香取慎吾主演のテレビドラマ『日本一の最低男 ※私の家族はニセモノだった』第8話「現場の負担は限界だ!社会を変えるには?」は、問題提起という点で、政治の本質に迫る良いエピソードだった。
大森一平(香取慎吾)は、区議選で街頭演説をしている夢を見る。しかし、出馬理由を「世間を見返すため」と本音をぶちまけるひどい夢を見てしまう。本番で言ったら絶対だめなやつだ。
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そんな中、商店街青年部の宮島誠(須賀健太)から小学校近くの学童が突然閉鎖されたという相談を受ける。一平は冬祭りの借りを返す形で、選挙対策の一環として子どもたちを預かることを決める。しかし、3人もの子どもたちの面倒を見ながら、彼は親たちが抱える厳しい現実を目の当たりにする。
その中の一人、龍之介という少年は、夜遅くまで親を待ち続け、満足に眠ることすらできない。彼が授業中もよく寝てしまうという。それでも、親と一緒に夕食を食べたいから、遅くなっても頑張って起きているのだ。この経験から一平は、待機児童問題の深刻さを痛感し、PTA会長に要望書の提出を提案するも、「過去に何度も出したが、区は動かなかった」と冷めた反応を受ける。
一平は学童が足りないことで生じている今の状況に、「預かる側か、預ける側、どちらかが無理しないといけない状況はおかしい、無理を前提に成り立っている社会がおかしいんじゃないか」と考えるようになる。一方で正助は、子育ては社会が変わるのを待ってられない。だから、社会が変わるまでは誰かが無理するしかないという。しかし、正助とて、その場しのぎではいつまでも問題が解決しないことはわかっているのだ。
一平と正助は、この経験からそれぞれがこれからどうすべきなのかを考え、決意をする。正助は正式に学童をやることに決める。一平は正助やひまり、朝陽の了解を得て正式に政治家を目指すことになる。一平は、自宅を使って学童をやればいいと正助に提案する。彼は「最低男」と言われているが、結構いい奴だと思う。しかも、洞察力もあって問題に真摯に取り組むことができる奴だし、人の気持ちもわかる。
しかし、ここで一平に難問が降りかかる。区長(堺正章)に、街の再開発エリアには一平の家も含まれている、街のために協力してほしいと言われる。正助がせっかく学童を始めた矢先に、家を立ち退かないといけなくなるかもしれない。選挙に当選するのは区長の後押しはぜひともほしいところだが、一平は難しい決断を迫られることになった。
次週からは、いよいよ選挙編に突入のようだ。再開発に対して一平はどう向き合うのか。