フジテレビが運営する動画配信サービスFODで本日正午より全話一挙配信されたドラマ『HEART ATTACK』の完成披露試写会が、3月19日、TOHOシネマズ六本木ヒルズにて開催された。

本作は近未来の日本を舞台に、超常的な能力を持つがゆえに迫害されるヴァリアントたちが、抑圧や権力に抗いながら運命的な愛に翻弄される物語だ。ヴァリアントたちは“奈落”と呼ばれる集落に隔離され、VCU(ヴァリアント犯罪課)に監視されている。主人公・ウミン(21歳)はヴァリアントでありながらVCUのスパイとして活動し、一方でエマ(23歳)はインフルエンサーユニット“L”のメンバーとしてヴァリアントの自由と権利を訴える動画を発信している。そんな二人が偶然出会い、手が触れた瞬間に何かが起こる。
本作は、フジテレビとアメリカのエンターテインメント企業スカイバウンドの共同制作によるドラマで、原作はショーン・キッテルセンとエリック・ザヴァツキによるグラフィックノベル『HEART ATTACK』。スカイバウンドは世界的にヒットするコンテンツを多数生み出し、ドラマ、ゲーム、映画など幅広い分野での展開を手掛けている。
試写会には、主演の寛一郎、三浦透子をはじめ、キャストのSAKURA、めがね、阿部久令亜、監督の丸山健志、原作者のショーン・キッテルセン、そして主題歌を担当する冨岡愛が登壇し、作品の見どころや撮影秘話を語った。

寛一郎は「キャスト一人ひとりが異なるバリエーションを持っており、それぞれの背景や能力がどのように物語に絡んでいくのかを楽しんでほしい」と語る。三浦透子は「ヴァリアントたちの世界観を表現するため、食事やダンスなど、細かい部分までこだわり抜いた」と話し、作品のディテールへのこだわりを強調した。
監督の丸山健志は「原作はアメリカが舞台だが、日本に置き換えることで新たな挑戦が生まれた。隔離された奈落での暮らしがリアルに伝わるよう、細部まで練り上げた」と語る。
撮影現場の雰囲気について、寛一郎は「インフルエンサーユニット“L”のメンバーであるめがねが常に話し続けていた」と笑いながら振り返る。めがねは「作品のテーマが重いため、共演者同士の結束を深めるためにもたくさん話すことを意識した」と撮影中のエピソードを語った。
また、阿部久令亜が「寛一郎さんのように背が高くなるには?」と尋ねると、寛一郎は「とにかく寝ること」と即答。さらに、「個人的に欲しい能力」についての話題では、寛一郎が「1分で本の内容を記憶できる能力」、三浦透子が「記憶を消してもう一度新鮮な気持ちで映画や本を楽しむ能力」、SAKURAとめがねが「物を動かす能力」など、それぞれの個性が光る回答が飛び出した。
原作者のショーン・キッテルセンは、「私の世界観をこうして実写化してもらえたことを誇りに思う」と語り、「スーパーヒーローものを多く手掛けてきたが、今回は戦いではなく、愛や人間関係を描く作品にしたかった」と創作の背景を明かした。
また、物語をどう構築していくのかという質問に対し、「私はエンディングから考えて物語を作る」と語り、結末を決めてから逆算してストーリーを展開していく手法を明かした。
本作の主題歌は、冨岡愛がカバーする「強く儚い者たち」。試写会では冨岡が歌唱し、ドラマの世界観に寄り添ったパフォーマンスを披露した。「この作品は人間の強さや弱さを繊細に描いている。それを歌を通して表現できればと思った」とコメントした。
なお、本試写会の模様は後日FODにて無料配信予定だ。