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Canal+、今後3年間で5億300万ドルを仏・欧州映画に投資


フランスの大手有料テレビ局Canal+ Groupは、今後3年間でフランスおよびヨーロッパの映画に少なくとも4億8000万ユーロ(5億300万ドル)を投資する契約を締結した。

この契約は、Canal+が劇場公開後6カ月間、映画へのアクセスを維持することを認める内容と同時に結ばれた。合意に至るまでには、BLIC、BLOC、ARPを含む地元ギルドとの数カ月に及ぶ交渉が行われた。なお、前回の合意では、Canal+は2022年から2024年までの3年間で6億ユーロ(6億3000万ドル)を投資していた。

交渉は一時、決裂寸前にまで至った。その背景には、ディズニー+が労働組合と協定を結び、年間4000万ユーロ(4200万ドル)を投資することで、映画へのアクセス期間を従来の17カ月から9カ月に短縮したことがある。これに対し、Canal+のマキシム・サーダCEOは、上院で「放映スケジュールを大幅に短縮しなければ、Canal+の投資を半減せざるを得ない」と警告していた。

本契約の発表により、フランスの映画業界では安堵の声が広がっている。Canal+の投資を前提に進められていた複数のプロジェクトが、ようやく前進する見通しとなったためである。

フランスの有料テレビ業界において、Canal+は伝統的に国内映画の最大の資金提供者であり、厳格な放映スケジュールの中で優先的な立場にある。このスケジュールは、無料放送局からグローバルストリーミングサービスまで、各プレイヤーの地元映画への投資レベルに基づき権利の順番を決定する仕組みとなっている。この制度は、2024年にヨーロッパで最も健全と評価されたフランスの劇場ビジネスを支え、国内制作の活性化にも寄与している。

本契約は2025年1月1日に遡って発効し、2027年12月31日まで有効である。契約の更新も可能であり、Canal+は2025年に1億5000万ユーロ、2026年に1億6000万ユーロ、2027年に1億7000万ユーロを仏・欧州映画に投資することを約束した。さらに、予算400万ユーロ以下の映画も継続的に支援していく方針を示している。

なお、ディズニー+は劇場公開後9カ月で映画にアクセスできるのに対し、Netflixは15カ月の待機期間が必要となる。これは、Netflixの劇場公開映画への投資割合がディズニー+よりも低いためである。Netflixのフランスにおけるコンテンツ投資(推定2億ドル)の大半は、TVシリーズやドキュメンタリー、ストレート配信の映画などに充てられている。

ソース:Canal+ Signs Deal With Guilds to Invest $503 million in French Films