韓国系シネマコンプレックス最大手のCJ CGVベトナム(以下、CGVベトナム)は、2024年の売上高が前年比12.0%増の3兆7700億VND(約220億円)となり、2011年の市場参入以来、過去最高を更新したとベトナムニュース総合情報サイトVIETJO [ベトジョー]が報じている。営業利益も同89.0%増の4800億VND(約28億円)と大幅に伸びた。
CGVベトナムの主な収益源は、チケット販売、飲食物販売、広告、シアターレンタルなど多岐にわたる。売上の中心はチケット販売だが、最も利益率が高いのはポップコーンやドリンクなどの飲食物販売である。広告収入は、上映前のコマーシャル、館内スクリーン広告、ポスター広告などから得ており、シアターレンタルは特別上映のほか、イベントや会議の会場としても利用されている。
一方で、シネマコンプレックスの運営においては、映画の著作権使用料や物件の賃貸料が主要なコストとなっている。
CGVベトナムはベトナム国内で45%の市場シェアを誇り、業界トップの地位を確立している。同社は全国に83のシネマコンプレックスを展開し、合計478スクリーンを運営している。これは業界2位のシネコンチェーンの2倍、3位の4倍に相当する規模である。
売上拡大の背景には、ベトナム映画市場の成長に加え、同社が出資した映画「Mai」(2024年2月公開、興行収入5560億VND=約32億円)や「Lat Mat 7: Mot Dieu Uoc」(2024年4月公開、同4820億VND=約28億円)の大ヒットがある。また、「ドラえもん」や「名探偵コナン」などの日本アニメ作品の配給も売上増加に貢献した。
CGVベトナムは今後、シネマコンプレックスの新規開設やベトナム映画への投資をさらに強化し、映画業界の成長を加速させる方針を示している。
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