障がい福祉とクリエイティブを融合させた就労継続支援B型事業所「Shake Hands」（運営：合同会社ふくろう）が、新たに東京都杉並区高円寺で施設外就労を開始する。同事業所は、商業アニメ制作を一貫して行う日本初の福祉事業所として、関西を拠点に先駆的な取り組みを進めてきた。今回、関西で培ったアニメ・映像制作の技術と支援ノウハウを活かし、関東でも精神障害や発達障害を持つ人々に向けた就労環境を提供する。
高円寺は、アニメやサブカルチャー文化が根付いた地域であり、クリエイター志向の利用者にとって刺激的で実践的な学びの場となることが期待される。
本施設外就労の大きな特徴として、全国初となる商業アニメの制作現場に実際に関わる実践型の支援が挙げられる。作画、動画、編集、デザイン、3DCGなど、多岐にわたる業務が可能であり、そのレベルは社外取引に匹敵するという。利用者の障害特性に合わせた「得意」を活かす個別支援と、チームでの制作体制を組み合わせることで、効率的かつ質の高い制作を目指す。
また、成果に応じたインセンティブ制度を導入しており、高額な工賃（10万円以上も可能）を得ることも可能だ。単なる就労訓練の場ではなく、自己表現の場としても機能する環境づくりも重視している。その証拠に、同事業所は就労支援施設でありながら、一般のCMコンテストで受賞経験を持つという実績も有している。
「Shake Hands」は、障がいの有無に関わらず「好きなことで働ける」社会の実現を目指している。今後も地域や企業との連携を強化し、全国展開を視野に入れながら活動を進めていくとしている。
