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ドラえもん、フランス市場に再挑戦!YouTube配信で新たなファン層を開拓


日本を代表するアニメ「ドラえもん」のフランスにおけるYouTube配信が、2024年9月にスタートしたことをJETROが伝えている。過去に2度のテレビ放送を試みながらも定着には至らなかったフランス市場で、今回はデジタルプラットフォームを活用した新たな戦略に挑んでいることを関係者に取材した記事だ。
 
フランスでの「ドラえもん」展開の歴史

「ドラえもん」は、スペインでアニメ放送を開始してから30年、イタリアでは20年以上の歴史を持つ。両国では安定した人気を誇るが、フランスではこれまでの2回の放送が短期間で終了しているという。

最初の試みは2003年、民放M6の子供番組枠「フォックス・キッズ」で放送された。続いて2014年にはワーナー・ブラザーズ傘下の「ボーイング」での放送が行われた。しかし、フランスではEU諸国のIPコンテンツが充実していることに加え、自国産業保護のためのクオータ制が存在することから、新規参入が難しく、「ドラえもん」は2014年の放送を最後に長らく市場から姿を消していた。

2021年、新型コロナ禍の最中、フランスの配給会社スピール・ディストリビュション(Soupir Distribution)の創設者シャルル・クーシエ氏が、「ドラえもん」をYouTubeで配信したいとの意向をテレビ朝日国際ビジネス開発部に伝えたとのこと。当時、クーシエ氏はフランスの大手アニメーション制作会社でデジタル戦略を担当しており、YouTubeで偶然見つけた「ドラえもん」に大きな可能性を感じたという。しかし、フランスではテレビの影響力が依然として強く、AVOD(広告型動画配信)での展開は前例が少ないことから、すぐにプロジェクトが動き出すことはなかったそうだ。

それでも、2014年からの約10年間の空白を埋めるべく、2024年9月にYouTube配信を決定。クーシエ氏が独立したタイミングと重なったこともあり、スピールとの協力体制が築かれた。フランスでは日本アニメの人気が近年ますます高まり、日本のIP全体がブームとなっていることも追い風となった。

スピールは「ドラえもん」に対して強い愛着を持ち、共同創業者のナイトウ・ケンゾウ氏も幼少期から「ドラえもん」を視聴していたことが、今回のパートナー選びの決め手の一つとなったという。

現在、YouTubeでは2005年以前のフランス語吹き替え版を配信しており、登録者数や再生回数は徐々に伸びている。今後は新たなフランス語吹き替え版を制作し、より多くの視聴者に訴求する計画だ。
 
「ドラえもん」のIP展開とフランス市場

「ドラえもん」は、IPとしての活用も積極的に進めているそうだ。2024年には、パリのポンピドゥーセンターで原画展示が行われ、フランスのファッションブランド「セリオ(Celio)」とのコラボレーションも実施。こうした多面的な展開をしている。

スピール側も「フランスの視聴者に『ドラえもん』を再び届けられることを大変うれしく思います。視聴者の反応は素晴らしく、今後4つのVODプラットフォームでの配信が開始されることで、さらに多くの人々に楽しんでもらえると期待しています」とコメントしている。

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