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クジャクのダンス第9話ネタバレ感想:ついに真犯人判明!?心麦の母、春生殺害の謎…最終章へ加速する衝撃の展開を徹底解説


TBSの金曜ドラマ『クジャクのダンス、誰が見た?』第9話「最終章!真犯人の告白ー時を超えた罪の真実」は、衝撃の事実のつるべ打ちのエピソードとなった。ある意味では真犯人は判明したが、ある意味判明していない。同時に心麦(広瀬すず)の信じる強さと覚悟、成長がはっきりと感じられるエピソードであり、父と子の物語として展開してきた本作に「母と子」の要素が加わった瞬間も描かれた。

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今エピソードの中心となるのは前回、「黒幕」と判明した鳴川徹(間宮啓行)だ。彼が阿南由紀(瀧内公美)の父親であることが判明し、さらに過去に冤罪事件に関わっていたことも明らかとなる。死刑囚・遠藤力郎(酒向芳)がかつて鳴川によって追い詰められた事実は、彼の信念がいかに歪んでいたかを象徴するシーンだ。しかし、鳴川が「お前(阿南)に父親らしい背中を見せたかった」と語る場面には、単なる冷酷な人間ではなく、一人の父親としての葛藤がにじみ出る。この人物像の複雑さが本作の魅力の一つだ。

鳴川は自分が道を踏み外したことを悟るようになる、そして、自分と同じ道を娘の阿南に進ませたくないと自らが犯した罪を反芻する。

さらに、事件の鍵を握る廣島育美が登場するが、彼女は脳梗塞の後遺症により意思疎通が難しい状態にある。しかし、彼女が心麦(広瀬すず)に向かって「おかちゃん、歌ちゃんは元気?」と発した言葉は、過去の事件と心麦自身のルーツに新たな謎を投げかける。この何気ない一言が、何を意味するのか。そして、これが新たな衝撃の事実へとつながる一言であることが後に判明する。

神井(磯村勇斗)は松風(松山ケンイチ)に接触し、心麦たちと手を組むことになる。そして遠藤力郎の重要な手紙を見せる。そもそも、神井は遠藤友哉と幼馴染で力郎のことも知っていたのだ。力郎の手紙には、東賀山事件の当日、盗みに入った力郎は、赤ん坊を抱いた「奥さん」ではない人物を見たと書かれていた。そして、赤ん坊は一階にいたという力郎だが、発見されたのは二階、奇妙な食い違いがある。そして、「奥さん」ではない人物は誰なのか、神井はそれが「おかちゃん」なのではないかと言う。

そして「おかちゃん」の手がかりを神井は入手していた。とある冊子に廣島育美と京子(西田尚美)が掲載されているのだ。京子は廣島と旧知の間柄だった。もし、京子の旧姓に「おか」が入っていたら、彼女こそが本当の心麦(歌)の母親という可能性が浮上する。心麦は、赤沢夫婦の息子・守(野村康太)電話して京子の旧姓が「吉岡」であることを確認。「おか」が入っているとい残酷な事実を突きつけられる。

京子がこれまで心麦に示していた優しさは、母としての愛情だったのか、それとも自身の秘密を隠すためだったのか。その疑問が物語の緊張感を一層高める。京子が前回、心麦に言った「林川歌だったことはわすれて幸せになって」という言葉の意味も、全て変わってきてしまう。

そして、鳴川がついに自首する。彼は染田や阿波山夫妻の殺害を認めたが、春生(リリー・フランキー)については「自分ではない」と供述する。つまり、春生殺害の真犯人はまだ別にいるということになる。物語はここでさらなるどんでん返しを予感させる。

クライマックスへと向かう最終場面では、京子が封鎖された林川家にいることが判明し、そこには赤沢正(藤本隆宏)の遺体が横たわり、刃物を持った京子が傍らにいるという衝撃のシーンでこのエピソードは幕を下ろす。

この第9話は、複雑に絡み合った人間関係と真実の解明に向けた伏線が一気に回収される重要なエピソードであった。誰が嘘をついているのか、何が真実なのか——視聴者にその判断を委ねる作りが本作の魅力を際立たせている。そして、最後まで信じるべきものは何なのか、心麦と神井の対比がそれを象徴するように描かれていた。次回、すべての謎が解き明かされるのか、目が離せない展開が待ち受けている。

この作品はミステリーだ。だから、誰かが嘘をついていたり、本当のことを隠していたりする。視聴者も疑いの目を持って物語を見ることになる。そんな中で主人公の心麦は人を信じることをやめない。神井が「なんで簡単に人のことを信じるのか」と心麦に問うシーンは、このドラマの象徴的なシーンだと思う。

そう、このミステリーが示すように人の本当の気持ちはわからないから信用なんてできない。だからこそ、根拠なく信用できる人は本当の意味で強さを持っている。この強さを一貫して見せ続けるのが主人公の心麦であり、力郎の手紙を信じている神井だ。あなたを許すつもりはないと神井に言い放る心麦だが、神井に自分と同じ強さを発見するのが印象的だ。だれも信用できない展開のミステリーだから、逆説的に人を信じることの力強さを描くことに成功している。とても巧みな作劇だ。

そして、ここまで、春生と心麦、久世(篠井英介)と松風、遠藤親子、そして阿南と鳴川という「父と子」の物語として紡がれてきたこのドラマは、ここにきて京子と心麦という「母と子」のドラマの要素が加わってきた。これが最終話でどう決着するのか、見届けたい。

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登場人物
山下心麦(広瀬すず)
松風義輝(松山ケンイチ)
波佐見幸信(森崎ウィン)
阿南由紀(瀧内公美)
秋貞隆雄(絃瀬聡一)
赤沢守(野村康太)
ありさ(清乃あさ姫)
西陣誠 (斉藤優)
染田進(酒井敏也)
遠藤友哉 (成田凌)
遠藤力郎(酒向芳)
赤沢 正(藤本隆宏)
赤沢京子(西田尚美)
山下静香(仙道敦子)
木村夏美(原日出子)
山下春生(リリー・フランキー)
神井孝(磯村勇斗)
三木田辰雄(石丸謙二郎)
久世正勝(篠井英介)
鳴川 徹(間宮啓行)
山下静香(仙道敦子)
松風美希(宮崎美子)
阿波山京一郎(井上肇)
高畑まのか(大島 蓉子)