広田智大監督の長編映画『朝の火』が、4月26日(土)よりシアター・イメージフォーラムにて3週間限定で公開されることが決定した。
本作は、ゴミ処理施設で働く二人の男を中心に、人々の孤独と狂気が交錯する物語だ。ラジオから新元号を告げる官房長官の声が流れる中、次郎は日課として穴を掘り、宝探しをする。そんな彼を眺めるだけの祐一。ある日、二人は年老いた母と娘・ユキコが住む団地を訪れ、粗大ゴミの回収を行う。孤独を抱えた者たちの出会いが、やがてそれぞれの内に秘めた狂気を共鳴させていく。
広田監督は、多摩美術大学在学中に青山真治監督に師事し、短編映画『残光』(2014)がイメージフォーラム・フェスティバル2014のジャパン・トゥモロー部門に選出されるなど、早くから注目を集めてきた。続く『ひこうせんより』(2015)では、第4回なら国際映画祭のNARA-WAVE部門にも選出。初の長編映画となる本作は、2019年3月の撮影開始から5年の歳月をかけて完成した。平成から令和への移り変わりの中で、社会から孤立する人々の姿を鮮烈に描き出している。
キャストには、ユキコ役に『王国(あるいはその家について)』(2018)や舞台「城山羊の会」などで知られる笠島智を迎え、祐一役に山本圭将、次郎役に福本剛士を起用。山本と福本は学生時代から広田監督作品に出演しており、本作でも重要な役割を担う。さらに、主題歌には寺尾紗穂の「柿の歌」が採用され、作品の世界観をより一層深めている。
公式サイト：『朝の火』オフィシャルサイト