イタリアのリッチョーネおよびリミニで、国際的なテレビシリーズを称える新たな祭典「イタリアン・グローバル・シリーズ・フェスティバル(IGSF)」が、6月21日から28日まで開催されることが発表されたとdeadlineが報じている。本日ローマで行われた記者会見で、芸術監督のマルコ・スパニョーリ氏が詳細を明らかにした。
IGSFは、2016年に終了した「ローマ・フィクション・フェスティバル」の後継と位置付けられており、イタリア共和国大統領の高い後援(High Patronage)を受けることが決定している。
本フェスティバルの審査員には、カンヌ国際映画祭で2度のパルム・ドールを受賞したビレ・アウグスト監督をはじめ、映画監督・脚本家のクリスティーナ・コメンチーニ氏(『愛の勝利』、『夜の静寂に』)、そして数々の賞を受賞した監督・脚本家のパオロ・ジェノヴェーゼ氏(『おとなの事情』)が名を連ねる。彼らは、ドラマ、コメディ、リミテッドシリーズ、テレビ映画の各カテゴリーで上映されるイタリアおよび国際作品を審査し、最優秀シリーズ賞、主演俳優賞(男女)、最優秀クリエイター/監督賞を決定する。また、新たに設立された「マキシモ・アワード」では、2024年6月1日から2025年5月31日までの間にイタリア国内で配信された作品の中から「イタリアン・フィクション賞」も授与される。さらに、イタリア全国映画ジャーナリスト連盟は、フェスティバル内の主要な国際共同制作作品に対し、特別賞「ナストロ・ダルジェント」を授与する。
IGSFの「マキシモ・エクセレンス・アワード」の初回受賞者には、『LOST』で知られるエヴァンジェリン・リリー、『ブリジャートン家』のアジョア・アンドー、そしてイタリアの大女優エレナ・ソフィア・リッチが選ばれた。また、『Vita da Carlo』で長年にわたりコメディ界を牽引してきたカルロ・ヴェルドーネや、電子音楽の先駆者であるジョルジオ・モロダーも受賞者に名を連ねる。
フェスティバルでは、イタリアおよび国際的な映画・ドラマ関係者による基調講演やマスタークラスが開催されるほか、新作シリーズのファーストルック上映も行われる予定だ。ダヴィッド・ディ・ドナテッロ賞の会長ピエラ・デタッシス氏や、全国映画ジャーナリスト連盟の会長ラウラ・デッリ・コッリ氏が、ゲストとの対談を進行する。
スパニョーリ氏は、本フェスティバルの使命について「イタリアの作品を多様な国際的コンテキストで広めること」と「現在のスターシステムを保護し、未来のスターを生み出すこと」だと述べた。また、文化省およびオーディオビジュアル製作者協会に対し、「ローマ・フィクション・フェスの『再生』を実現する機会を与えられたことに感謝する」と語った。さらに、「IGSFは、物語、才能、映像制作が織りなすイタリアの卓越性を象徴する祭典として、国内外の業界の重要な拠点となることを目指している」と意気込みを語った。
近年、テレビ市場は急速に拡大・変化しており、年間を通じたビジネスへと進化している。2023年にはドイツで「Seriesly Berlin」が立ち上がり、長年にわたり開催されてきた「MIP TV」はロンドンへ移転、「London TV Screenings」もさらなる発展を遂げた。こうした流れの中、IGSFはイタリアにおける国際的なテレビシリーズの新たな拠点として期待されている。