フランス国立映画センター(CNC)が今月発表したジェンダー平等に関する報告書によると、2024年にフランスで公開された映画のうち、女性監督による作品の割合は24.2%にとどまったとScreen Daliyが報じた。2023年の25%から微減となった。
この報告書は、2024年のセザール賞において、最優秀作品賞および最優秀監督賞に女性監督のノミネートが一人もいなかったことを受けて発表された。ただし、ルイーズ・クルヴォワジェ監督の『Holy Cow』が最優秀デビュー作品賞を受賞し、アガト・リダンジェ監督の『Wild Diamond』も同部門でノミネートされるなど、女性監督の活躍も見られた。
CNCの報告書によれば、2024年に女性監督が手がけた映画の予算は、男性監督の作品と比較して39%低かった。これは2023年の25%からさらに悪化した数値であり、女性監督の作品の平均予算は2023年の390万ユーロから350万ユーロに減少した。
ジャンル別に見ると、女性監督または共同監督による劇映画は全体の25.6%(46本)、ドキュメンタリーは35.7%(15本)だった。一方、2024年にCNCが承認したアニメーション映画9本のうち、女性が監督を務めたのは1本のみだった。デビュー作に限ると、女性監督または共同監督の割合は2023年の34%から31.4%に低下した。
一方、劇場公開作品における女性監督の割合は、2023年の29%から2024年は29.6%に上昇した。また、共同監督としての女性の割合も2%から2.6%に微増した。
また、報告書では2023年の映画制作における職種別の女性の割合についても分析している。メイク(88.7%)、衣装(87.1%)、ヘアスタイリング(69.3%)といった分野では女性が圧倒的多数を占める一方で、美術セット制作(19.4%)、音響ミキシング(9.3%)、カメラオペレーター(9.2%)などの技術職では依然として少数派にとどまっている。
さらに、2023年の映画業界における給与格差も明らかになった。ほぼすべての職種で女性の給与は男性を下回っており、例外はスタントウーマンのみで、彼女たちの給与は男性より10%高かった。