2025年11月6日(木)から9日(日)にかけて、日本初となるろう文化総合芸術祭「手話のまち 東京国際ろう芸術祭2025」が開催される。主催は一般社団法人日本ろう芸術協会(代表理事:牧原依里)で、会場は東京都杉並区の「座・高円寺」。現在、各プログラムへの参加団体・個人の募集が行われている。

デフリンピック直前に開催、ろう文化の魅力を発信
本芸術祭は、同年11月15日から26日に東京で開催される「東京2025デフリンピック」の直前に実施される。デフリンピックは聴覚障害者のための国際的なスポーツ大会だが、ろう文化の理解と発展には芸術も重要な役割を果たす。
芸術祭では、ろう者たちがキュレーションした演劇・映画プログラムをはじめ、国内外のろう芸術を紹介する。手話とろう文化の魅力を広く発信し、多様な文化交流の場を創出することを目的としている。
「東京国際ろう映画祭」からの発展
本芸術祭は、2017年より隔年で開催されてきた「東京国際ろう映画祭」を前身とする。同映画祭は、日本初のろう者主体の映画祭として、国内外のろうや手話に関する作品を厳選し上映してきた。
今回、杉並区との共催により、映画に加え演劇やパフォーマンス、トークなど多様な表現を取り入れた総合芸術祭へと進化する。フランスで2003年から開催されている「クランドゥイユ(Clin d’Oeil)」のような世界的なろう者の芸術祭に触発され、日本におけるろう文化のさらなる発展と交流の拡大を目指す。
参加者募集中のプログラム
現在、以下のプログラムで参加者を募集している。
映画部門
映画に対する新しいアプローチを試みた作品を募集中。
公募期間:〜2025年6月30日(月)
登録料:無料
詳細・応募:https://shuwanomachi.filmtopics.jp/2025/02/23/opencall-film/
フリンジ部門
パフォーマンス、トーク、ワークショップ、レクチャーを行う個人・団体を募集。
公募期間:〜2025年3月31日(月)
採択予定数:4〜5団体程度
登録料:無料
詳細・応募:https://shuwanomachi.filmtopics.jp/2025/02/23/opencall-fringe/
阿波踊り部門
オープニングセレモニーで披露する「手話のまち連」阿波踊りの参加者を募集。
公募期間:【未経験者】〜2025年3月31日(月)【経験者】〜2025年6月30日(月)
詳細・応募:https://shuwanomachi.filmtopics.jp/2025/02/23/opencall-awaodori/
ロゴに込めた想い
本芸術祭のロゴは、手話で「手話のまち」を表す動きをもとにデザインされた。手話の視覚的な美しさやリズムを取り入れたデザインとなっており、ろう文化の多層的な魅力を象徴している。
「手話のまち 東京国際ろう芸術祭2025」では、ろう芸術の発展を支援する企業・団体・個人の協賛や寄付を募集している。
詳細:https://shuwanomachi.jp/support.html
2025年のデフリンピックイヤーに、ろう文化の魅力を国内外に発信する新たな試みとなる本芸術祭。多様な表現を通じて、社会全体の理解と交流を深める場となることが期待される。