映画・映像業界向けのマーケットリサーチ会社GEM Partnersは、2024年の定額制動画配信(SVOD)サービスの国内市場規模を発表。前年比4.1%増の推計5,262億円となった。同市場はコロナ禍を契機に急成長を遂げたものの、近年は成長率の鈍化が顕著となっている。
成長率は鈍化、10%超の成長から減速
定額制動画配信市場は、2020年に3,222億円(前年比34.7%増)を記録して以来、21年に3,862億円(同19.9%増)、22年に4,508億円(同16.7%増)、23年に5,054億円(同12.1%増)と拡大を続けてきた。しかし、24年は前年比4.1%増にとどまり、初めて10%未満の成長率となった。これは市場の成熟化と、新規契約者の伸び悩みが影響していると考えられる。
Netflixが6年連続首位もシェア減少、U-NEXTが拡大
サービス別の市場シェアでは、「Netflix」が21.5%(前年比-0.4ポイント)で首位を維持した。3年連続のシェア減少が続くものの、2019年以降6年連続で国内最大のシェアを誇る。
一方、「U-NEXT」は17.9%(前年比+2.7ポイント)とシェアを拡大。22年に「Prime Video(Amazonプライム・ビデオ)」を抜いて2位に浮上し、23年には「Paravi」との統合効果も相まって成長を続けた。24年は市場全体の成長が鈍化するなか、前年比で唯一1.0ポイント以上シェアを伸ばしたサービスとなった。
調査対象の13サービスのうち、前年からシェアを拡大したのは「U-NEXT」「FOD(FODプレミアム)」「DMM TV」「ABEMAプレミアム」「Prime Video(Amazonプライム・ビデオ)」の5サービスであった。特に「U-NEXT」は独自コンテンツの充実と統合による影響で、Netflixとの差を縮めている。
GEM PartnersのSVOD市場規模の調査は、各サービスのユーザー数ではなく、打ち上げベースのシェアを対象としている。U-NEXTは定額料金が高額なために、シェアを伸ばしやすいという事情はあるが、積極的なコンテンツ投資によって支持をのばしていることが伺え、2024年11月時点で会員数は約453万人に達している。
市場全体の成長は鈍化したものの、各サービスの競争は依然として激しく、2025年以降の動向が注目される。
ソース:2024年の定額制動画配信市場は推計5,262億円、U-NEXTがシェア最大の伸び、6年連続首位のNetflixに迫る – GEM Standard