リアルサウンド映画部に、『東京サラダボウル』のレビューを書きました。
『東京サラダボウル』は“東京の今”を反映した作品だった 実写で描く“本物”の多人種社会|Real Sound|リアルサウンド 映画部
黒丸原作の漫画とドラマの比較を中心にした原稿です。漫画のエッセンスを引き継いで忠実に映像作品にしていますが、実写にしたことで説得力が増した作品だと思います。
また原作では決着のつかない「ボランティア」との戦いがドラマでどうなるのか、気になりますね。個人的には何らかの決着を描いても良いのでは、と思っています。
本作は多人種社会となっている東京、また、そうなる必要がある日本社会について鋭い洞察と、重要なポイントをたくさん含んだ作品です。漫画もドラマも是非ご覧いただきたい作品です。
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原作と比較
実写化の意義も書くか
Point3つ
ボランティアとの決着はつくのか
実写化によって、増すリアリティ、今ここ、東京の現実であるという説得力が増した
Intro
東京サラダボウルは、東京の今のリアルを反映した作品としてとても良い作品。
外国人を見ない日はない。東京においては。すでに多くの人種が共生している現実がある。
その現実をテレビドラマでここまで反映させた作品は貴重
Body1実写化の良さ
漫画の実写化は色々言われがちだが、本作は実写化の良さが活きてる
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本物の外国人キャストを起用している点、
今この東京でたくさん街中で見かける人々の生活の中に入り込んだような感覚を与えてくれて、現実に対する解像度を上げてくれる。
これは絵の表現である漫画やアニメよりも実写に強みがある。
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実写の優位性は、とにかく本物を写せるという点。本作はその優位性を活かしている。
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本物のロケ地が出てくる点も説得力を高めている。
歌舞伎町や新大久保など、外国人と実際に共生している街で展開する物語である、その実際の風景が作品に確かなリアリティを与えている。
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漫画以上にテーマへの説得力がある
Body2 ボランティアとの戦いはどうなる?
本作の物語の大きな柱は、ボランティアと呼ばれる人物の暗躍だ
その暗躍の内容、作中から。
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原作ではこれに決着がつかない
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アリキーノの心の解放と鴻田の出世で幕を閉じる
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TVシリーズは原作よりもボランティアの存在感が大きいものになっている。
阿川に脅しをかけるシーン(8話)など、重要と思われるシーンが追加されている。
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ボランティアとの決着がつくのか、気になるところだ。
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国際犯罪の解決は実際に非常に難しいので、決着がつかないのはある意味でリアルだ
しかし、鴻田の「後には引けない」という決意と覚悟があどうなるのか結末としては気になる。
Body3 外国人との共生のリアル
外国人との共生は、日本社会にとって重要なテーマ。
すでにこの国は彼ら・彼女らの力を必要としている。
井村弁護士の話が印象的。彼らは必要以上にしっかりしようとしている。悪く思われたくないから。
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イメージで語られがちな外国人の存在について、奥行きとリアリティを与えて、生活をイメージしやすくする内容になっていた。実写化によってその美点を強化している。
重要な感性をもたらしてくれる作品。
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メモ終わり。
2025年に必要なドラマだったと思っています。人口減少は止まりそうになく、僕らは外国出身の方たちと共存する必要があります。そして、それは結構楽しいことではないか、いろんな問題も起きるけど、いろんな食事が楽しめていろんな文化に触れられて視野が広くなっていく、そんな楽しみがあることも伝えている作品だと思います。