ゲーム音楽の魅力を深掘りする一冊『別冊ele-king ゲーム音楽の最前線』が3月28日に発売される。最新のトレンドから歴史的名作まで、多角的な視点で、ゲーム音楽の現在地を明らかにする内容だ。
『SILENT HILL 2』リメイク版の魅力に迫る
巻頭特集は、リメイクが発表され話題となっているホラーゲームの金字塔『SILENT HILL 2』だ。岡本基、伊藤暢達、そして作曲家・山岡晃による座談会では、リメイク版の制作背景や新たな解釈を促す設定について語られる。また、福山幸司によるコラムでは、映画や文学、インディーゲームとの関係性を紐解きながら、本作の革新性に迫る。さらに、作曲を手がける山岡晃のインタビューでは、音楽の持つ「ノイズ」とは何か、その哲学に迫る。
ゲーム音楽配信サービスの最前線を徹底比較
ゲーム音楽は、いまやサブスクリプション・サービスを通じて手軽に楽しめる時代となった。本書では、Nintendo Musicをはじめ、Spotify、Apple Music、YouTube、Bandcamp、SoundCloud、さらにはSteamやitch.ioといったゲーム販売プラットフォームまで、多岐にわたる配信サービスの特徴を比較・分析する。
2024年のゲーム音楽ベスト100を紹介
2024年にリリースされたゲーム音楽の中から、必聴の100タイトルを厳選。加えて、ゲーム原作のメディアミックス作品に関連するディスクガイドも掲載し、ゲーム音楽の広がりを紹介する。
作曲家インタビュー&業界の最新動向
『MOTHER』シリーズの楽曲や「めざせポケモンマスター」を手がけたたなかひろかず、『天穂のサクナヒメ』の音楽を担当した大嶋啓之といった作曲家のロングインタビューを掲載。彼らの作曲哲学やキャリアの軌跡を詳しく紹介する。また、中国のゲーム音楽事情について、カスタリアオーディオのショーン・チュウ氏に話を聞き、同国のゲーム音楽市場の現在と未来を探る。
注目のゲーム音楽レーベルをピックアップ
本書では、ゲーム音楽を支えるレーベルにも焦点を当てる。SweepRecord、USM邦楽、ウェーブマスター、CASSETRON、クラリスディスク、iam8bit japan & asia、P-VINEといったレーベルの活動を紹介し、それぞれの特徴を解説する。
本書の監修を務めるのは、ゲーム音楽史研究家であり、チップ音楽研究の第一人者である田中 “hally” 治久。昨年刊行された『ゲーム音楽はどこから来たのか──ゲームサウンドの歴史と構造』をはじめ、多くの著作を手がけるほか、ゲームサウンド制作やDJ・ライブ活動にも携わる。彼の視点を通して、ゲーム音楽の奥深さに迫る内容となっている。