アジア最大級の国際短編映画祭「ショートショート フィルムフェスティバル & アジア(SSFF & ASIA)2025」が、5月28日から6月11日まで東京都内の複数会場およびオンラインで開催されることが決定した。オンライン会場では4月24日から一部プログラムの先行配信が行われ、6月30日まで視聴可能となる。
今年の映画祭のテーマは「creative active generative」。創造性を発揮し(creative)、積極的に新たな出会いを生み出し(active)、生成AIを含む新技術と共に未来のクリエイティブを模索する(generative)というコンセプトのもと、短編映画の可能性を広げる場となる。
世界108の国と地域から4,592点の応募 AI作品も増加
今回の映画祭には、世界108の国と地域から4,592点の作品が集まった。応募作の傾向としては、家族の絆や世代間ギャップをテーマにした作品が多く見られたほか、国際部門ではイスラエルとパレスチナの紛争を描く作品が半数を占めるなど、現代社会を反映した作品が多かった。
また、Z世代のトランスユースの視点や、認知症をモチーフとしたストーリーなども目立ち、短編映画が持つ多様な表現の広がりを感じさせる。一方で、AIを活用した作品の応募は275点にのぼり、色調補正やボイスオーバー、グラフィック処理、脚本作成などにAI技術を用いた作品が増加している。全編AIで制作された作品は減少傾向にあるものの、AIが映画制作のツールとして定着しつつあることがうかがえる。
岩井俊二監督が審査員に就任
SSFF & ASIA 2025の審査員には、映画監督30周年を迎える岩井俊二が決定した。岩井監督は、『Love Letter』『リリイ・シュシュのすべて』『花とアリス』など、繊細な映像美と独自の語り口で国内外から高い評価を受けている。彼の視点でどのような作品が選ばれるのか、注目が集まる。
また、アカデミー賞のノミネートにつながる主要5部門(インターナショナル、アジアインターナショナル、ジャパンのライブアクション部門、ノンフィクション部門、アニメーション部門)を含む、上映・配信作品のラインナップは4月24日に発表される予定だ。
オープニングセレモニーにオ・マンソク、ユ・ジュンサンが登場
5月28日には、JR東日本グループが開発を進める「TAKANAWA GATEWAY CITY」でオープニングセレモニーが開催される。レッドカーペットには、岩井俊二監督に加え、韓国の俳優オ・マンソク(『愛の不時着』)が登場する予定だ。
さらに、日韓国交正常化60周年を記念したイベント「JAPAN-KOREA Friendly Concert」も開催され、韓国ドラマ『棚ぼたのあなた』『驚異的な噂』などに出演する俳優ユ・ジュンサンも登場する。
世界の短編映画が集結するSSFF & ASIA 2025は、映画と観客、クリエイターと企業が出会う場となることを目指し、今年も多彩なプログラムを展開する。
公式サイト: https://www.shortshorts.org/2025/