Dolby Laboratories, Inc.(NYSE: DLB)とChristieは、新たなDolby Visionレーザープロジェクションシステムの開発に向けた協業を発表した。この次世代システムは、2025年5月より映画館への導入が開始される予定である。
Christie Digital Systems USA, Inc.は、日本のウシオ電機(JP: 6925)の完全子会社であり、世界的なビジュアルテクノロジー企業である。1929年以来、デジタルシネマプロジェクションの導入など、映画業界に革新をもたらしてきた。同社の技術とプロフェッショナルサービスは、映画館、大規模イベント、テーマパークなど、さまざまな分野で活用されている。最新のRGBピュアレーザープロジェクション、SDVoE技術、コンテンツ管理、映像処理、LEDディスプレイなど、多岐にわたるソリューションを提供している。
本システムは、従来の映画館における上映と比較して2倍以上の明るさを誇り、コントラスト比は100万対1を超える。これにより、最も明るい白、最も深い黒、そしてその間にある微細なディテールまでも鮮明に映し出すことが可能となるという。
また、新システムはRGBピュアレーザー光源を採用し、DolbyのWide Color Gamut 1.0を実現する。これは、Rec. 709の約2倍、DCI-P3対応プロジェクターの122%に相当する色域を誇り、より鮮やかでリアルな色彩表現を可能にする。
さらに、本システムは信頼性と効率性を大幅に向上させ、長期間にわたる安定したパフォーマンスと容易な運用を実現するとのこと。軽量化された設計と小型化されたシャーシにより、多様なプレミアムシアター環境への統合が容易となり、より多くの観客がDolby Visionの魅力を体験できるようになる。
Dolbyのシネマ事業および戦略計画担当シニアディレクター、パスカル・シジェン氏は「Christieは、Dolby Visionの体験をより多くの映画館へ届けるというDolbyの使命の中心的な存在である」と述べ、「業界をリードする映像性能を維持しながら、より効率的で導入しやすいプロジェクションソリューションを映画館運営者に提供できることを楽しみにしている」と語った。
Christieのアメリカ地域シネマ部門エグゼクティブディレクターであるドン・ショー博士も「Dolbyとの関係を継続できることを大変嬉しく思う」と述べ、「アカデミー科学技術賞を受賞したChristie E3LH Dolby Visionシネマプロジェクションシステムから、世界中のスクリーンで映画の素晴らしさを届けるまで、10年以上にわたる成功したパートナーシップをさらに発展させるものとなる」とコメントした。
ソース:Dolby and Christie to introduce new Dolby Vision laser projection system | Dolby Newsroom