伝説の女優・原節子の没後10年を記念し、神保町シアターにて特集上映「没後10年 原節子をめぐる16人の映画監督」が開催される。会期は2025年3月8日から4月4日まで。原が出演した16作品を、すべて異なる監督のもとで撮影されたというユニークな視点から振り返る。
原節子は、小津安二郎監督作品におけるミューズとして世界中の映画ファンから今もなお愛され続ける女優である。しかし、そのキャリアは決して小津作品にとどまらず、重厚な文芸作品から洒脱なコメディまで、幅広いジャンルで多彩な役柄を演じてきた。今回の特集では、小津、黒澤明、成瀬巳喜男、今井正、木下惠介といった名監督に加え、伊丹万作や川島雄三など個性派の監督作品も上映される。
上映作品には、戦前の名作『河内山宗俊』(1936年、山中貞雄監督)、戦後日本映画の代表作『青い山脈』(1949年、今井正監督)、小津作品の代表作『麥秋』(1951年)、ドストエフスキー原作を映画化した黒澤明監督の『白痴』(1951年)、川端康成の小説を映画化した成瀬巳喜男監督の『山の音』(1954年)などが含まれる。
神保町シアターではこれまでにも二度にわたり原節子の特集上映を実施してきたが、今回は異なる監督の作品を集めることで、彼女がいかに多様な役柄を演じ、幅広い演技を披露していたかを改めて確認する機会となる。
上映はフィルムで行われ、往年の名作をスクリーンで楽しめる貴重な機会となる。
【特集上映概要】
特集上映:「没後10年 原節子をめぐる16人の映画監督」
会期: 2025年3月8日(土)~4月4日(金)
会場: 神保町シアター(東京都千代田区神田神保町1-23)
料金: 一般1400円、シニア1200円、学生1000円
※3月18日(火)は休館
【主な上映作品】
河内山宗俊
1936(昭和11)年
監督=山中貞雄
共演=河原崎長十郎、中村翫右衛門、市川扇升
青い山脈
1949(昭和24)年
監督=今井正/原作=石坂洋次郎
共演=木暮実千代、池部良、杉葉子
お嬢さん乾杯
1949(昭和24)年
監督=木下惠介
共演=佐野周二、東山千栄子、佐田啓二
麥秋
1951(昭和26)年
監督=小津安二郎
共演=淡島千景、笠智衆、佐野周二
白痴
1951(昭和26)年
監督=黒澤明/原作=ドストエフスキー
共演=森雅之、三船敏郎、久我美子
山の音
1954(昭和29)年
監督=成瀬巳喜男/原作=川端康成
共演=山村聰、上原謙、長岡輝子
女であること
1958(昭和33)年
監督=川島雄三/原作=川端康成
共演=森雅之、久我美子、香川京子
その他の上映作品は公式サイトで確認できる。
神保町シアター