ショートドラマアプリ「BUMP」を開発・運営するemole株式会社は、2022年12月末のサービス開始から約2年間で、コンテンツプロバイダーやクリエイターへの還元額が累計1億円を突破したことを発表した。
「BUMP」は、1話1分~3分の短尺ドラマを提供するアプリであり、ダウンロード数は190万回を超える。テレビ局、出版社、タレント事務所、スタートアップ企業など、多様な組織や個人が作品を制作・配信し、その収益が監督や脚本家、出演者など作品づくりに関わるクリエイターへと分配される独自の経済圏を形成している。
還元額1億円突破の背景
還元額が短期間で急速に増加した要因として、以下の3点が挙げられる。
- 「BUMP」自体の成長これまでに70作品以上が配信され、ダウンロード数も増加。視聴者の支持を集めながら、コンテンツ市場の拡大を続けている。
- 高い投資効率と迅速な制作サイクル課金型ショートドラマは1作品30話程度で構成され、映画やアニメに比べて初期投資を低く抑えられる。また、企画から配信までの期間が短く、新作を次々とリリースできる特性がある。
- IP展開とメディアミックス効果ショートドラマを原作とした電子コミック化の事例も生まれ、既存の漫画やWebtoon、小説を映像化するケースも増加。クロスメディア展開により視聴者層が広がっている。
「BUMP」では、作品の収益をクリエイターへ自動的に分配するシステムの試験運用も開始した。これにより、従来の煩雑な契約手続きを簡素化し、クリエイターが持続的に活動できる環境を整備する狙いがある。また、作品毎の詳細な視聴データをコンテンツプロバイダーに提供し、経済的・一時的な還元のみに留まらず、クリエイターがフェアに継続的に競争できる環境も構築していくとしている。
業界関係者からの評価
この収益還元モデルに対し、制作会社からも肯定的な声が上がっているという。株式会社PHIERの代表取締役・久松大地氏は「BUMPの収益還元の仕組みは制作側にとって大きな励みになる」とコメント。株式会社Mintoの取締役・中川元太氏も「日本のショートドラマ業界の発展に貢献する仕組み」と評価している。
今後の展望
emoleの代表取締役・澤村直道氏は、「BUMPの立ち上げ以来、クリエイターが挑戦できる場を提供し、収益還元の仕組みを整備してきた。今後もより公平なシステムを構築し、ショートドラマ市場の成長を牽引していく」と語る。
「BUMP」は、今後も新たなクリエイターの参入を促し、短尺ドラマ市場の活性化を目指していく考えだ。