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滋賀医大生性暴力事件、無罪判決への署名運動から考える「疑わしきは被告人の利益に」原則の重要性


弁護士JPに、袴田事件の弁護団の一人、戸舘圭之弁護士のインタビュー記事を掲載しました。

滋賀医大生らの性的暴行事件「逆転無罪判決」に“反対署名”10万筆 弁護士が危惧する「刑事裁判の大原則」軽視の行く末 | 弁護士JPニュース

昨今の大阪高裁での滋賀医大生らの性的暴行事件の逆転無罪判決で起きた、反対署名のことに少なくない弁護士が懸念の声を示していましたが、何が懸念されるのか、その具体的な内容について詳しく伺いました。

戸館弁護士は、冤罪事件に長年関わってきたこともあり、「疑わしきは被告の利益に」の原則を重視します。人権という観点から重視されるべきこの原則は、なぜ重要なのか、そもそもの根本的な部分についてお聞かせくださいました。
 
 
以下、原稿作成時のメモと構成案。
 
 
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参考リンク

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構成
 
Point3つ
刑事裁判とはそもそも何か
性犯罪の事案で男女の裁判官で判断に差はあるか
署名問題について
袴田事件の教訓
落ち着いて考えるべき 
 
 
Intro

女子大学生に対する性的暴行で罪に問われた男子大学生2人に対して、大阪高裁(飯島健太郎裁判長)は12月18日、無罪判決を言い渡しました。この事件が報じられると、SNSを通じて「呆れた」「抗議します」などと判決に不服があるとする声が高まり、逆転無罪に対する反対意思の表明を求める署名運動が行われました。

しかし、裁判は結審しておらず今後も流動的な状態だ。

これに対して多くの司法関係者が疑念を呈すことになった。戸館先生ものその一人。袴田事件の弁護団の一員として、何が問題だと思うのか、聞いた。
 
 
Body1 刑事裁判とはそもそも何か

* 刑事裁判における人権意識の重要性
* 国家権力が個人を処罰する刑事裁判では、冤罪や過剰な刑罰を防ぐために人権意識が不可欠。
* 「疑わしきは被告人の利益に」という原則や、合理的疑いを超える証明がなければ有罪としないという原則は、冤罪を防ぐための重要なルール。
* 袴田事件のような冤罪事件を教訓に、これらの原則を徹底する必要がある。
* 性犯罪事件における人権意識の現状
* 近年、性犯罪事件においては、被害者保護の観点から、これらの原則が軽視される傾向がある。
* 無罪判決が出た場合に、その判決を批判する言説が目立つ。
* 「疑わしきは罰する」というような考え方が強まっているように感じる。
 
Body2 無罪判決を上訴できるのは問題か
無罪判決に対して検察官が上訴できることについても議論がある。イギリスやアメリカでは禁止されている。
日本も憲法39条で「既に無罪とされた行為については、刑事上の責任を問はれない」「同一の犯罪について、重ねて刑事上の責任を問はれない」とされている。にもかかわらず、一審・二審で無罪判決が出ても検察が上訴できるのは憲法違反だという意見もある

Body 袴田事件の教訓、報道の問題

* 弁護士としての経験と死刑制度
* 凶悪な犯罪の弁護も経験する中で、事件の背景には様々な事情があることを知った。
* 悪とみなされる人たちを弁護することの意義
* 世間から糾弾されるような人であっても、弁護が必要である。
* 弁解できない人こそ、弁護士の助けを必要としている。
* 司法報道の問題点
* 判決の内容を正確に報じきれていない。
* 逮捕された時点で犯人であるかのような報道がなされる。
* 実名報道によって、社会的死を意味する場合がある。
* 警察からの情報提供の偏り
* 警察官が事件を起こした場合、匿名報道になることがある。
* 疑わしきは被告人の利益に
* マスコミも建前上は尊重していると言うが、ニュース価値を優先しているのでは。
* センセーショナルな事件を求める読者・視聴者のニーズに応えている側面もある。
* 冤罪の恐ろしさ
* 冤罪は誰にでも起こりうる。
* 日常生活の中で、犯罪者と疑われる危険は常に存在する。
* 冤罪の被害者に共感できるかどうかが重要。
* 袴田事件の教訓
* 他人事ではなく、自分自身も冤罪に巻き込まれる可能性があることを認識する必要がある。

 
 
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メモ終わり。

そもそも、無罪判決に検察の方から上訴できるようにすべきなのか、という問いがあったのが重要だなと思いました。
改めて「疑わしきは罰せず」の原則がなぜ必要なのか、深く考えさせられる取材となりました。
 

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