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意外と欧州市場で存在感があるRakuten TV、ポーランドのPilot WPと提携し映画配信開始:事業拡大へ


日本の楽天が提供するオンデマンド映像サービス「Rakuten TV」は実はヨーロッパで割と大きく展開しており、40以上の国でサービス提供している。今後はポーランドのストリーミングプラットフォームPilot WPと提携し、オンライン映画のサービスを開始したことをdeadlineが報じている。

Rakuten TVは、ポーランドのストリーミングプラットフォームPilot WPと提携し、ハリウッド映画や地元の人気作品を取り扱うオンライン映画ストアを開設する。新たなトランザクショナルVOD(TVOD)サービスは、両ブランドの共同展開となり、Pilot WPのユーザーが利用可能となる。

Pilot WPは、ポーランドのメディア企業Wirtualna Polska傘下のAudiotekaが運営するストリーミングサービスである。同社のコンテンツ担当副社長であるヤグナ・ヴィシニェフスカ氏は「Rakuten TVとの提携により、Pilot WPは最高の映画作品へのアクセスを提供する新たなフェーズへと進む。劇場公開作品からカルト的名作まで幅広く取り揃える」とコメントしている。

Rakuten TVの成長戦略

Rakuten TVは、当初TVODからスタートし、現在は広告付きVOD(AVOD)や無料広告付きストリーミング(FAST)チャンネルへと事業を拡大している。コンテンツの購入や編成を統括するマルコス・ミラネス最高コンテンツ責任者(CCO)は、同プラットフォームの戦略について「Rakuten TVの強みは、広告付き無料視聴、レンタル、購入、リニア視聴のすべてを提供することにある」と説明する。

「これを『ストリーミングの自由』と呼んでいる。我々は、地域ごとのニーズに合わせた質の高いコンテンツを提供し、ユーザーが購入、レンタル、無料広告付き視聴、オンデマンド、またはリニア放送を選択できるようにしている」とミラネス氏は語る。

また、Rakuten TVは、直接消費者向けにサービスを展開するだけでなく、コネクテッドTVのエコシステムの一部としても機能している。加えて、「Enterprise Services」と呼ばれる新たな事業を展開し、広告販売を含むストリーミングのノウハウを活用して、他社向けのストリーミングサービスの立ち上げを支援する。

「TVODは安定したビジネスだが、AVODやFASTはB2C市場での成長分野である。さらに、我々はB2B市場にも進出し、コンテンツパートナー向けのホワイトラベルサービスを提供している」とミラネス氏は述べる。

FAST市場の成長と課題

近年、FAST(無料広告付きストリーミングテレビ)市場は急成長を遂げており、Rakuten TVも2019年の最初のチャンネル開設以来、この動きの一翼を担ってきた。しかし、市場が拡大する中、プラットフォームはチャンネル数の増加よりも、質や発見しやすさを重視する方向へシフトしている。

「かつてはゴールドラッシュのようだったが、我々は他の競合プラットフォームよりも慎重に進めてきた。現在、Rakuten TVのFASTチャンネルは約100にとどめているが、競合他社の中には150~200チャンネルを展開しているところもある」とミラネス氏は説明する。

また、FAST市場の傾向として、各国ごとに最適化されたチャンネルやコンテンツが求められるようになっている。「現在、当社のラインナップの大半は、競合他社を含めてもローカライズされたチャンネルとなっている」とミラネス氏は指摘する。

米国のFAST市場は成熟期に入ったとされるが、欧州を含む国際市場は今後も成長が見込まれる。「欧州のCTV(コネクテッドTV)市場の広告収益は、今後さらに拡大するだろう」とミラネス氏は展望を語った。

Rakuten TVは、ポーランド市場への本格参入を通じて、欧州での存在感を一層強めることとなる。

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