映像作家の鈴木光、ポレポレ東中野の石川翔平、写真家・映像作家の西澤諭志が手掛ける映画上映シリーズ「Experimental Film Culture in Japan(EFCJ)」の第6回目が、2025年3月20日から22日までの3日間、東中野のSpace&Cafeポレポレ坐で開催される。本イベントでは、世界中の境界線上にある映画を厳選し、独自の視点で上映する。
MoMA収蔵の名作や日本初特集となるプログラムも
今回のVol.6では、ニューヨーク近代美術館(MoMA)に収蔵されている振付家・映画監督イヴォンヌ・レイナーの1990年作品『特権』のデジタルリマスター版が上映される。本作は、ダンサーでもあるレイナー自身が出演し、中年女性の更年期をテーマにした意欲作だ。また、2021年のベルリン映画祭で上映されたインド人映画作家ナイーム・モハイエメンの『JOLE DOBE NA』も日本で再上映される。本作は、失われた魂を廃墟で探す2人の登場人物を描いた異色のインド映画で、横浜トリエンナーレでの上映以来の再登場となる。
さらに、前田真二郎による『BETWEEN YESTERDAY AND TOMORROW』(BYT)の特別上映が行われる。これまで複数の作家が参加するプロジェクトとして展開されてきたが、今回は前田の単独作品として、日記映画・方法映画の集大成としてのBYTが披露される。
多彩なプログラムとアフタートークも
竹内均、玄宇民、伊阪柊によるエッセイフィルム特集では、2022年にトーキョーアーツアンドスペースで公開された「Excitation of Narratives(EoN)『話法の生成―Essay Filmの立地―』」のアップデート版が上映される。これに加えて、作家によるレクチャーも実施予定だ。
また、ドキュメンタリーの概念を問い直す池田泰教の特集上映が行われ、東京では初のまとまったプログラムとなる。さらに、持田睦が主宰する劇団PuPの映像作品『sed bedaŭrindege ni ne povis savi iliajn vivojn(だが極めて残念なことに我らは彼らの命を救うことができなかった)』も上映される。これは、戦前に獄死したアナキストたちの死地を俳優とともに訪れ、彼らの生涯を綴ったエスペラント語のテキストを朗読する作品で、風景に新たな視点をもたらす。
また、鈴木光、石川翔平、西澤諭志の3名が手掛ける新作のラフカット上映も予定されている。
イベント詳細
開催日:2025年3月20日(木・祝)~22日(土)
会場:Space&Cafeポレポレ坐(東京都東中野)
料金:1回券 1,500円、3回券 3,600円、フリーパス 5,000円(リーフレット付き)
チケット予約はプログラム名、名前、人数、電話番号を明記の上、info@efcjp.infoまでメールにて受付。フリーパスや3回券の購入希望者はその旨を記載すること。チケット精算は当日現金のみ。
プログラムの詳細は公式サイトで確認できる。
EFCJ公式サイト:Experimental Film Culture in Japan