flow: Our Exclusive Interview with Director Gints Zilbalodis!
Gints Zilbalodis interview on Flow at London Film Festival 2024 – YouTube
 
前作の取材で聞いたこと、

「脚本も絵コンテも作らずに制作を進めたのは、ドキュメンタリー的に作品を作りたかったからです。通常、多くのスタッフを集めてアニメーションを作る時、意思統一のためにどうしても脚本や絵コンテが必要になります。本来なら、アニメーションほど緻密にプランニングしなければならないものはないでしょうが、今回、私はそういうやり方では到達できない作品を作ってみたかったんです。普通なら思いつかないユニークなアイデアやストーリーテリング、直観的なカメラワークを実践してみたかったんです」

「全体的な物語の骨組みだけは考えてありましたが、途中から4つのチャプターに分けようと思いました。最初のチャプターを作っているときには、まだ3チャプター目の構想は固まっていませんでしたね。最初の構想にとらわれず自由に発想して物語を展開させていくことを大事にしました。例えば、映画に小鳥が登場しますが、あの小鳥は最初の構想では出番は少なかったんですけど、最終的には主人公の次に重要なキャラクターになりました。それから、主人公の少年が黒猫に出会ったり、飛行機の残骸を見つけるといった展開は最初は全く考えていなかったんです」

「コンピュータは正確に制御できるものですが、私は逆に不完全性をもたらしたいと考えていました。カメラがキャラクターの動きを追いきれていないような、まるで人間がカメラを持ってそこにいるような感じを出したかったんです。もう一つこだわったのは、長回しです。ひとつのショットが短く、編集されたものよりも長回しのほうが『記録』されたものという感じが強くなって、没入感が出るだろうと思ったんです。実際にカメラの動きも事前に計算せずに直観で動かしています」
 
 
構成
 
Point3つ
Awayとのつながり、短編のAquaについても
特異な作り方、音楽を先に作る?など
動物の描写について

 

Intro

個人制作、脚本も絵コンテも作らず、即興でアニメーションを作る。緻密な積み上げ作業を前提にするアニメーションでは不可能と思われた作劇に挑み、世界を驚かせた『Away』のギンツ・ジルバロディス監督待望の長編第二作『Flow』が日本に上陸。洪水に沈んだ世界を舞台に、一匹の猫が動物たちと友情を育み船で世界を漂流するこの作品には、人間は登場せず台詞も一切ない、芳醇な映像と音だけのイメージの奔流で観る者を圧倒する。
 
 

Body1 前作と短編とのつながり

前作からの姿勢の継承:
前作のドキュメンタリーのようなアニメーションを作りたいという姿勢は、本作にも継承されている。
ただし、今回はより多くのリソースとチームで制作を行った。
制作過程:
編集、レイアウトなど、前作と同じように試行錯誤しながら進めていく過程があった。
アニマティックは3Dだったが、即興的な部分が多かった。
シンプルなセットを3Dで作り、バーチャルカメラで撮影したものを自分で作成し、チームに見せるという方法で制作を進めた。
作品の世界観:
水に沈んだ世界で猫が旅をするというコンセプトは、過去の短編「アクア」に似ているが、焼き直しではない。
孤独な動物である猫が、他の動物とどのように協力していくのかが主題である。
 
 

Body2 特異な作り方の全て

はい、承知いたしました。ギンツさんの発言を要約した箇条書きを以下にまとめます。

脚本について:
前作「アウェイ」では完成した脚本はなかったが、今回は予算の関係で事前に脚本が必要だった。
資金調達のために書いた脚本は制作過程では使わず、チームにも共有しなかった。
制作中は脚本を見返さず、記憶を頼りにアニマティックを作成した。
セリフについて:
セリフがない方が、イメージや音楽、カメラ、編集などで豊かな表現ができると考えている。
音楽について:
音楽は脚本と同時並行で制作している。
映画の雰囲気を掴むため、リズムやストーリーのアイデアを盛り込むために、初期から音楽は必須である。
既存の楽曲や映画に似た曲を使うのは嫌いで、オリジナルであるべきだと考えている。
音楽制作は脚本執筆に比べて楽しく、短時間でできる。
ストーリーの前に音楽があることもあり得る。
映画よりも多くの素材を作っておき、編集段階で選択肢を増やせるようにしている。
 
 

Body3 動物の描写について

動物の描写について:
YouTubeにある犬猫ビデオを参考に、動物の動きを研究した。
ただし、単なるコピーではなく、アニメーターが解釈を加え、ストーリーに合うように取り入れている。
ロングショットのシーンもあり、制作は大変だった。
長回しについて:
アニメで長回しは多用されていないため、様々な模索ができると考えた。
没入感を高めることが最大の理由。
カットを切り替えると映画だと観客に意識させてしまうため、それを忘れさせる効果がある。
自然に見せるためには多くの準備が必要となる。
カメラアングルについて:
動物たちの目線に寄り添うことを意識した。
猫の目線を見る人が経験できるようにするため。
 
 
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メモ終わり。

映画の公開は3月14日となります。公式サイトで公開館は確認してください。結構、上映館数多いですね。
映画『Flow』公式サイト

Away

Away

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